結局、顎関節症とは何なのか?その正体と治療法の真実
2017/10/02
目次
ほとんどの顎関節症は、ほっといても治る症候群です
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
僕自身、5年以上顎関節症に苦しみましたが、あえて見出しにこう書きました。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
「ほとんどの顎関節症は、ほっといても治る症候群です」と。
この記事を読んでくださっている方はおそらく顎関節症に苦しまれている方だと思います。
今回の記事は、顎関節症とその治療法についてまとめていきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
そもそも顎関節症とは?
顎関節症を一言で表すと、”顎の関節と筋肉の症候群”といえます。
神経を加えてもいいかもしれません。
顎に関連した関節、筋肉、神経に問題がある状態を顎関節症といいます。
顎関節症の三大症状
1.顎が痛い
最も分かりやすい症状です。
口を動かしたり、食べ物を噛んだり、頬っぺたを押したりすると痛みが出ます。
2.口が大きく開かない
開口障害といわれるものです。
通常は、口を開けて縦に指が3本入るが、顎関節症の人は指2本かそれ以下しか開かないことがあります。
「口を大きく開けると痛みがでるから」または「顎関節の異常で口が開かなくなっているから」という場合が多いです。
3.顎を動かすと変な音がする
関節雑音といわれるものです。
顎を動かしたときに、耳の近くで「カクカク」「ジャリジャリ」「シャキシャキ」といった音が鳴ります。
※関節雑音だけであれば、治療の必要はありません。
(首や肩を回して音が鳴るのと同じで気にする必要はありません)
顎関節症のその他の症状(顎関節症によるものと証明されてはいない)
・噛み合わせの違和感
「どこで噛んでいいかわからない」
「片方の歯ばかりで噛んでしまう」
「片方の歯にばかり当たって噛み合わせが変わったように感じる」など。
僕はこの症状を経験しました。
顎や関節、筋肉に問題があると、筋肉や神経が緊張したり過敏になったりします。
その結果、顎の動きが不自然になって、噛み合わせが変わったように感じるのです。
(「歯科心身症ガイドブック」~その歯の不調、ほんとはうつ病ですよ~)
・首、肩が凝る
筋肉や神経は全身のいたるところでつながっています。
顎や顔の筋肉・神経の緊張が、それらに近い首、肩の凝りをもたらしている可能性があります。
顎関節症の4つの分類
Ⅰ:筋肉の障害によって起こるタイプ
筋肉が緊張して硬くなってしまい、血液の循環が悪くなってしまった状態です。
その結果、違和感や痛みを感じてしまいます(一種の筋肉痛です)。
頬っぺたやこめかみ、耳の下あたりに痛みを感じることが多いです。
首、肩、背中に痛みが走ることもあります。
Ⅱ:関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ
顎関節の関節包(関節を包む膜)や靱帯に力が加わって捻挫をした状態となって痛みが生じます。
Ⅲ:関節円板の障害によって起こるタイプ
関節円板の位置がずれてしまって関節雑音が生じてしまいます。
(画像引用元:テーマパーク8020様)
Ⅳ、変形性関節症によって起こるタイプ
関節の骨が変形してしまった状態です。
関節雑音や痛みが出ることがあります。
Ⅰ~Ⅲに比べて多くはないタイプです。
顎関節症の原因は?
顎関節症の原因は何でしょうか?
実は、顎関節症の原因は1つではありません。
原因を1つに絞ることができない病気なのです。
顎関節症を引き起こす原因が積み重なって発症するという「多因子説」が世界的に認められている考え方です。
そして、その中で最も大きな原因はTCH(歯列接触癖)であることが発見されました。
(TCH(歯列接触癖)とは?:顎関節症の最大の原因が発見された!)
TCHとは昼夜を問わず、歯をくっつけ続けてしまう癖のことです。
その癖はたいてい無意識に行われています。
(TCHについての詳細は上のリンク先をお読みください)
その他の原因としては次のようなものがあります。
【その他の寄与因子(原因となるもの)】
・TCH(歯列接触癖)
・ストレス
・生まれ持った顎関節や筋肉の弱さ
・猫背
・片方の歯でばかり噛む癖
・うつぶせ寝
・外傷
・吹奏楽
・噛み合わせの悪さ…など。
これらの寄与因子が積み木のように重なり、その人の耐久力を超えた場合に顎関節症を発症すると考えられています。
噛み合わせの悪さはたいして問題にならない
顎関節症において、噛み合わせの悪さはたいした問題ではありません。
ですので噛み合わせに悩むのはもうやめましょう。
(噛み合わせ治療にマウスピースを使うのはもうやめよう)
噛み合わせの悪さが顎関節症の原因と考えられていた時代がありました。
しかし現在では否定されています。
噛み合わせの悪さは顎関節症のごくごくほんの一部の誘因にしかならないことが分かっているのです。
また、”噛み合わせの悪さが全身に悪影響を与える”といった事がネット上の記事にあります。
しかし、そんなことはありません。
発展途上国で歯科治療を受けることのできない人達が、顎関節症や全身の不定愁訴で悩んでいるでしょうか?
そんな報告は一切ありません。
噛み合わせを整えること自体を否定するつもりはありません。
審美的にも機能的にも整った歯列であれば、歯の寿命が伸びるかもしれません。
しかし、顎関節症治療として噛み合わせを整えることはしてはいけないということです。
顎関節症の治療法
TCH是正訓練法
先ほど、顎関節症の最大の原因はTCHであると書きました。
ですので、TCHを治すことが顎関節症を治す上で最も重要です。
TCH是正訓練法については次の記事をご覧ください。
またTCHをなくしたり減らしたりすることで、歯の寿命が伸びることも分かっています。
(なぜ歯を失ってしまうのか?なぜ顎関節症になるのか?~「原因」の「原因」に迫る!~)
TCH是正訓練の治療を受けることのできる医院はこちらをご覧ください。
【まとめ】TCH・顎関節症を治してもらえる一流の歯科医院・病院をまとめました!
顎関節症治療でしてはいけないこと
1.マウスピース(スプリント)治療
マウスピース(スプリント)治療とは、歯にマウスピース(スプリント)をはめる治療法のことです。
マウスピース(スプリント)をつけることで理想(と思われる)顎位にして、筋肉をリラックスさせるために行われます。
しかし、マウスピース(スプリント)治療はしてはいけません。
(顎関節症にマウスピースを使ってはいけない!:4つの理由と正しい治療法)
治らないどころか悪化する可能性があるからです。
寝ている時に装着することが多いのですが、無意識にマウスピース(スプリント)を噛んでしまって余計に疲れてしまうという悪循環に陥ることが多いのです。
また理想と思われる顎位をマウスピース(スプリント)で判断することも出来ません。
本来マウスピース(スプリント)治療は保険適用なのですが、商売目的の自費治療で患者をだます医院もありますので、マウスピース(スプリント)治療は避けましょう。
2.咬合治療(歯を削る治療)
→歯を削る治療も絶対してはいけません。
削った歯を元に戻すことは出来ません。
噛み合わせを整えても顎関節症は治りません。
噛み合わせが気になるのは、顎関節あたりの筋肉の緊張による可能性が大きいのです。
左を削ると右が気になり、右が気になると左を削り…といったように、負のスパイラルに陥ることも少なくありません。
歯を削ることは絶対してはいけないのです。
その顎関節症…ほんとはうつ病が原因かも?
顎関節症とうつ病は間違いやすい病気です。
(うつ病と顎関節症はなぜ間違いやすいのか~うつが「原因」で顎関節症は「結果」~)
顎関節症を調べると、次のような症状が書いていることがあります。
・首、肩こり
・体のだるさ
・めまい、激しい動悸
・自律神経失調症、不定愁訴
(自律神経失調症は「症状」であって「病名」ではない。~真の原因は何か~)
実際には、これらの症状が顎関節症の症状といえる根拠はないのですが、そう書かれていることがあります。
これって、うつ病と似た症状なのです。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
・噛み合わせが異常に気になってしまう
・痛みというほどではないが、顎関節の違和感がある
・自律神経失調症や不定愁訴の症状がひどい
・やる気が出ない
・すぐ疲れてしまう
・光がまぶしく感じてしまう…など。
こういった症状があれば、うつ病やその他の病気の可能性があります。
これらの症状まで顎関節症に当てはめることはできません。
精神的な症状がないからといって、うつ病ではないとはいえないのです。
こういった原因不明な症状に悩まれている場合は、一度お近くの心療内科・精神科を受診されると良いでしょう。
(うつ病の病院選びにお困りの方へ:うつ経験者が選び方を教えます!)
おわりに:顎関節症には死ぬほど悩まされました
僕は5年以上顎関節症に苦しみました。
ですので、顎関節症の苦しみは人一倍理解しているつもりです。
今回はそんな人のために顎関節症についての記事を書きました。
そして、その症状はもしかすると、顎関節症ではなく他の病気(うつ病など)の可能性があることもお伝えしたかったことです。
皆様の健康を祈って、本日も終了といたします。
本日もありがとうございました。
<このサイトはすごく参考になります>