うつ病の過眠と治療法:うつの睡眠障害は不眠だけではない
2017/09/29
目次
【不眠じゃないからうつ病ではないと決めつけないで!】
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
うつ病の睡眠障害というと不眠をイメージする人が多いと思いますが、過眠(寝すぎる)もうつ病でよく起きる症状です。
「うつ病になると睡眠障害が起きる」と言われますが、ついつい「睡眠障害=不眠」と考えがちではないでしょうか?
(僕はそのように考えてしまっていました)
そして「僕(私)は不眠じゃないからうつ病ではない、むしろ寝すぎてしまう」とお考えの方…それも睡眠障害の可能性があります。
「過眠もうつ病の症状の1つ。1人で悩まず病院へ」
これが今回の記事で最もお伝えしたいことです。
まずは、睡眠障害とは?という点から説明していきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
(「「眠れぬ夜のうつ」~不眠の睡眠障害を改善させる4つの方法~」も合わせてお読みくださいませ)
【睡眠障害とはなんぞや?】
睡眠障害は大きく2つに分かれます。
「不眠」と「過眠」です。
【不眠】:寝付けない、寝てすぐ起きてしまう。
【過眠】:夜十分に眠ったはずなのに、日中眠い状態が続く。
不眠、過眠は健常者でも起きることはあります。
しかし、長期間あるいは著しい精神・肉体的苦痛を感じるものを睡眠障害としています。
睡眠障害は何科を受診したらよいのか?
「睡眠障害=○○科」と1つに絞れるものではないです。
睡眠障害(不眠、過眠)は症状という「結果」であって、病気の「原因」ではないことも多いからです。
(自律神経失調症は「症状」であって「病名」ではない。~真の原因は何か~)
以下に代表的な診療科をご紹介致します。
・心療内科・精神科
→精神(脳内の何らかの異常)が原因である時。睡眠薬の処方も有り。
・睡眠外来、呼吸器科
→いびき、睡眠時無呼吸症候群などが原因である時。
では、診察科をどうやって判断すればよいのでしょうか?
自己判断は難しいかもしれませんが、なんとなくご自身の体で感じるところはないでしょうか?
・自分は、いびきや呼吸のつまりでよく起きて(眠れなく)しまっている。
・よく眠れない(寝すぎる)症状もあるが、将来の不安、体が異常に重い症状、首、肩の異常な凝り、意欲・興味の喪失、何をしても楽しめないといった他の症状も気になる
…といったように。
前者であれば、睡眠外来、呼吸器科、後者であれば、心療内科・精神科の受診ということになります。
判断に迷う場合は、一度総合病院で症状をお伝えしてみることをオススメ致します。
総合病院であれば、睡眠外来・呼吸器科、診療内科・精神科が揃っていることも多く、総合的な判断が可能となる場合があるからです。
僕は睡眠外来、呼吸器科系の睡眠障害の経験がないため、うつ病の過眠についてもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
なぜうつ病が原因で過眠が起きるのか?
1.うつ病の症状だから
何度も恐縮ですが、うつの症状として過眠が出ることがあります。
なぜ過眠になるかというと、うつ病によって人が活動するための生命エネルギーが枯渇してしまっているからです。
クルマで例えると、走るためのガソリンがなくなってしまっている状態です。
うつ病で、あらゆるエネルギーが低下すると、生理的欲求(睡眠、性欲、食欲)も失われてしまいます。
そのため過眠が起きると言われています(うつ病が原因の場合)。
寝ることによって、エネルギーを貯めようとしているわけです。
2.お薬の副作用が出ているから
お薬の副作用として眠気が出ている可能性もあります。
SSRIやSNRIに代表される近年の抗うつ薬は、以前に比べて副作用が大幅に減りました。
減ったとはいえ副作用のないお薬はありません。
あまりにも眠気がひどい場合は主治医に相談してみましょう。
主治医はそういった相談を何回も聞いてきているはずです。
3.不眠の結果だから
夜眠れない不眠の結果として昼間に眠気が来ることがあります。
4.うつ病を治そうとする体の自然な反応だから
うつ病を治すためには休養が必須です。
(うつの休養の仕方~休養は治療の1つです~)
人が自然治癒力を最大限発揮させる方法が「睡眠」です。
消耗しきった心身を治そうとして眠りたくなっている可能性もあります。
うつで休養中であるなら、眠気にしたがってゆっくりと休養を取ることをオススメします。
過眠の治療法について
うつ病における過眠の治療法は、うつ病の治療法と同じです。
睡眠薬は根本治療ではなく、うつ病の治療をしていくと、睡眠障害も治っていきます。
うつ病の治療は「【治療法】うつ、顎関節症の治療法」で詳しく述べていますので、ここでは簡単に説明をしておきます。
薬物療法
中程度以上のうつ病に必須の治療です。
気合だけではうつ病は治りません。
うつ病は脳内の何らかの異常というカラダの病気なので、カラダを治していきましょう。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
休養
休養もうつ治療に必須です。
よく薬物療法と休養はクルマの両輪に例えられますがその通りです。
自律訓練法
自律神経を整えるための訓練法です。
訓練といっても難しいものではなく、寝る前にささっと行うことができる簡単なものです。
運動療法
運動療法も非常にオススメです。
軽い有酸素運動をすることによってココロもカラダもリラックスされます。
歩くだけでもいいので長く取り組んでいくことが大切です。
その他の治療法
・認知行動療法とは?~認知行動療法を世界一分かりやすく解説しました~
・行動活性化療法とそのやり方~認知行動療法の1つ!「行動」を変えてうつ病を治す~
・認知再構成法(コラム法)のやり方~あなたのその考えはほんとうに正しいのか?~
・「問題解決療法」~認知行動療法の1つ!本当に感動した問題解決の方法!~
・アサーションとは?~I’m OK, You’re OK!な表現技法~
おわりに
このサイトのテーマが「うつ、顎関節症を治そう」であることと、僕自身、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」といった睡眠外来・呼吸器科系の病気の経験がなく、それらの解説が簡素になってしまい、申し訳ございません。
医者ではない元患者の立場から、知らない病気について解説するのはいかがなものかと思い、今回は深追いしなかった次第であります。
睡眠外来・呼吸器科系でこの記事をお読みの方は大変恐れいりますが、それらに特化したサイト、病院をご覧くださいませ。
「睡眠外来 お住まいの地域」や「呼吸器科 お住まいの地域」、「総合病院 お住まいの地域」で検索されると良いと思います。
僕自身、睡眠障害はないと思っていました。
睡眠障害=不眠だと思っていたからです。
しかし、うつ病闘病時は、「過眠」の傾向がかなり顕著に出ていました。
全身が鉛のように重く、また気分も重く、起きられないのです。
(うつ病の症状の1つとして体が重く感じることはよくある症状)
会社を辞め、東京から帰省して実家に戻りました。
母は規則正しい生活習慣が大事と、朝7時頃に起き、朝ごはんを作ってくれました。
それを食べたあと、自分の部屋に戻り、気づくと昼の15時ということがよくありました。
寝まくってしまっていたのです(闘病記についてはこちら)。
うつ病の症状の1つとして「過眠」があります。
そして、うつ病治療が進むにつれ「過眠」の症状も消失していきました。
「睡眠障害は不眠だけではない、過眠もある。そして真の原因はうつ病の可能性がある」という事を頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
皆様の健康をお祈りし、本日も終了と致します。
本日もありがとうございました。
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