うつ病の特徴を知る動画「うつ病を経験したわたしからの大切なメッセージ」がすばらしい!!
2017/10/09
目次
うつの誤解がなくなりますように
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今日は、うつの特徴を知ってもらうための分かりやすい動画をご紹介します。
日本イーライリリー社の「うつ病を経験したわたしからの大切なメッセージ」という動画です。
動画制作の目的は、うつ病を多くの人に知ってもらうため、とのことです。
うつ病による多様な症状に対する正しい理解を促し、当事者が適切な治療と、周囲からの適切なサポートを受けられるようになることを願い、うつ病患者さんが症状を感じてから回復に向かうまでの道のりを当事者の視点から
描いた動画『うつ病を経験したわたしから大切なメッセージ』を制作しました。
(日本イーライリリー社)
まずは次の動画をみてください。
約5分のショートムービーです。
よろしくお願い致します。
「うつ病を経験したわたしからの大切なメッセージ」の全文
ムービーはいかがだったでしょうか?
うつ患者は「ほんとその通り」と思ったのではないでしょうか?
5分の時間に「うつ症状」「回復過程」「うつから学んだこと」が凝縮されています。
ムービーをより深く理解するために動画の言葉を文字にしました。
文字にすることで、また違った視点でメッセージをとらえることができます。
すごく為になる内容となっていますので、ゆっくりとお読みください。
<全文>
私を悩ませてきた君へ。
君がいると、やらなきゃいけないこともできない。
好きだったこともやる気がしないし、なにもかもおっくうで疲れる。
私どうしちゃったんだろう。
君が心に重くのしかかってくるから泣きたくなる。
それに体のあちこちにもずーんと重くのしかかって思うように動かせない。
眠れない。
もう何週間も君といると、ココロとカラダがわたしじゃないみたい。
疲れてるだけってごまかしてたけど、もう藁にもすがる思いでそのとびらを開けたら先生が「よく来てくれましたね」って。
最初は、しどろもどろだったけど、感じていることを話していいんだって。
少しほっとした。
先生が教えてくれた。
ココロとカラダに重くのしかかっていた君はうつ病だったんだね。
まずは休みなさいって言われたけど、休み方が分からなくってぼーっとしたり寝ていることしか出来なかった。
でもそれで良かったのかな。
紙に書いて出来るようになったこと、出来ないことを先生に伝えたりもした。
調子がいいなと感じてご飯を作ったけど、出来はいまいち。
それでもみんなが喜んでくれてうれしかった。
でも焦ってがんばろうとするとまた。
そんなときはちょっと出来たことへのありがとうが支えてくれた。
重かった体もだんだんと楽になってきて、君との毎日をうまく過ごせるようになった。
きっと前にすすめると思った。
心にも体にも重くのしかかるうつ病のこと。
先生に話して私に何が起きているのかが分かったから。
うつ病との毎日は辛かったけど、それがきっかけで当たり前のことが幸せだって思えるようになれたのかも。
今つらい思いをしている方へ、うつ病は身近にある病気です。
すぐには良くならないかもしれないけど、まずは自分の中で何が起きているかを知ることから始めてみませんか。
医師に伝えることが出口への手がかりになるかもしれません。
すこしだけ勇気を出して周りに助けを求めてみませんか。
出口はきっとあるはずです
「よくきてくれましたね」
うつ病は、「こころ」にも、「からだ」にも重くのしかかる、当事者にとって本当につらく、苦しいもの。
少しでも寄り添う気持ちを持っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
うつの偏見がなくなりますように
この映像が、あたたかい気持ちの連鎖のきっかけになることを、切に願っています。
(認定特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構(コンボ))
親しみやすい女の子をいつもと違うタッチで繊細に描きました。
相談しようか迷っている方にそっと手を差し伸べる…
そんなお役に立てたらと思います。
(イラスト ちあき(ぷるすあるは))
無理をせず出来ることを増やしていく、そして上手にうつ病と付き合っていくことなど、病気との向き合い方に関するメッセージがとても伝わる動画だと思います。
うつ病を身近に経験した家族の1人として、そして伝え手の1人としてうつ病の方が語れる社会を作るために皆さんと一緒に心を込めてこれからも仕事をしていきたいと思います。
(ナレーション 町 亞聖)
僕の大切な人が2人、うつ病を患っていました。
音楽は聴く人の心に直接働きかける事があります。
だから作曲家が誰かのために出来る事というのは本当にたくさんある。
この依頼が来た時、自分が出来る事を最大限やろうと思いました。
1人でも多くの人の苦しみが少しでもやわらぎますように。
(音楽 渡邊 崇)
この動画のストーリー及び描かれている黒い生き物は、うつ病患者さんが感じる症状に対して持たれているイメージを、複数の患者さんの経験や医学監修を経て具象化したフィクションであり、うつ病にこのような黒い生き物が存在するわけではありません。
また、うつ病の症状や症状の感じ方は一人ひとりさまざまであり、全ての人が同じように感じ、同じ治療経過をたどるわけではありません。
動画『うつ病を経験したわたしから大切なメッセージ』から学べること
この動画はうつ病患者、うつを支えるご家族、うつを知らない方に、うつを分かりやすく教えてくれています。
この動画から学べることを書き記したいと思います。
<うつの症状について>
・好きだったことができなくなる。
・なにもしたくなくなる。
・心と体が重たく感じて思うように動かせない。
(うつ病の症状の1つとして体が重く感じることはよくある症状)
・自分の心と体じゃない気がする
<回復過程>
1.まずは病院を受診する
・病院に行く
(うつ病の病院選びにお困りの方へ:うつ経験者が選び方を教えます!)
・感じていることを素直に伝える
・するとホッとする
・不調の原因はうつ病だとわかる
・紙に出来るようになったこと、出来ないことを書いて伝える
2、休む
・ぼーっとして寝る
・それだけで良い
3、回復には波がある
・焦ってがんばろうとすると失敗する
・ちょっとできたことに感謝する
・重たかった体もだんだんと楽になっていく
(うつ病の症状に対応する5つの心構え:時間を味方につけるということ)
・うつとの付き合い方が分かるようになる
4、うつから学ぶ
・うつがきっかけで、当たり前のことが幸せだって思えるようになった
・うつは身近にある病気だと分かった
・すぐには良くならないかもしれないけど、出来ることから始めることの大切さを学んだ
・医師に伝えて周りに助けを求めること
・出口はきっとあることを理解した
(やまない雨はない(倉嶋 厚)~うつ病は必ず治る、降りやまない雨はない~)
<支援者からの言葉>
■地域精神保健福祉機構(コンボ)
・うつ病は、「こころ」にも、「からだ」にも重くのしかかる、当事者にとって本当につらく、苦しいもの。
病気のつらさを理解してあげることが大事。
■町 亞聖
・無理をせず出来ることを増やしていく
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動画の最後に書いていましたが、症状も治療過程も人によって様々です。
なので、動画の内容に当てはまらなくても、うつ病である可能性は十分にあります。
あくまで、よくある症例を元にしたものですね。
(【まとめ】ぼくの鬱病の症状~こんな症状に苦しんでいました~)
おわりに~うつが理解される世の中を目指して~
うつ病の理解が深まったとはいえ、まだまだ誤解や偏見が多い病気です。
家族でさえ、患者を理解できずに苦しんだり、苦しめたりしてしまいます。
(家族はうつ病患者にどのように接すればいいか?:4つの対応とうつ患者の気持ち)
だから啓発目的にこの動画が制作されました。
うつの特徴は数値で測れないところです。
(うつ病の診断で光トポグラフィー検査は危険!┃患者をだます例が多発)
目に見えないところです。
骨折ならレントゲンをみれば分かります。
ガンなら腫瘍を見ることができます。
しかし、うつ病はできません。
うつ病は脳内の異常なので、いずれは客観的な検査で判断できる日がくるかもしれませんが、現時点では出来ません。
(うつの原因はストレス?~ストレスは「原因」ではなく、「誘因」です~)
そこに問題があります。
検査をしても、”異常なし”と出るので、周りの人は「甘えじゃないのか」「気合が足りないだけだ」「働くうちに治る」「おれだって休みたいよ」と思ってしまうことがあるのです。
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
ある意味仕方のないことかもしれません。
しかし待ってください。
その症状…うつ病の可能性があります。
(「そのからだの不調、ホントはうつですよ」~原因不明の身体症状でお悩みの方へ~)
内科などで”異常なし”と判断されても、どうしても言葉にできない症状がある…そんなときは勇気を出して心療内科・精神科を受診してほしいのです。
心療内科・精神科はなにも特別なところではありません。
こわ~いところだと思うかもしれませんが、普通の内科と何ら変わりありません。
一見すると、「あの人、ほんとにうつ病なの?」と思うくらい普通そうな人が受診されています。
なので気軽に受診してほしいのです。
病気でなければそれでよし、病気であれば治療に移れます。
ココロの症状があまりみえず、カラダの症状が全面に出るうつ病もあります。
ひとりで苦しんではいけません。
「出口」は必ずあるのですから。
そして、うつを支える方々にお願いです。
患者を優しく包み込んでください。
うつ症状は経験しないと分かりません。
死ぬほど苦しいものです。
苦しすぎて自殺してしまう人も多いです。
(『自殺って言えなかった。』(あしなが育英会):遺された遺族の想像を絶する苦しみ)
うつは甘えではありません。
元気そうにみえても、ココロとカラダは闘い続けているんです。
温かい気持ちで見守ってあげてほしいなと思います。
時間はかかっても、いずれ回復できる病気なのですから。
元うつ患者の叫びとしてお聞きいただければ幸いです。
本日もありがとうございました。
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