うつをカミングアウトして働くべきか?│僕が告白しなかった4つの理由
目次
うつの告白
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
うつを患っていて、うつを告白して働くべきかどうか迷っている方は少なくありません。
僕もそろそろ(お金がないので)働きたいなと思った頃に、うつをカミングアウトすべきか悩みました。
僕は結果として、「うつを告白せずに働く道」を選びました。
なぜカミングアウトしなかったのか?
そのあたりをお話していきたいと思います。
皆さまの参考になれば幸いです。
なぜうつを隠したのか?
1.偏見が怖かったから
うつは本当につらくて特殊な病気です。
病気を告白すると、偏見の目で見られることがあるからです。
骨折をした知り合いがいれば、素直にお大事にと言えるでしょう。
ガンにかかった友人がいれば、悲しんでお見舞いに行くこともあるでしょう。
そこに偏見はありません。
しかしうつ病だとどうでしょうか?
「頭がおかしくなったんじゃないか?」
「甘えなんじゃないか?」
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
「急にキレられたりすると面倒だな」
「ネガティブな雰囲気に巻き込まれそう」
といった偏見が発生する可能性があります。
近年、うつへの理解が深まったとはいえ、まだまだ満足とは言えないでしょう。
偏見を持ってしまう気持ちも分かります。
実際に情緒不安定でマイナス思考がつきまとうことがありますし、体が重くて動けなくなることだってあります。
(うつ病の症状の1つとして体が重く感じることはよくある症状)
それはうつの症状なんです。
骨折で患部が腫れたり、ガンで吐き気がするのと同じです。
うつの偏見が完全になくなって、うつでも安心して暮らせる社会を希望しますが、現実はそうではありませんね。
僕は一部の偏見が怖くてうつを告白しませんでした。
(これからの「うつ」の話をしよう:未来のうつ治療と支援のあり方)
「うつを告白する=僕がうつだと広まる=職場の人以外にも僕がうつという情報が広まって色々面倒」だと思ったからです。
2.希望する職種に就けないと思ったから
僕はWEBマーケターという職種を希望していました。
ネット上の集客や販売の仕組みをつくる仕事です。
(今もその仕事をしています)
うつになった事で、パソコン1台で仕事ができれば自分のペースで働けるんじゃないかと思ったからです。
その考えは完全にこの本から影響を受けました(笑)
(『うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話』(阪口裕樹))
うつを告白すれば、WEBマーケターという専門職に就くことは出来ないと思いました。
「うつ=満足に働けない=むずかしい仕事は困難だ」と判断されると考えたからです。
3.アルバイトから始めるつもりだったので、うつを告白する必要はないと思ったから
人にもよるかと思いますが、僕はうつの再就職をアルバイトから始めると良いと思っています。
(うつの復職はアルバイトから始めてみては?おすすめ求人サイトとバイトをすすめる7つの理由)
病気からの回復にはリハビリが必要です。
スポーツ選手のケガでも同じですよね。
いきなり本番でプレイするんじゃなくて、2軍や練習で徐々に慣らしていきます。
うつ病でも同じことが言えるんじゃないでしょうか?
100%完治した状態から仕事に就く場合(本番)は別として、70%の回復具合から仕事をする場合はアルバイト(2軍や練習)から体を慣らしていくのが良いでしょう。
手取り金額は少ないですが、生活の足しにはなります。
そして、正社員ほどのプレッシャーや仕事量は与えられないことがほとんどでしょう。
勤務時間もシフトで選べることが多いので、自分の負荷を調節できます。
僕は結果的にアルバイトから始めて良かったと思っています。
初めての職種「WEBマーケター」に挑戦できましたし、最初は週4日で7時間/日勤務とかでスタートできたからです。
体調が良くなっていくのに従って、勤務時間も増やしていきました。
こんな言い方は良くないかもですが、アルバイトなのでうつを告白する必要はないと考えました。
(アイアムウツと言える社会へ│心の健康で病欠した女性社員、経営者の対応に称賛の声相次ぐ)
4.うつだと言うのはいつでもできると思ったから
「うつ病なので業務量を減らしていただけないでしょうか?」や「うつ病で現在の仕事が困難なので、他の部署で働かせていただけないでしょうか?」と言うのはいつでもできると思っていました。
一度ふつうに働いてみて、ダメだったら言えばいいやと思ったので、最初にうつをカミングアウトしませんでした。
うつと言わずに働くメリット・デメリット
面接でうつと言わずに仕事への意欲を伝えたことで、新しい仕事が決まりました。
また、周りからの偏見もなく仕事ができています。
周囲がうつ病だと知らないから当然ですね。
どんな業務であれ、人は仕事をすべきかもしれません。
仕事から学べることは多いものです。
上司とのコミュニケーションで失敗したことやWEBの新しい技術に触れたりして「人間として成長している実感」が得られるからです。
(アサーションを知ろう~I’m OK, You’re OK!な表現技法~)
・相手の忙しさを見て話しかけるタイミングを決める
・きちんとデータと根拠を考えた上で主張する
・新しいエクセルの操作法をマスターする
など、仕事の工夫と意識次第で新たな自分に出会えるんです。
以前、人材紹介の営業マンをしていたので、仕事と人とのあり方を自然と意識していたのかもしれません。
(なぜ人は仕事をするのか?~一生分のお金があれば、人は働かないのか?~)
反対に、うつを告白しないデメリットは「健常者と同じ仕事量が与えられる」という点でしょうか。
周囲がうつ病だと知らないので当然ですね。
そのことは就職前に気になっていました。
「まだ身体が完全に回復していないのに大丈夫かな?」
「膨大な仕事量を与えられてうつが酷くならないかな?」と。
その不安は「自分に合った会社を選ぶ」ことで払拭できます。
バリバリ働いて成長、昇給、昇進を目指す会社もあれば、定時大社が原則でゆるやかな会社もあります。
日本だけで400万社もあるので、自分にぴったりの会社は必ず見つかります。
(仕事探しで人材紹介を使う4つのメリット:元転職エージェントがすべて教えます)
社風、給料、勤務地、働き方など100%完璧な会社はありませんが、うつ経験者は「働き方」に注目して会社を選ぶと良いかもしれませんね。
僕は、ベンチャーですが定時退社が基本で大阪勤務の会社で働いています。
(給与以外はそれなりに満足ですw)
うつを告白して働く方もいらっしゃる
僕はうつを告白せずに働き始めました。
しかし、うつをカミングアウトして働いている人は大勢います。
有名な方だと、ツレうつの”ツレ”さんや元テレビキャスターの”丸岡いずみ”さん、うつヌケ作者の”田中圭一”さんがいらっしゃいます。
- 『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記
- 『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(丸岡いずみ):日テレキャスターの壮絶うつ闘病記
- 『うつヌケ』(田中圭一):ベストセラーだがオススメできないたった1つの理由
また、障がい者向けの仕事探しをサポートしてくれる会社もあります。
(アビリティスタッフィング)
その人の状況や考え方によって、うつを告白すべきかどうかは変わってきます。
なので、僕の考えを押し付ける気はまったくありません。
僕の生き方が1つの参考になればと思っています。
おわりに~うつをカミングアウトせずに働いている人は大勢いる~
「うつと伝えて働くべきですか?」
僕は心療内科・精神科の先生に相談しました。
体調が70%くらい回復して、アルバイトからなら働けるかなと思っていた頃です。
本当はもっとゆっくりしたかったのですが、お金が必要だったのです。
(傷病手当金はうつ病でも申請できます~退職後でも受給できました~)
先生はこう言いました。
「伝えてもいいですが、伝えずに働いている人もいっぱいいますよ」と。
目から鱗でした。
というのも、うつと言わずに働くことに多少なりとも罪悪感があったからです。
なんか、隠し事をしている気がして。
けどよくよく考えてみると、病気はれっきとした個人情報です。
別に伝える義務はないですね。
罪悪感を感じる必要はないのです。
うつにかかった我々が悪いわけではありません。
・しっかり休養を取ること
・中程度以上のうつなら薬物療法といった標準治療を受けること
・環境調整すること
・考え方を改めること
・運動すること
といったうつ病の治療を続けながら働くことは可能です。
- うつの休養の仕方~休養は治療の1つです~
- うつ治療のメインは薬物療法~抗うつ薬が効く理由~
- うつ治療に「環境調整」は必須~その理由と5つのやり方~
- 認知行動療法とは?~認知行動療法を世界一分かりやすく解説しました~
- うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~
そのためにも「自分に合ったペースで長く働ける会社」をきちんと探すことが重要ですね。
そして「バイトからなら働けそうという自然な意欲」が沸いてから仕事をするのが良いと思います。
それまではきちんと休みましょう。
皆さまの健康を願って本日も終了とさせていただきます。
本日もありがとうございました。
青年A