『うつヌケ』(田中圭一):ベストセラーだがオススメできないたった1つの理由
2017/10/02
目次
『うつヌケ』は10万部突破のベストセラー本だけども…
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は、巷で話題のうつ体験まとめ本『うつヌケ』をご紹介します。
10万部突破のベストセラー本のため、すでに読まれた方もいらっしゃるかと思います。
タイトル通り「うつを抜ける」方法や体験談が書いてはいるのですが…
軽いタッチで浅く書かれていて、僕はあまり良い本だと思いませんでした。
(作者の田中圭一さん、ごめんなさい)
わざわざお金を払って読むほどではないのかもしれません。
しかしベストセラー本なので、一応皆さまにご紹介したいと思います。
よろしくお願い致します。
【重版分入荷してます】
『うつヌケ~うつトンネルを抜けた人たち~』
社畜になりやすい人とウツとの関係について、14話に詳しく載ってます。
また、トーチにて1話~4話も無料公開中!
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— はぁとふる売国奴 (@keiichisennsei) 2017年2月3日
『うつヌケ』とは?
『うつヌケ』は作者をはじめとする以下の方々のうつ体験談で構成されています。
・田中圭一(マンガ家)
・大槻ケンヂ(ロックミュージシャン)
・代々木忠(AV監督)
・宮内悠介(小説家)
・ずんずん(外資系OL)
・まついなつき(エッセイスト・占い師)
・熊谷達也(小説家)
・内田樹(フランス哲学研究者)
・一色伸幸(脚本家)
この方々の体験談以外にも精神科医「ゆうきゆう」さんの話なんかもあります。
『うつヌケ』の良かった点
1、マンガで読みやすい
うつ急性期は特に頭がぼーっとして活字が入ってこないです。
(睡眠不足は「うつ」を招く│35歳エース記者がうつ病に)
うつでない人にこの感覚をご説明すると、睡眠不足で眠たくて意識がもうろうとしている状態に近いです。
うつ経験者にはおなじみの症状ですね。
頭がぼーっとしてると、文字の内容を理解しずらくなります。
うつ病について理解を深めたいと思っても、たいていの本は文字の羅列で出来ているので、体の疲れも相まって読まずに終わってしまうことも少なくありません。
(メンズ限定!休養中にモテ男に生まれ変わりませんか?~「美女と野獣」の野獣になる方法~)
しかしマンガであれば、気軽にさくさくと読み進めていくことが出来るのです。
作者の田中圭一さんは漫画家なので、非常にキレイでかわいい絵をたくさん使ってくださっています。
うつのココロを和らげる配慮のためか、カバーは落ち着くピンク色で、本書の中ではカラーも使われています。
そういった点で、うつ真っただ中の方には読みやすい本かと思います。
2.わりかし有名な方のうつヌケ体験がまとめられている
一般の方のうつ脱出まとめ本はあるのですが、有名な方の脱出まとめ本はあまり見たことがありません。
(有名な方ご自身のうつ体験記はたくさんあります)
田中さんが有名な方々に取材して内容をまとめたようです。
うつを発症した原因は様々です。
・会社に週6で泊まり込みで働いてうつを発症
・雑誌を大ヒットさせて編集長になったものの、そこから全く結果を出せずにうつを発症
・24歳の若さでバンドが大ヒットしたため、この先も人気が続くか不安でうつを発症
・30歳で子どもが欲しいのに婚約者にいらないと言われ続けてうつを発症…など。
簡単にまとめてしまいましたが、これ以外にも色んな原因でうつになることを教えてくれています。
(うつの原因はストレス?~ストレスは「原因」ではなく、「誘因」です~)
うつに苦しんでいる方と近い境遇が見つかって共感できるかもしれません。
3.うつと気温の関係が書かれている
この部分は多くの読者から共感の声が寄せられたそうです。
(僕はあまり分かりませんでしたが)
作者の田中圭一さんは、季節の変わり目の気温差が激しい時期に「うつ症状」が重くなっていたようです。
(【まとめ】ぼくの鬱病の症状~こんな症状に苦しんでいました~)
この発見によって、気分が急に落ち込む日を予測できるようになって不安が消し飛んだそうです。
次の日激しい気温差があると気象ニュースで分かれば、気持ちの準備ができますもんね。
この事をツイッターで発信したことで、落ち込む原因が分からず悩んでいた方の「もやもや」を解消させたようです。
(5000人異常のリツイートがあったらしい)
『うつヌケ』の残念な点
1.内容がうすい
あまりにコミカルに描かれているため、内容が薄い印象でした。
『うつヌケ』の具体的な治療法はほとんど書かれておらず、考え方や気持ちの持ち方が中心でした。
その考え方や気持ちの持ち方もありふれた内容で、正直あまり参考にはならなかったです。
以前からご紹介していますが、マンガでうつ病とは?や治療法を理解するには「ツレがうつになりまして」シリーズのほうがよっぽどいいですよ。
(『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記)
こちらの本はシリーズになっていて、ツレ(夫)の立場からの体験談や治療法、作者(妻)の立場からのうつ病との付き合い方、支え方が丁寧に書かれています。
『『ツレと貂々、うつの先生に会いに行く』(細川貂々):「ツレうつ」シリーズ”細川貂々”さんと人気精神科医”大野裕”先生のコラボ本』では、認知行動療法の世界的権威「大野裕」先生の言葉や治療法、うつとの向き合い方が書かれています。
購入して読んでいきたいなら、ぼくは「ツレうつ」シリーズをオススメします。
おわりに
うつ病は身近な病気ですが、ココロのガンと言われるほど苦しい病気です。
僕自身のうつ体験をもとに、この「うつ、顎関節症を治そう」というサイトを運営していますが、まだまだ分からないことだらけです。
うつや顎関節症でつらい思いをされていらっしゃる方のヒントや手助けになれるよう引き続きサイトを運営していきますので、これからもよろしくお願い致します。
青年A