『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(丸岡いずみ):日テレキャスターの壮絶うつ闘病記
2017/10/09
目次
”ミヤネ屋”で人気を集めた丸岡いずみさんのノンフィクション闘病記
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回ご紹介する本は、『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(丸岡いずみ)です。
僕はこの本を読んだときに、頭に雷が落ちたような衝撃と激しい共感を覚えてカラダが震えました。
「あんなに元気で明るい丸岡さんがうつだったなんて」と。
ほんとにうつ病は誰がかかってもおかしくない病気です。
そして、僕も丸岡さんと同じ経験、想いを抱いていたのです。
(僕のうつ病体験記はこちら→「【闘病記】うつ病と顎関節症」)
・このまま東京にいたら、死んでしまうかもしれないという思い
・山や川といった、小学生でも読める簡単な漢字の読み方さえ分からなくなってしまう思考能力の低下
・うつ病患者=負け犬といったネガティブな偏見
・自分は一生うつ病で苦しんで、二度と社会復帰できないという思い込み
・このまま結婚もしないで子どももできずに死んでいくだけという後ろ向きの気持ち
・いい年した大人の自分と一緒に寝てくれる家族の温かさ…
うつ病のリアルがきめ細かに書かれていて涙が止まりませんでした。
うつで苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ…
『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(丸岡いずみ)は、励ましと勇気をもらえる良書です。
本書の一部を抜粋してご紹介させていただきます。
よろしくお願い致します。
『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(丸岡いずみ)
・自分の五感が大自然とつながると大きな癒しを与えてもらえる
⇒うつ病で体調が悪くなり始めた頃から、植物や土といった「自然」が恋しくて仕方ありませんでした。
・自分の五感が大自然のエネルギーとつながることで、全身が癒され、リセットされていくように感じました。
・医学の父といわれるヒポクラテスは、「自然から遠ざかるほど病気に近づく」という言葉を残しましたが、まさに現代人にもその言葉は当てはまると思います。
・うつ病でなくても、「ちょっと疲れたかな」と思ったら、都会にいても公園を散歩したり、花を買って飾ったり、日々の生活で自然と豊かにつながりを持つことをぜひおすすめします。
・簡単なことではないけれど、「いつかは終わる」を思い出す!
⇒うつ地獄にいる時は、「もう二度と地獄から出られない。生涯終わりなき責め苦を受け続けて、廃人になるのだ」と思い込んでいました。
「いつか、この最悪な状態から抜け出せる日が来る」なんてこと、まったく考えられませんでしたね。
このまま死ぬと思っていました。
今となっては、これもうつ病に対する私の「根強い偏見と誤解」のひとつだったと思います。
・ちゃんと薬を飲んで治療を受けたら、回復して元気になりましたから。
・自殺を考えてしまうほど苦しい時でも、「いつかは終わる」ということを、ぜひ思い出してもらいたいのです。
・そういうふうに気持ちを持っていくのは、簡単なことではないと分かっています。
それでもあえて声を大にして言いたいのです!
・それから、「いつかは終わる」という気持ちが持てた時、焦りは禁物です。
一刻も早く乗り越えようと頑張ってしまうと、うつは悪化します。
【特別解説~うつ病の”ほんとう”~(野村總一郎先生)】
・日本人の10人に1人が罹ると言われている、うつ病。
・発病の原因は実に複雑ですが、どうやら「脳の病気」であることが最新の研究で解明されています。
・うつ病に苦しんでいる最中には、人生にはよい時も悪い時もあって、たとえ今は悪い状態でも、いつかはよくなる。
すべてが悪いことのように思えても、ずっと続くことはあまりないということを、ぜひ思い出してください。
【特別対談~「丸ちゃん、頑張りすぎたのだね」~(鎌田寛先生)】
鎌田:僕は貧乏の中で育ってきたし、親がいないところを生き抜いてきたから、自分は特別に強いと思っていたけれど。48歳の時にパニック障害になったの。
丸岡:えっ、そうなのですか。
…
鎌田:自分がなぜパニック障害を起こしたのだろうと思ったら、結局、見栄なの。
要するに、病院経営をして、ちゃんと黒字にしながら、他の病院にはない温かな医療をしたいという希望があったの。
それは基本的に至難の業。
でも、自分は強いから大丈夫。
他の人にはできなくても、自分ならできるかもしれないと思って頑張っていたら、結局、パニック障害を起こした。
丸岡:私も、まったく先生と同じです。
長い間、他人から羨望の目で見られる「丸岡いずみ像」を壊さないように、他人の目に映る自分に重きを置いて生きてきました。
うつ病を経験して、自分が幸せなのかどうかを基準に生きたいと気持ちが大きく変化しました。
休むことも生きること
うつ病当事者の丸岡いずみさんだけでなく、野村總一郎先生(防衛医科大学校病院病院長)と鎌田寛先生(諏訪中央病院名誉院長)のアドバイスも書かれている貴重な本です。
僕は、うつを克服するヒントを与えてもらいました。
抜粋部分でご紹介はしませんでしたが、「丸岡的うつ病と上手につきあう心得」も為になります。
うつを経験した人の克服術は説得感が一味違いますね!
『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』を読むことで、次のことが理解できるでしょう。
・なぜ丸岡いずみさんがうつ病になったのか?
・うつ病になる前の丸岡いずみさんは、どんな生活をしていたのか?
・どんな心構えと治療法でうつを克服していったのか?
・医師による、うつ克服のための考え方
・克服したあとの生活について
参考として、『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』のAmazonレビューの一部を引用します。
【旦那様の愛と丸岡さんの勇気に泣いた】
うつ病です。
泣いた。
同じだった。
自分がうつ病だと認めたくなかった。
夜も眠れずソワソワして、部屋から部屋へと歩き回った。
うつ病は心の風邪なんかじゃない。
脳の病気。誰でもなるんだよ。
丸岡いずみさん、よくぞこの本を書いてくれました。
うつ病への偏見が少しでもなくなりますように。
そして、丸岡さんの旦那様にも惚れました。
【「うつ病」に関する良書です。】
病に至った経過、状況等解りやすく書かれております。
うつ病は誰でもなりえる病のようです。
知合いに「うつ病」の人がおり、とても参考になりました。
【救われました】
私もうつを経験しているひとりですが、タイトルや症状、負の感情のスパイラルにも私個人としては、とても共感でき元気づけられた一冊となりました。
「うつ地獄」というタイトルに否定的な意見もあるかと思いますが、患者さんからしたら地獄と言いたくなるような状況・状態です。
ただうつ病真っ只中の患者さんは今が地獄のように辛いと思っていても言えないし、周りも気を使っていて中々口にはしないと思います。
しかしあえて、うつだったときを地獄と表現してもらって、「そうだ。うつ病はその位大変なものなんだ。辛くて当然。そう思っていたのは私だけじゃなかった。」と救われた気持ちになりました。
同時に著者が理解ある方々に囲まれていて、すこし羨ましくも思いました。
この本を読み、安心と希望をいただいたような気がします。
著者に感謝いたします。
おわりに~うつのほんとの苦しさは、なってみないと分からない~
今回は、壮絶なうつ病を経験された「丸岡いずみ」さんの書籍をご紹介しました。
患者自身の体験記は、我々(患者)自身の経験、苦しみと重なる部分が多く、参考になるとともに心打たれます。
うつ関連の書籍は、医師によって書かれたものが多く、患者の体験記(患者目線の著書)は少ないような気がします。
うつのほんとの苦しみは、うつを経験した人しか分かりません。
症状はまさに「地獄」です。
丸岡さんのような、明るく・才色兼備な人でもうつ病になるのですね。
人は見かけでは分からないものです。
うつでお悩みの方は、きっとこの本に励まされるでしょう。
昔の僕のように。
心から一読をおすすめします。
本日もありがとうございました。
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