歯ぎしりにマウスピースを使わないで!:あかん理由と本当の治療法
目次
歯ぎしり治療にマウスピースを使うと余計悪化する
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
「歯ぎしりの治療でマウスピースを使ってはいけません」
これがお伝えしたいことの全てです。
なぜマウスピースを使ってはいけないのか?
そのあたりを書いていきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
なぜ歯ぎしりにマウスピースを使ってはいけないのか?
歯科医院で歯ぎしりを相談すると「マウスピースをつけて様子をみましょう」と言われるかもしれません。
しかし、マウスピースを使わないでください。
その理由はこうです。
1.歯ぎしりが悪化することが多いから
皮肉なことにマウスピースをつけると、歯ぎしりが悪化してしまうことがあります。
寝ている間、無意識にマウスピースを噛み締めてしまうのです。
ギリギリ、ギリギリと。
マウスピースは歯の接触を避けるためのものです。
そのため、分厚いマウスピースを寝るときに装着します。
これで歯と歯の接触はさけられますが、次は歯と歯でマウスピースを噛んでしまうのです。
顎関節症の世界的権威の木野孔司先生がリーダーを務める「次世代の顎関節症治療を考える会」では、次のように語られています。
マウスピースを使用すると、大きなものが口の中に入っているので、どうしてもマウスピースに歯を当ててしまい、マウスピースを介してTCHを行っていることになります。
(「次世代の顎関節症治療を考える会」)
TCHとは歯ぎしりや歯と歯をくっつけ続けてしまう癖のことです。
(TCH(歯列接触癖)とは?:顎関節症の最大の原因が発見された!)
寝ている間は無意識です。
なので、ずーっと噛み続けてしまって、朝起きると顎が異常に疲れているということになります。
1分間でさえ歯と歯を噛み合わせると疲れるのに、6、7時間続けるなんて、筋肉にどれだけ負担なのか…
想像するだけで疲れます。
(【顎関節症の問診】マウスピース(スプリント)で正しい顎位や噛み合わせを作るのは絶対不可能)
2.マウスピースのつけすぎで歯並びが変わってしまうことがあるから
マウスピースをつけると歯と歯に隙間ができます。
短期間の装着なら問題ないですが、長期間の装着は歯並びを変えてしまう恐れがあります。
実際、僕は歯と歯の隙間が記憶されてしまって、オープンバイト(開咬)になってしまいました。
(オープンバイト:噛み合わせた時、上下の前歯が咬み合わせない不正咬合)
オープンバイトになってしまったら、矯正治療でしか治せません。
どれぐらいを「長期間」といえるかは個人差がありますが、いずれにしてもマウスピースは使うべきではありません。
マウスピースを使わなくても治療できるからです。
(顎関節症にマウスピースを使ってはいけない!:4つの理由と正しい治療法)
3.本来の噛み合わせを壊してしまう恐れがあるから
マウスピースをつけると噛み合わせが変わります。
正しい噛み合わせを考慮した上でマウスピースを設計してたらまだしも、ただ歯型を取って作ったマウスピースだと噛み合わせを壊してしまうことがあります。
(歯型だけとって作る歯科医院が多いです)
その結果、
・うまく噛めない
・なんか違和感がある
といった症状を引き起こすことがあるのです。
歯を削るのもNGです。
歯並びも歯も一度いじると元には戻りません。
4.顎関節症を発症することがあるから
マウスピースをつけると顎位も変わります。
顎位とはその名の通り、顎の位置です。
顎は両耳あたりの顎関節によって、ブランコみたいに支えられています。
マウスピースをつけることで、このバランスが崩れて顎関節症を引き起こしてしまうことがあるのです。
(結局、顎関節症とは何なのか?その正体と治療法の真実)
以上、代表的な理由を4つ挙げました。
マウスピースを使うべきではないことがご理解いただけたでしょうか?
実際にマウスピースを使った人でないと分からないかもですが、マウスピースは見た目以上に人体に影響することを理解していただければと思います。
歯ぎしりの治療法
歯ぎしりの治療法は「歯ぎしりを治療する2つの方法:歯科治療と精神治療」をご覧ください。
歯ぎしりの治療には「歯科治療」と「精神治療」があり、それらを詳しく解説しました。
マウスピースは使いません。
歯を接触してしまう癖をなくす治療です。
歯ぎしりの治療法をお知りになりたい方はぜひ一読してみてください。
おわりに:僕はマウスピースでえらい目にあいました。
「【闘病記】うつ病と顎関節症」でストーリーにしていますが、僕は7年以上うつ病と顎関節症に悩まされました。
その時ずっとマウスピースを使っていました。
(噛み合わせ治療にマウスピースを使うのはもうやめよう)
・マウスピースを使わないと顎関節症は治らない
・噛み合わせの悪さが体調不良の原因
だと思い込んでいました。
大阪の有名な歯科医院でマウスピースを作製してもらい、2~3週間に1度調整してもらう日々が続きました。
調整してもらった日は調子がいいのですが、しばらくするとまた体調が悪化しました。
「顎がだるい」
「知覚過敏になっている」
「詰め物がすぐに取れる」
「首、肩が凝りまくる」
といった症状が取れないのです。
(不定愁訴は「症状」であって「病名」ではない。~「症状」の治療になってませんか?~)
そしてまたマウスピースを調整してもらいました。
お金と時間を湯水のごとく使いました。
それでも治りませんでした。
その後、顎関節症で世界的権威の木野孔司先生と出会ってマウスピースを外すように言われました。
(「tch」を発見した木野孔司先生が新サイトをオープン!:顎関節症患者を救うためのサイト)
何年も何年もつけていたものを外すのには抵抗がありました。
「外して体調が悪化したらどうしよう…」という不安です。
しかしマウスピースを外してどうなったのか…
歯ぎしりをしなくなりました。
マウスピースを噛みしめていたから不調だったんだと気づきました。
寝ている時は「無意識」なので、先生に指摘されるまで分からなかったのです。
実際、歯ぎしりや顎関節症、噛み合わせの悪さが体調不良を引き起こすと歯科医に脅され、治らないどころか悪化するマウスピースをつけ続けている患者さんは少なくないようです。
マスコミやインターネットには「かみあわせが悪いと全身に色々な問題が出る」といった記事がいっぱいです。
特にインターネットでは「かみ合わせが悪いと大変な問題が起こる」といった恐怖を与えるような内容まであります。
本当でしょうか。
よく考えてみるとおかしいと思われるはずです。
昔、歯の悪い人が世間にあふれていた時代があります。
その時代に口が開きにくいとか痛いとかいう人がたくさんいたなら、少しは記録が残っていてもよさそうですが、そんな記録はありません。
また今の時代でも、世界には歯科医がまだ十分にはいない国が多数あります。
むし歯を治療できずそのままになっていたり、歯を抜いたけれど入れ歯を入れられないままになっていたりする人がいっぱいおいでです。
そのような国で顎関節症の人が多いかというと、そんな報告もありません。
(「次世代の顎関節症治療を考える会」)
私は、歯を接触する癖(TCH)を治す治療によって、歯ぎしりを家族に指摘されることもなくなりました。
先ほどあげた症状も少しずつ消えていったのです。
だから声を大にして言いたい。
「マウスピースを使ってはいけない」と。
マウスピースを噛むようになって、余計に歯ぎしりが治らないからです。
日中歯をつけ続けている人は,寝ている間もずっとつけ続けますので,それによって疲労したあごの筋肉は上手く伸びることができず,口が開きにくくなる訳です.
また口を閉じるときに働く側頭筋が疲労すると,それが頭痛として起床時に意識されることにもなるのです.
Aさんの場合,マウスピースを入れて寝ると,逆にマウスピースを強くかみしめることになり,このことが筋疲労を強めたと解釈できます.
皆様の健康を祈って本日も終了といたします。
ありがとうございました。
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