噛み合わせの違和感をなくしたい!原因は「歯」ではないかもしれません
2017/09/20
目次
いくら噛み合わせを整えても、その違和感は消えないのかもしれません
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今日は、「歯の噛み合わせの違和感とその治し方」の記事です。
早速ですが、こんな症状でお悩みではないでしょうか?
・片側の歯が当たっていない気がする
・歯を噛み合わせた時に、なんとなく気持ち悪い違和感がする
(「歯科心身症ガイドブック」~その歯の不調、ほんとはうつ病ですよ~)
・歯を削っても削っても奥歯が高い気がする
・噛み合わせのことばかりが頭に浮かんで集中できない
・歯以外に全身の倦怠感がある
…
こういった症状にお困りの方、もしかすると「咬合違和感症候群」かもしれません。
なぜ噛み合わせが気になるのか…そのあたりを最初に説明していきます。
本日もよろしくお願いします。
噛み合わせの違和感は、通常2,3日で消える
誰でも一度は歯の治療を受けたことがあるでしょう。
歯を削って詰め物を入れたり、場合によっては被せ物をしたり…
多くの人が何らかの咬合治療を受けたことがあります。
詰め物や被せ物をした瞬間は何やら新しい歯の感覚だな~と思っても、2,3日すれば全く気にならなくなります。
まれに気になって再度歯科医院を訪れる方もいらっしゃいますが、微調整をすれば違和感は消失します。
それが一般的な流れです。
家族や周りの友人に聞いてみると、上記のようなことをお話されるかと思います。
ず~っと歯の噛み合わせが気になって気になって、今でも違和感がある…という方がほとんどいないでしょう。
脳が新たな咬合感覚に適応していき、気にならなくさせているからです。
噛み合わせが四六時中気になっていたら、何も出来なくなってしまいますもんね。
ところが、中にはず~っと噛み合わせの違和感に悩まされる方がいらっしゃいます。
それを「咬合違和感症候群」といいます。
なぜ、噛み合わせの違和感(咬合違和感症候群)が起きるのか?
原因は2つ考えられます。
1.強い心理的ストレスを受けているから
人は強いストレスを受けているとき、神経が過敏になります。
(神経過敏の状態が続く~どうしてこんなことになってしまったのか?~)
・少しの物音が気になる
・ささいなことでイライラしてしまう
など、皆様も経験されたことがあると思います。
意識が「外」ではなく「内」(自分自身)に向きすぎている状態です。
その状態の時に咬合治療を受けて噛み合わせの違和感を発症する、ということがあります。
なので、その心理的ストレスが軽減するにつれて噛み合わせの違和感も消えていくものです。
しかし、噛み合わせの違和感を考えすぎて、余計に違和感が強くなるという負のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
2.うつ病を代表とする精神疾患にかかっているから
この可能性も否めません。
うつ病を例にしますが、精神疾患にかかると、あらゆる不定愁訴や自律神経失調症のような症状が現れます。
(不定愁訴は「症状」であって「病名」ではない。~「症状」の治療になってませんか?~)
不定愁訴や自律神経失調症というのは、客観的な検査(画像検査や血液検査など)をしても異常がないのに、心身に不調をもたらす症状のことを言います。
人によって症状の出方に大きな違いがあります。
しかし、歯の噛み合わせの違和感として症状が出る人も少なくありません。
(【まとめ】ぼくの鬱病の症状~こんな症状に苦しんでいました~)
実際、僕がそうでした。
詳しくは【闘病記】うつ病と顎関節症に書いていますが、7年以上うつ病に苦しみました。
いや、正確にいうと、当時は自分がうつ病だと気づきませんでした。
まさか自分がうつ病だなんて、思いもしなかったのです。
歯の噛み合わせの違和感がいやというほど気になりました。
有名といわれる歯科医院や整体に通いましたが、全く治りませんでした。
治るどころか悪化していきました。
(咬合をいじってはいけない。「アゴのズレ」は原因ではなく、筋緊張の結果)
噛み合わせが気になって仕方がないなら、一度心療内科・精神科を受診されることを強くオススメします。
心療内科・精神科というと敷居が高く感じられるかもしれません。
僕は最初そう感じていました。
しかし、2,3件行きましたが、普通の内科と何ら変わりません。
(うつ病の病院選びにお困りの方へ:うつ経験者が選び方を教えます!)
患者さんも一見すると、どこに症状があるのか分からないくらい普通の人ばかりです。
ですので、気軽な気持ちで受診されると良いでしょう。
何も問題なければそれでいいし、あれば治療に移れるのですから。
3.顎関節症にかかっているから
顎関節症の場合も噛み合わせが気になることがあります。
(結局、顎関節症とは何なのか?その正体と治療法の真実)
顎関節症になると、顔や顎周りの筋肉が緊張します(疲れます)。
その結果、神経過敏の状態となって、顔や顎に近い「歯」に違和感となって現れるということです。
噛み合わせの違和感(咬合違和感症候群)の治療法
先ほど、噛み合わせの違和感(咬合違和感症候群)の原因は大きく3つとお話ししました。
1.強い心理的ストレスを受けているから
2.うつ病を代表とする精神疾患にかかっているから
3.顎関節症にかかっているから
それぞれの対処法についてご説明していきます。
治療法①:心理的ストレスが軽減されれば、噛み合わせの違和感も消えると知っておく。
強い心理的ストレスによる噛み合わせの違和感(咬合違和感症候群)の場合は、ストレスが減れば違和感も消えます。
ですので、心を平らかにして今あるストレスの原因に対処することが先です。
いくら歯を削って噛み合わせを治しても違和感は消えてくれません。
「歯」に原因はないのですから。
先日の財経新聞のニュースに次のような言葉がありました。
虫歯や入れ歯などの歯科治療による上下の歯の噛みあわせの違和感は、患者の申し出に基づいて、歯科医師が詰め物や入れ歯の高さを直すことで通常は解消されます。
しかしまれに、噛みあわせ自体には医学的な問題がないにもかかわらず、心理的なストレスなどが原因で歯の噛みあわせに強い違和感をおぼえる「咬合違和感症候群」(狭義: Occlusal discomfort syndrome, 以下ODS)の患者が存在します。
ODS患者の口腔の違和感は原因となるストレスの解消によってのみ緩和され、歯科的な治療では症状が改善せず、かえって悪化します。
話が少しそれますが、この引用元のリンク先では違和感を「可視化」できたと発表していますが、僕は本当なのか疑問です。
というのも、実験に使われた器具が近赤外分光法(NIRS)を用いて脳活動を検出しているからです。
(詳細は光トポグラフィー検査(NIRS)とは?:オススメできない7つの理由と精神疾患の検査法をお読みください)
噛み合わせの違和感があることは認めますが、気にしすぎてはいけないのです。
(顎ずれを気にしすぎないで!病気になんて、ならないから。)
心理的ストレスの原因となっているものを解決していくことが先ということです。
治療法②:薬物治療を受ける
うつ病を代表とする精神疾患であれば、薬物治療を受けることで症状が緩和されていきます。
(うつ治療のメインは薬物療法~抗うつ薬が効く理由~)
具体的には、抗不安薬や抗うつ薬です。
これらのお薬は決して怖いものではありません。
気がおかしくなるものでもありません。
詳しくはうつ治療のメインは薬物療法~抗うつ薬が効く理由~で書いていますが、脳内の神経伝達物質を「調整」しているだけです。
また、「心理的な問題を薬で治せるはずがない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、精神疾患はカラダの病気です。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
脳内の何らかの異常が起きているから症状が出ているのです。
(うつの症状の正体とは?:それは脳が生み出した「幻術」)
気合でどうにかなるなら、1週間もすれば何もしなくても症状が消えているでしょう。
そうでないから困っているはずです。
病気を我慢することのほうが怖いです。
何事も早期発見早期治療が大切なのです。
「歯とうつ病って関係あるんですか?」とお考えの方もいらっしゃいますが、関係あります。
(「歯科心身症ガイドブック」~その歯の不調、ほんとはうつ病ですよ~)
うつ病はどこに違和感を出すのか決まっていない病気なんです。
人によって喉に違和感を覚える方(ヒステリー球(咽喉頭異常感症))もいれば、歯に違和感を覚える方もいらっしゃるのです。
もう症状に悩まないでください。
(うつ病の病院選びにお困りの方へ:うつ経験者が選び方を教えます!)
うつ治療についてはこちらでまとめていますのでご参照ください。
治療法③:TCH是正訓練療法をする
顎関節症の場合はTCH是正訓練療法をオススメします。
(TCH是正治療~顎関節症の治療方法!これで僕は治りました~)
絶対に歯を削る治療を受けてはいけません!
(『顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本』(木野孔司):目からウロコ!これで顎関節症・かみ合わせの悩みとおさらばできます!)
これだけは約束してください。
顎関節症で噛み合わせをいくら整えても治りません。
治るような気がするかもしれません。
イメージ的に左右の歯の高さを整えれば治るんじゃないかと。
しかし現実はそう単純なものではありません。
顎関節症や心理的ストレス、精神疾患によって筋肉や神経が緊張している時に、その人に合った噛み合わせ、顎位を決めることは出来ないのです。
(正しい顎位をかみ合わせで判断することは出来ない)
噛み合わせ治療自体を否定しているのではありません。
矯正治療に代表される、機能的にも審美的にも良くなる治療も時には必要でしょう。
しかし、顎関節症治療でそれを使ってはいけません。
まして歯を削るなんてなおさらNGです。
マウスピース(スプリント)もしてはいけません。
(噛み合わせ治療にマウスピースを使うのはもうやめよう)
おわりに~僕の噛み合わせ違和感は治らないと思っていた~
僕は、それはそれは長い間、噛み合わせの違和感に悩まされました。
・歯を噛み合わせること自体が気持ち悪い
・ゆっくり噛み合わせると左側しか当たっていない気がする
・前歯がそもそも噛み合わない、などの症状がありました。
またネット上には「噛み合わせが悪いと全身に悪影響が出る」といった記事がたくさんあって、それらを鵜呑みにしてしまっていたのです。
その結果、歯を削ったり、高額なマウスピース(スプリント)を作製したり、調整し続けたりしました。
治療を受けたその瞬間は良くなった気がします。
しかし日にちが経つとまた悪化していきます。
僕はそれは「噛み合わせが安定していないからだ」と思い込んでいました。
そのため、噛み合わせ治療を続けてしまって負のスパイラルに陥ってしまっていったのです。
その後、顎関節症、噛み合わせ治療の世界的権威である木野孔司先生と出会って運命が変わりました。
(顎関節症の名医「木野孔司」先生の病院を紹介します!)
噛み合わせをいじってはいけないということを学んだのです。
(噛み合わせ治療にマウスピースを使うのはもうやめよう)
みなさんには、こんな辛い思いをしてほしくありません。
1人でも健康になれることを願って本日も終了とさせていただきます。
ありがとうございました。
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