うつ、顎関節症を治そう

~患者(私)の体験記と克服法について~

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これからの「うつ」の話をしよう:未来のうつ治療と支援のあり方

      2017/10/31

「うつ病」で苦しむ人がゼロになりますように

こんにちは、青年A(@seinen1234)です。

今日は「”未来のうつ病”について」考えたいと思います。

日本だけでも300万人以上の患者がおり、15人に1人がうつ病になると言われています。

ごくありふれた病気であるにも関わらず、次のような現状があります。

1.回復までに時間がかかる(薬がすぐに効かない)
うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う

2.「うつ病」にかかったと言いにくい(周りの目を気にして)
躁うつ病を告白したキャサリン・ゼタ・ジョーンズ~オープンにすることで同じ病気の人を助けたい~

3.誤診がある(客観的な検査ができないため)
(「誤診の苦しみ、闘病記に 千葉の主婦「薬で悪化、気をつけて」」より)

多くの方がこれらのことに悩まれていらっしゃいます。

僕がそうでした。
( 【闘病記】うつ病と顎関節症

7年以上、うつ病に苦しんだ経験から多くのことを学びました。

うつ関連の本を浴びるように読みました。

そうした経験から、「うつの未来」を考えたいと思います。

僕は、次のような未来がやってくると思っています。

皆様の参考になれば幸いです。

これからの「うつ」について~未来予想図~

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(Ⅰ)うつの特効薬が開発される

うつ病はカラダの病気です。

脳内の何らかの異常によって、うつ症状が起きています。

”何らかの”としたのは、まだ真の原因が分かっていないからです。

「セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の減少が原因じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

それも原因の1つかもしれません。

しかし、それだけでは説明がつかないのです。

抗うつ薬を飲めば、すぐに神経伝達物質の濃度は高まります。

しかし、効果が出るのに時間がかかります。

真の原因はBDNFという脳由来神経栄養因子の減少かもしれないという説があります。

「抗うつ薬を服用→神経伝達物質の増加→BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加→神経の形や働きが変化→うつの改善」という最新の考え方です。
「うつ病治療の基礎知識」(加藤 忠史)~初心者向けでは満足できない!うつ病を深く理解したい方の本~)

しかし、まだはっきりとは分かっていません。

それでも、うつ病の研究は日々進歩しています。

いずれ、うつのメカニズムが解明されて、うつの特効薬が開発されるでしょう。

そうなれば、うつ症状に苦しむ期間がグーンと減ることになります。
【まとめ】ぼくの鬱病の症状~こんな症状に苦しんでいました~

(Ⅱ)客観的な診断が可能になる

うつの原因が分かっていないので、客観的な診断方法がありません。

ネット上では、”光トポグラフィー検査”で客観的な診断ができる!と書かれていたりしますが、信頼性に欠けます。
光トポグラフィー検査(NIRS)とは?:オススメできない7つの理由と精神疾患の検査法

うつ病でどん底だった頃に受診したことがありますが、ウソ発見器と変わらないのではと思うほどでした。

当時の光トポ結果です。

アメリカ精神医学会も「あんな(おかしな)診断をしてはいけない」といった異例のコメントを出されているようです。

今後、うつの真の原因が解明されることで、客観的な診断方法も確立されていくことでしょう。

うつは病気です。気の持ちようでは治りません。
うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない

客観的な診断方法によって、きちんと病気と認知され、適切な治療を受けられるようになることを願います。

(Ⅲ)精神障がい者の待遇が良くなる

2016年現在、精神障害者の待遇は良いとはいえません。

むしろ、悪いでしょう。

特に経済的な支援についてです。

死因として最も多いのは「がん」と言われていますが、仕事ができなくなる病気として最も多いのが「うつ」と言われています。

お金は増やすか使わないかです。

増やす方法の1つが傷病手当金の申請です。
傷病手当金はうつ病でも申請できます~退職後でも受給できました~

しかし、1年半?くらいまでしか貰えなかった気がします。

うつがすぐには回復しないことを考えると、この期間は少ないと思います。

独り身ならまだしも、家族がいる場合は深刻でしょう。

もうひとつの方法が、障害年金の受給です。

しかし、うつ病で障害年金を受給するのはハードルが高い現状です。

つまり、うつでお金を増やすことが難しいのです。

使わないようにする1つの方法が「自立支援医療制度」という制度です。

詳しくは、自立支援医療制度~医療費負担が1割に~で書いていますが、医療費負担を3割から1割に減らす制度です。

SSRIやSNRIといった抗うつ薬は薬価が高いので、自立支援医療制度は必ず利用しましょう。
(僕も利用していました)

使わないもうひとつが「精神障害者保健福祉手帳の取得」…といいたいところですが、身体障害者手帳に比べてメリットが少ないと感じるのは僕だけでしょうか?

公共交通機関の運賃免除や減免メリットがないのが痛いです。

ある地域もあるようですが、期待しないほうがよいでしょう。

病院に行くのにバスや電車を利用する人は多いはずです。

うつ病で収入がないので、できるだけお金を節約したいのに、免除制度が充実していないのは改善してほしいですよね。

悲しいことに、うつ患者は増加しています。

これらの時代背景を受けて、いずれうつ患者の経済的支援の充実がはかられると思います。

おわりに~うつ病には終わりがある~

おわりに

うつ病でどん底の頃は、出口のない暗いトンネルの中にいる感覚かもしれません。

「僕はもうこの暗闇から一生抜け出せない、一生うつ症状に苦しんで死んでいくんだ」
うつの症状の正体とは?:それは脳が生み出した「幻術」

「何も成し遂げられずに死んでいくしかないのか」
『うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話』(阪口裕樹)

「死ぬほどつらいうつ症状に苦しむのはもういやだ。いっそ死んでしまいたい」
「うつの自殺は絶対あかん」~してはいけない4つの理由~

そう思っていました。

治る気がしないのです。治ったイメージが沸かないのです。

元気な時の感覚が思い出せないのです。

本当に苦しみました。

しかし、その症状には終わりがあります。

このことを今苦しんでいらっしゃる方に知っておいてほしいのです。

すぐには治りません。

時間がかかります。

しかし、いずれ春がやってきます。
うつ病の症状に対応する5つの心構え:時間を味方につけるということ

うつ中は人生の修行期間だと思って、読書や自己啓発、人生の見直しなどをしてみてはいかがでしょうか?
生きがいをもとう、つくろう!~うつ病療養中の方へ~

皆様の健康を願って、本日も終了とさせていただきます。

本日もありがとうございました。

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