『バリアバリュー 障害を価値に変える』(垣内俊哉):”明けない夜はない”ということ。
2017/11/15
バネは縮んだ分だけ伸びる
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は今一番おすすめしたい本をご紹介します。
その本は『バリアバリュー 障害を価値に変える』です。
ユニバーサルデザインのコンサルティングを行う株式会社ミライロの創業者「垣内俊哉」さんの本です。
(※ユニバーサルデザイン:障害者、高齢者も含めたすべての人のためのデザインのこと)
垣内俊哉さんについては、以下の記事で取り上げていましたが、今回初めて本を出版されました!
【第1回】106センチの視点、車いす起業家「垣内俊哉」さんのバリアバリュー
【第2回】106センチの視点、車いす起業家「垣内俊哉」さんのバリアバリュー
早速読んでみましたが、ほんとに感動して身震いしました。
次に当てはまる方にはぜひ一度お読みいただきたいです!
・コンプレックスのかたまりで自分が嫌いな人
・自分が世界で一番不幸な人間だと思っている人
・障害を価値に変える方法を知りたい人
・ベンチャー経営の方法が知りたい人
・真っ暗闇の中にいる人
この本を読んでいただければ、解決の糸口がきっと見つかります。
『バリアバリュー 障害を価値に変える』の一部を抜粋します
本書『バリアバリュー 障害を価値に変える』の一部を抜粋してご紹介します。
皆さまのご参考になれば幸いです。
ゆっくりと読み進めてみてください。
【はじめにー高さ106センチの視点から】
私は「株式会社ミライロ」というベンチャー企業の経営者です。
私は、骨が弱くて折れやすいという魔法にかけられて生まれてきました。
小学校4年生の頃から車いすに頼らざるをえなくなりました。
【努力が結果に結びつくとは限らない】
17歳の春、高校を休学して、手術とリハビリに専念することになりました。
手術はたしかに成功しました。
しかし、術後の経過はまた別の話です。
「もう歩けないということですか」
私がそう訊くと、先生は気の毒そうに「簡単ではないだろう」と言いました。
その時の絶望感は忘れられません。
その後も先生は何かの説明を続けていましたが、まったく頭に入ってきませんでした。
その夜、私は自ら命を絶とうと意を決しました。
夜中の2時頃に病院の屋上に向かい、柵に手をかけ、よじ登ろうとしました。
ところが、私の足では、それすらもできませんでした。
「自分は飛び降りることすらできない」
こみ上げる涙を抑えきれず、私は柵にしがみついて泣きました。
【バネは縮んだ分だけ伸びる】
明けない夜はない。
そんな言葉もありますが、深い闇の中にいる時は、夜明けが訪れるとは思えないものです。
ある日、リハビリを終えて部屋に帰ると、ふと向かいのベッドにいるおじいさんと目が合いました。
その方は富松さんといいました。
「君はちゃんと登り切った先の景色を見たのかい?」
君はやれるだけのことをやったのか、という意味だと私は受け止めました。
富松さんは続けて言いました。
「人生はバネなんだよ。今、君はしんどい時期だろう。顔を見たらわかる。
それはバネがギュッと縮んでいる時期だということだ。
いつかはわからない、すぐじゃないかもしれないけど、そのバネはいつかバシッと伸びる。
それを信じて、今を乗り越えなさい」
一つ一つの言葉が、私の心の中に染み入るように流れ込んできました。
【車いすで営業成績ナンバーワン】
大学に入ってすぐ、一つの計算をしました。
学費や家賃、水道光熱費、一年でどれだけのお金が掛かるだろうと。
アルバイトとは言え、やはり車いすだと採用してくれる会社はなかなかありません。
色々探し回った末にようやく、ある服のデザイン会社が私を拾ってくれました。
しかし、時給800円のバイトだけでは苦しかったので、同じビル内にあるWeb制作会社で、アルバイトを掛け持ちすることにしました。
採用が決まった時、私はてっきりパソコンを使ってホームページの制作をやるんだと思い込んでいました。
ところが出社当日、社長からいきなり「お前、営業をやれ」と命じられたのです。
やれと言われたからにはやるしかありません。
私はパンフレットを持って、飛び込み営業に回りはじめました。
私は多少なりとも脈アリと感じた会社には、たとえ雨が降ろうとも、足繁く通いました。
そして数ヶ月も経たないうちに、私はその会社で営業成績ナンバーワンになっていたのです。
ある日突然、社長が私に言いました。
「歩けないことに胸を張れ。お客さんに覚えてもらえているなら、それは営業マンにとって大きな強みだ。
実際に、お前は結果を残しているじゃないか」
車いすに乗っていることが自分の強みである。
そして、その先に「歩けないから」できることもあると、新たな光を見たのです。
この経験は「バリアバリュー」という概念が、はっきりとした形となって現れた瞬間でした。
【本気で怒られた時の感動】
その社長は、どんな時も私を特別扱いしませんでした。
ある日、私はほんの数分、会議に遅刻をしました。
すると社長は「お前、仕事をナメてんのか!」とものすごい勢いで私を叱ったのです。
それは私にとって初めての経験でした。
給食当番をサボっても怒られず、何をしても「車いすだから、仕方がない」と言われ続けてきた私を社長は本気で怒ってくれたのです。
私は神妙に頭を垂れながら、こみ上げてくる嬉しさを感じていました。
この出来事を機に、私は障害を理由にして何かから目をそむけないこと、逃げないことを心に決めました。
【隠れた価値を見つける】
バリアバリューとは、今まで「障害」や「弱点」として捉えていたことも、考え方や周りの人次第で、「価値」や「強み」に置き換えることができるという考え方です。
私たちは、何かしらバリアを感じた時、どうしても「自分の方が環境に合わせなければいけない」と考えてしまいます。
そうではなく「自分に合った環境はないか」「環境を自分に合わせられないか」という方向からも、物事を眺めてみてはどうでしょうか。
そのような視点から見てみれば、バリアから多くの気づきや学び、チャンスを見出すことができるはずです。
【弱点と強みをセットで考える】
先ほども触れた通り、この本で言うバリアとは、いわゆる障害に限った話ではありません。
皆さんの中にも、なかなか容姿に自信が持てないとか、滑舌が悪いとか、身体的な悩みを抱えている人も多いと思います。
すべてのバリアが努力で克服できるなら良いですが、残念ながら、いくら頑張ってもどうにもならないバリアもあるでしょう。
私も、自分の足で歩くためにありとあらゆる努力をしましたが、結局、それは叶いませんでした。
できないことをできるようになりたいと思い詰める切なさ、できない自分を責め続ける苦しさは、誰よりも身にしみてわかっているつもりです。
だからこそ、自分の弱点を克服することばかりに目を向けるのではなく、「その弱点に意外な強みが隠されているのではないか」と考えることが大事だと思います。
そのような発想の転換をできるようになれば、きっと価値を生み出すことができるはずです。
かの「経営の神様」、松下電器の創業者である松下幸之助さんは3つの条件が成功の理由だと話していたそうです。
貧乏だったから、一生懸命働こうと思い、わずかな給料でも感謝できた。
学歴がなかったから、他人に素直に教えてもらおうと思えた。
体が弱かったから、人の能力を信じて、人に任せることができた。
まさにどれもバリアをバリューに変えた好例だと思います。
どんな弱点でも、目線を変えてみれば、何かしらの価値が隠されているものです。
【価値を育てる7つの習慣】
1、小心者だから最高の準備をする
2、苦しい時こそ楽観的に考える
3、「なぜ」「どうして」を3回くり返す
4、イラッときたら日記をつける
5、「昨日の自分」と比べてみる
6、少しだけ背伸びをする
7、「運、縁、勘」を大切にする
『バリアバリュー 障害を価値に変える』を読んだ人の声
『バリアバリュー 障害を価値に変える』をすでに読んだ人の声を載せておきます。
(引用元:Amazon)
評価がすべて星4つ以上という超高評価となっている点もうなずけます。
(2016年5月17日)
<バリアバリュー(障害を価値に変える) = 発想の転換>
本書で一番伝えたいこととは、「あらゆる障害(バリア)は、価値(バリュー)に変えられる」ということです。
著者は、先天性の骨形成不全症という病気のため、今日まで骨折は20回くらい、手術も10数回と、人生の5分の1は病院で過ごしてきた人物で、子どもの頃から車椅子に頼らざるを得ない生活を送っています。
私が一番、本書の中で感銘を受けたのは、「でも」より「だから」を見つける(P.101)です。
詳しくは本書に譲りますが、例えば、障害者「でも」頑張って達成することが出来た!となれば、それはとても素晴らしいことですが、障害者「だから」こそ出来た!となれば、これはまさにバリアバリューの醍醐味そのものです!!
ちなみに本書は、身体・精神・知的障害者などの、いわゆる障害者の方々だけのための書籍ではありません。
あがり症だとか、滑舌が悪いだとか、仕事が人より遅いだとか、世の中のほとんどの人たちが、少なからず、短所や欠点、苦手なことを抱えていることと思います。
そのような人たちが、いかに発想の転換をして、バリアをバリューに変える秘策はないかと考えたときの大きなヒントになる本だと、私は感じ取りました。
すべての皆様にお勧めの良書だと思います。
<かっこいい。>
「人生の長さは変えられなくても、人生の幅は変えられる。」良い言葉です。
自分もこのままじゃだめだ、頑張ろうと思えました。
<感動しました。多くの人に読まれるべき良書です。>
有益な本はたくさんあるものの、「感動する本」は意外に少ないものです。
この本を読んで、私は久しぶりに感動しました。
この本を読むと、「自分ももっと前向きに生きなくては」という気持ちが湧きおこってきます。
文章は簡潔で読みやすく、読み始めると内容に惹き込まれて、本を閉じられなくなってしまうような興味深い本です。
年配の私ですが、若い垣内俊哉氏の生きざまに深い敬意を持ちます。
そしてしっかりとした考え方にさまざまに学ばせていただきました。
多くの人に読まれるべき良書と思います。
おわりに~自分は、まだまだやれる~
明けない夜はない。
そんな言葉もありますが、深い闇の中にいる時は、夜明けが訪れるとは思えないものです。
「人生はバネなんだよ。今、君はしんどい時期だろう。顔を見たらわかる。それはバネがギュッと縮んでいる時期だということだ。
いつかはわからない、すぐじゃないかもしれないけど、そのバネはいつかバシッと伸びる。
それを信じて、今を乗り越えなさい」
これらの言葉にハッとさせられました。
今振り返って、ほんとその通りだなと感じたからです。
うつ病でどん底だった頃、昔の自分に戻れるなんて微塵も思えませんでした。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
いくら治ると励まされても、信じることは出来ませんでした。
「この病気(うつ病)の苦痛を知らないやつが言う言葉なんだ」
「昨日も今日も体調が変わっていない。もう6カ月もこの調子だ。自分は治らないんだ」
そんなふうに思っていました。
自分が世界で最も不幸な人間だと思っていました。
周りの友達が輝いてみえました。
仕事で結果を出して表彰されたり、結婚して家庭を持っている様子がFacebookから伝わってきました。
それを見るたびに今の自分と比較し、絶望しました。
自分はどこで道を間違えたのだろうと。
しかし、本書で書いている通り、比べるのは他人ではなく「昨日の自分」なのです。
そして「明けない夜はない」のです。
実際にその通りでした。
時間はかかりました。
ほんとにかかりました。
しかし、夜は明けました。
重いうつ病を経験したことで、結果的にこのウェブサイトを運営できるようになりました。
障害が価値に変わったのです。
だから、苦しんでる人に伝えたい。
今の障害はきっと価値に変わるということを。
僕が言っても信用が足りないかもしれません。
だからこの本を読んでみてください。
心が救われると思います。
皆さまの繁栄を願って本日も終了とさせていただきます。
ありがとうございました。
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