咬合をいじってはいけない。「アゴのズレ」は原因ではなく、筋緊張の結果
2017/10/03
噛み合わせ
2015年2月9日の木野先生とのメールのやり取りを記載します。
(木野先生については「木野顎関節研究所との出会い~救ってくれた歯科医院~」を参照してください)
相変わらず次の症状に苦しんでいました。
・体が異常に重い
・光がまぶしく感じる
・首・肩の凝り、
・イライラ
・生きた心地がしない
そして、「左診療所~親切親身になってくださった精神科・心療内科~」にて僕の薬がSNRI「サインバルタ」からSSRI「レクサプロ」に変更となったことと、僕の不定愁訴は顎ズレ、かみ合わせが原因なのかを聞きたく、先生にメールをしました。
僕
木野先生
お世話になっております。
患者の青年Aです。
昨日心療内科へ行き、諸症状を伝えたところ、SSRI『レクサプロ』10㎎を処方していただきました。
夜に一錠飲むとのことです。
以前服用していたサインバルタだと、ノルアドレナリンを刺激し、発汗が気になっていたことから、SSRI『レクサプロ』で様子を見ようとの判断となりました。
心療内科受診のご報告とさせていただきます。
また、今の体調不良、顔の異常な筋肉の緊張は、僕の場合、顎ズレ、噛み合わせの原因はないか少ないでしょうか?
インターネットなどを見ると、顎ズレ、噛み合わせの悪さは、僕のような自律神経失調症のようなものが起こることがあると書かれています。
また以前一度だけ丸山先生(丸山咬合医療センター)の診察を受けた時にも、顎ズレを治せば、全身の不定愁訴が治ると言われ、顎ズレ、噛み合わせが今の僕の諸症状なのかなとも思ってしまいます。
長文失礼致しました。
ご多忙中、恐縮ですが、またご回答いただければ、幸いです。
引き続き何卒よろしくお願い致します。
木野先生
○○様
とりあえずは心内から出されたSSRIでいいでしょう.
上手くいくと抑うつ亢進に伴う,筋緊張持続が緩和され,体が楽になると思います.
貴君はどうしても,「アゴのずれ」を原因として考えてしまいがちなようですが,小生は「アゴのずれ」は筋緊張の結果だと考えているのです.
ですから結果としての「ずれ」を治しても,筋緊張が改善するとは思えないのです.
「マウスピースを入れたり,咬合調整を受けてかみ合せを代えると楽になった」という経験はしばしば患者さんから聞きます.
しかしよく聞いていくと全ての患者さんが「効果は続かなかった」といいます.
これはどのようなことを示しているのか考える必要があります.
すなわち,咬合感覚を変化させたことによって,大脳の感覚を受け持つ神経が「とまどう」ために,筋緊張が緩むのです.
しかし,その咬合感覚に慣れてくると,また筋緊張を再開させるので,疲労症状や違和感症状が強まるのです.
貴君もこれまで咬合をいじってきているので,同様なことが起こっていると推測されます.
ですから咬合を変化させるのではなく.咬合を作り出す筋活動を管理すべきだと思います.
おわりに~顎ズレは結果~
木野先生は毎度、非常に分かりやすい説明をしてくださります。
インターネット上には、かみ合わせや顎関節症、顎ズレが全身に大きな悪影響を与えるといった記事がいっぱいあります。
しかし、その全身との関連性を示す証拠や証明はありません。
(咬合をいじってはいけない。「アゴのズレ」は原因ではなく、筋緊張の結果)
咬合はいじってはいけないようです。
当時の僕のように、うつ、顎関節症でお悩みの方は、マウスピース(スプリント)治療ではなく、TCH是正訓練治療と抗うつ薬での治療をご検討していただければと思います。
(TCH是正治療~顎関節症の治療方法!これで僕は治りました~)