うつの休養の仕方~休養は治療の1つです~
2017/09/27
目次
うつに休養は必須です
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回は「うつの休養の仕方」についてご説明していきたいと思います。
僕のうつ病時の実体験をベースに話を進めていきますのでご了承くださいませ。
(僕の闘病記は【闘病記】うつ病と顎関節症をご覧ください)
うつ病における休養の意味について
まず結論から言いますと、うつ病の治療に休養は必須です。
うつ病は抗うつ薬といった薬物療法だけでは治りません。
よくクルマの車輪に例えられますが、薬物療法と休養はまさにクルマを支える車輪なのです。
クルマはあなたのカラダです。
薬物療法によって、脳内の神経伝達物質の調整ができますが、ストレスそのものをなくすことはできません。
ストレスはあなた自身でなくしていかなくてはいけないのです。
例えば、会社勤めで過労からうつ病になったと考えられる場合、休職する必要があるでしょう。
(傷病手当金はうつ病でも申請できます~退職後でも受給できました~)
(服用しないよりはましですが)抗うつ薬を服用していても、仕事で頭と体を使うのであれば、(本人が意識していなくても)耐えずストレスがかかっています。
その状態だと、消耗>回復となって一向に回復していかなくなるのです。
ガソリンを消耗し続けるとクルマは動かなくなるのと同じように、カラダのエネルギーを消耗し続ければ、回復するのにとっても時間がかかってしまうのです。
ですので、うつ病は抗うつ薬だけで治るものではなく、きちんと休養を取ることが大切なのです。
うつ病における休養は、治療そのものだという意識をまず持っていただければと思います。
どんな休養をとれば良いのか?
では、どのような休養をとればよいのでしょうか?
キーワードは「リラックス」です。
もっとも、健康な時のようなリラックスは難しいかもしれませんが、今の状態で出来る最高のストレスフリーな状態にします。
休養といっても、人によって「リラックス」と感じる休養は違います。
ある人は好きな音楽を聴くことが休養となるでしょうし、またある人は横たわりながらぼんやり本を読むことが休養となります。
(斎藤一人さんの本をオススメする4つ理由:うつ病で考え方を変えたい人は必見!)
色々な休養がありますが、次の休養のポイントを押さえておいてください。
1.できるだけストレスを減らすこと
ここでいうストレスとは主にココロのストレスのことです。
不安・恨み・無念といった思考をベッドの上で続けていても一向良くなりません。
一旦何も考えずに「休養だけに専念」してはいかがでしょうか?
ぼくもうつ病で休養中は、
・もう人生終わりだ
とか
・同期に出世で遅れる
とか考えました。
しかし、考えても意味がないのです。
むしろストレスを増やすだけです。
ただでさえうつ病で心身のエネルギーを使い果たしているのに、これ以上使ってはいけません。
充電させなければいけないのです。
そのためにはエネルギーを貯める必要があります。
ですから精神エネルギーを使わないようにしましょう。
つらい、しんどいと思うことは積極的に周囲に協力してもらいましょう。
2.規則正しい生活を送りましょう
早寝早起き、三食のごはんを心掛けましょう。
朝は太陽の光を浴び、夜暗くなると寝ます。
人の体は本来そのように作られています。
またごはんをきちんと食べましょう。
食欲や味覚がなかっても、です。
栄養を取るためにです。
起床と就寝のバランス、食事による栄養を整えることで、脳内の栄養が補給されていき、脳の活性化を加速させていきます。
(「うつ病の毎日ごはん」~国立精神・神経医療研究センターの,うつに効く食べ物~)
3.焦らないこと
ずっと休んでいると、
「いつになったら治るんだろうか」
「早く仕事に戻らないと」
「ほんとに治るんだろうか」
と回復を焦る気持ちが出てくることがあります。
この気持ち…ほんとに良く分かります。
ぼくもそうでした。
しかし、焦っても状況は変わりません。
(【うつ病の問診】うつ症状はゆっくり回復していくので焦らないことが大切)
焦りそのものがストレスとなって、回復を遅らせてしまうというジレンマに陥ってしまいます。
一説には、うつ病の回復期間はそれまでに受けた脳の損傷に比例すると言われています。
(脳の損傷とは、例えば海馬のサイズダウンなど。サイズダウンした海馬を戻すには、新陳代謝で脳細胞が新しくなるのを待つ必要がある)。
あなたは、うつ病の治療をすぐに始められましたか?
ぼくはうつ病治療を始めるのに1年近くかかりました。
それまでは顎関節症が不快症状の原因だと考えてしまっていたのです。
(うつ病と顎関節症はなぜ間違いやすいのか~うつが「原因」で顎関節症は「結果」~)
うつ病は回復できる病気です。
しかし、「すぐに」治る病気ではありません。
気長に治療を続ける必要があるのです。
では具体的にどんな休養があるのか?
休養のやり方は人それぞれで正解がないことはすでに説明しました。
しかし、休養の仕方が分からない人もいると思います。
ですので、ここでは僕がしていた休養のやり方をご紹介します。
1.ひたすら眠る
一番シンプルで一番効果的な休養のやり方です。
人は疲れると眠ります。
眠ることで精神・身体を回復させているのです。
ですのでうつ急性期は、ベッドで寝まくることをおすすめします。
もっとも、うつの症状「不眠」で寝たくても寝られない、という人もおられるでしょう。
そんな方は絶対に眠らなきゃと思う必要はありません。
ベッドで横になっているだけでもいいのです。
目をつぶるだけでもいいのです。
人は目をつぶるだけでも休養になっているようです。
そして気づいたら寝ているかもしれません。
(うつの不眠を改善させる4つの方法:安心してください、ねむれます!)
自分だけベッドで寝てると罪悪感を感じるかもしれません。
しかし、あなたは「病気」なのです。
足を骨折した人に走れという人はいません。
(いたらパワハラです)
休養とリハビリが必要でしょう。
ガン末期の方に働けという人はいません。
休養とガンのための治療が必要でしょう。
それと同じです。
うつにおいて休養は治療です。
ですので、休養することに何の罪悪感を抱く必要はないのです。
2.ウォーキング&ジョギングをする
僕の経験上、寝まくってると、ある日少し動けそうかな?と思える日が訪れます。
それは動き出しの合図かもしれません。
けども体は重いでしょうし、治っているわけではないので無理をする必要はありません。
まずは散歩やウォーキング&ジョギングを始めてみてはいかがでしょうか?
というより、うつ治療に運動は本当にオススメです。
(うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~)
近くの公園や自宅周りを軽く運動すればよいでしょう。
うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~に詳細は記載していますが、運動には薬物療法と同じ程度の抗うつ効果があると言われています。
(だからといって薬物療法が必要ないということではありません)
3.ゆっくりお湯につかる
シャワーではなくお湯につかってください。
うつ病になると、お風呂が億劫になることがありますが、衛生的にもお風呂には入るべきです。
お湯につかることで副交感神経が優位となってリラックスできます。
うつ病になると多くが交感神経優位となってしまいますので、副交感神経を刺激して自律神経系のバランスを戻していきます。
(自律訓練法とそのやり方:自律神経を整える心理療法)
うつの休養に対して周囲の理解を得る
うつ病にかかった人なら分かることですが、どうしてもうつ病の経験がない方は「うつの休養」について誤解することが少なくありません。
「怠けているだけ」
「もう治ったんじゃないか」
など、うつの休養のためにしていることがそのように捉えられてしまうことがあるのです。
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
「治ったんなら仕事をしろ」
とか
「怠けている場合じゃない」
といった目に見える・見えないプレッシャーが患者を傷つけてしまう事が少なくありません。
うつ病は回復に時間のかかる病気です。
そして周囲の協力が必要な病気でもあります。
(どの病気でもそうですが)
ですので、あなたがしている「運動」や「寝ること」が治療に必要であることを周囲に伝える必要があると思います。
家族であっても、言葉にしないと伝わらないものです。
(「本当に伝えたい事は言葉で伝えよう。」より)
直接話すのが難しいならLINEやメールでもいいでしょう。
また心療内科・精神科の受診に同伴してもらうのも有効です。
そうすることで誤解がなくなるかもしれません。
伝え方については以下をご参照ください。
アサーションを知ろう~I’m OK, You’re OK!な表現技法~
おわりに
「うつの休養」の仕方は人それぞれです。
うつ急性期は眠っているだけで精一杯ですが、回復期になると少し動きたくなるでしょう。
その時に全く動かないのも問題です。
できる範囲でいいので、何か始めると良いでしょう。
ウォーキングやジョギング、趣味など何でもいのです。
そして、それらが上手くいかないこともあると思います。
そんなとき「もうだめだ」「もう治らない」と思ってしまうこともあるでしょう。
僕はありました。
少し歩いただけですぐ疲れてしまって、こんなんじゃとても社会復帰できないと不安でいっぱいになりました。
しかし「時が解決する」という言葉があるように、ゆっくりと次第に回復していくのです。
焦ってはいけません。
休養によって時間を味方につけて気長に治していきましょう。
(うつ病の症状に対応する5つの心構え:時間を味方につけるということ)
本日もありがとうございました。