うつ病からの回復は「家族」にかかってる│「うつ」と家族の接し方
2017/10/17
家は「癒え」の安全地帯にする
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は「OVO [オーヴォ]」掲載の記事「うつ病からの回復のポイントは「家族」」の僕なりの意見を書いていきます。
過去コラム「家族はうつ病患者にどのように接すればいいか?:4つの対応とうつ患者の気持ち」と合わせてお読みいただけると理解が深まるかと思います。
日本だけでうつ病患者が100万人を超え、国民病の1つとなりました。
うつ病は薬だけでは治らず、職場、家庭、人間関係などの環境調整が必須です。
(うつ治療に「環境調整」は必須~その理由と5つのやり方~)
特に家族の「うつ」との関わり方が治療の予後に影響します。
患者さんにとって一番身近な存在である「家族」が、本人に対してどう接するかによって、病気からの回復具合=再発率が大きく変わってくるのです。
良い関わり方をすれば、自殺を防げたり、回復が早まったりします。
反対に悪い関わり方をすれば、治りにくくなります。
多くの家族が関わり方が分からず、苦労しています。
では、どのように家族は接すれば良いのか。
そのあたりをうつ病経験者の僕がお伝えしていきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
うつ患者への「言葉のかけ方」に注意する
多くのうつ病患者は神経過敏の状態になっています。
健康な時には気にならなかった些細な事でも気になるのです。
(うつ病で意味もなくイライラしてしまう…。その原因と5つの対処法)
言葉もそうです。
家族のちょっとした言葉に敏感に反応するようになります。
そこで重要になるのが、家族が本人に接する際の感情表現の仕方、いわゆる感情表出(Expressed Emotion:EE)です。
これは、一般的な感情表現のことを表しているわけではなく、「患者さんにとって苦痛となる家族の感情」があらわになることを意味しています。
具体的には、
・「甘えてばかりいるな!」「お前はダメだ!」といった批判的感情
・無視をしたり攻撃したりする敵意ある感情
・患者さんを過度に気遣いすぎてしまう情緒的巻き込まれ
の3つがあり、これらの感情表出が多い家庭を「高EE」と呼びます。
多くの研究が、高EEの家庭は低EEの家庭に比べて、再発率が4~5倍に上昇すると報告していて、高EEの家庭に対して、低EEになるように教育を行ったところ、再発率が低くなることも分かっています。
僕もうつ病の時は言葉にこれでもかというくらい敏感になりました。
相手の言葉を(ほぼすべて)ネガティブに捉えてしまうのです。
(認知再構成法(コラム法)のやり方~あなたのその考えはほんとうに正しいのか?~)
上にあるように、
・批判的な感情
・敵意ある感情
・過度な気遣い
は避けましょう。
これは別にうつ病患者に限ったことではないはずです。
「アサーションを知ろう~I’m OK, You’re OK!な表現技法~」を理解してマスターすれば、自分も相手も気持ちよくなれるコミュニケーションができるようになります。
うつ患者と接することで、家族が人間的に成長し魅力あふれる人となれるチャンスかもしれません。
うつ病は家族が正しく接し、患者が前向きで治療に取り組めば快方に向かう病気です。
・いつ治るのか
・まだ仕事はできないのか
・俺だってしんどい
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
といった言葉は絶対にかけないようにしましょう。
うつ病の苦しさは、そんなもんじゃないですから。
(「うつ病の人に言っていいこと・いけないこと」(有馬 秀晃)~うつを「言葉」で救う本~)
家族が「うつ」の知識をつけ、協力体制でいることが大切
元記事では、家族が「うつ病」で悩む理由を3つ挙げています。
・本人の症状が激しく、長く続いている場合
これは家族にとって相当のストレスになり、「もっとしっかりしなさい!」などの批判的な感情があらわになることが少なくありません。
・病気に対する知識の不足
病気についての知識がないと、どう接すればいいのかも分かりません。
その結果、例えば、朝なかなか起きられずにいる本人に対して、単に「怠けている」のだと思い、小言や暴言を吐いてしまうことがよくあります。
・他の家族の協力が得られない場合
主に母親が1人で病気の子供の問題を抱え込んでしまうケースが多く、父親が全く理解や協力を示さないばかりか、本人の症状が悪くなると母親を責めてしまう場合もあります。
その結果、家庭内にマイナスの感情が蔓延してしまいます。
その他にも、経済的・肉体的負担や将来への不安なども高EEの原因となります。
僕の両親は「うつ病」に理解を示してくれました。
母はうつ病の本を読んだり、診療についてきてくれたりしました。
父は話を聞いてくれました。
そんな理解ある家族でも、たまに衝突はありました。
(「本当に伝えたい事は言葉で伝えよう。」より)
子どもが良くなることを願うばかりに、つい口を出してしまうのです。
・もういけるんじゃないか
・そろそろ仕事でも探したら?
…など。
動けるならとっくに動いています。
明らかに怠けじゃないかと思う場合は、「アサーショントレーニング②~ABC理論(アルバート・エリス)を知って感情をコントロールしよう!~」の話し方で話し合うことも大切です。
しかし、親というのは”見守ること”が一番の役目だと僕は思います。
では、家族は「うつ」とどう接すればよいか?
元記事では3つの方法が紹介されています。
・病気について学ぶ
本人の病気のことを理解しないと、家族はどうしてもイライラしがちです。
しかし、例えば「脳の異常で気力がわかない病気なんだ」と理解していれば、イライラや怒りもかなり和らぐはずです。
・専門家に相談する
長期にわたる患者さんとの生活は、いくら家族とはいえストレスになります。
家族だけで問題を抱え込んでしまえば、ストレスは溜まる一方で、家庭の雰囲気も悪くなってしまいます。
積極的に医療機関や公的機関に相談し、アドバイスやサポートを受けましょう。
・適度な距離を意識的にとる
家族であっても適度な距離感は必要です。
時には、家族が自分の時間を作ってリフレッシュしたりするほうが、結果的に本人にも優しく接することができ、病気の回復の助けになるのです。
さらにもちろん、基本的な接し方として、なるべく本人の言動を批判せずに共感する姿勢をもち、安心感を与えてあげることも効果的です。
一言でいえば、家族に限らず人間関係の基本ともいえる、互いの「思いやり」を忘れないことが、1日も早いうつ病などの精神疾患からの回復にとても重要なのです。
本当にその通りだと思います。
うつ病は脳内の何らかの異常による病気だし、干渉されすぎると期待に応えられない自分に落ち込んでしまいます。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
僕は、のびのびさせてもらったほうかと思います。
動ける時は外に出てジョギングしたり、ちょっと友達と遊んだり、本を読んだりさせてもらいました。
(うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~)
「俺って、生きていてもいいだ」という安心感を与えてもらった気がします。
また母が診療に来てくれたおかげで、医師から僕が(甘えでなく)病気であることが母に伝わりました。
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
うつ患者を支える家族は、ぜひ上の3つを意識してもらうと良いかと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか?
うつ病はマラソンと同じ持久戦です。
しかし、マラソンと同じで終わりがあります。
長い目でみることが大切です。
皆様の健康を願って本日も終了とします。
ありがとうございました。
青年A