アサーショントレーニング②~ABC理論(アルバート・エリス)を知って感情をコントロールしよう!~
2017/09/25
目次
ABC理論は自分の”思い込み”を自分でなくすアサーショントレーニング
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
皆さんは、次のような経験はないでしょうか?
「ちきしょう!好きなあの子にLINEを送ったのに1日経っても”既読”がつかない!!」
「あ~イライラする~あの子は僕のことを何とも思っていないのだろうか(泣)…」
僕はあります(笑)。
この例だと、
出来事:気になるあの子から1日たってもLINEの返事がない
↓
感情:落ち込んでしまった。
と僕の頭は瞬時に、無意識に物事をとらえています。
しかし、誰もが
出来事:気になるあの子から1日たってもLINEの返事がない
↓
感情:落ち込んでしまった。
となるのでしょうか?
いいえ、なりません。
この例を通して、アサーションの一つ「ABC理論」について考えていきたいと思います。
ABC理論とは?
結論から言いますと、ABC理論は「”感情や結果”は、”出来事”に対する”あなたの信念、考え方、思い込み”によって生み出される」という理論です。
先ほどの例だと、
出来事:気になるあの子から1日たってもLINEの返事がない
という出来事に対して気長に待てる人もいるし、あの子はおそらく塾のバイトで返事が返せなかったんだ、と考える人もいます。
ぼくには「LINEはすぐに返すべきだ」(僕の信念、考え方、思い込み)といった固定観念があったので、LINEがすぐに返ってこないこと(出来事)に対して、イライラし、落ち込んだ(感情)わけです。
つまり、
出来事
↓
感情・結果
という直接的な流れではなく、
出来事
↓
あなたの信念、考え方、思い込み
↓
感情、結果
というように、”あなたの信念、考え方、思い込み”というフィルタを通して”感情、結果”が生み出されているのです。
重要ですので、繰り返します。
”感情や結果”は、”出来事”に対する”あなたの信念、考え方、思い込み”を通して生み出される。
これを
「出来事」(Activating event)
「あなたの信念、考え方、思い込み」(Belief)
「感情、結果」(Consequence)
の頭文字をとって、「ABC理論」といいます。
ABC理論をどのように使うのか?
ABC理論は「ABCDE理論」とも言われ、使う際にはABCDE理論で考えていきます。
「出来事」(Activating event)
「あなたの信念、考え方、思い込み」(Belief)
「感情・結果」(Consequence)
「反論」(Dispute)
「よりよい感情・結果」(Effect)
次の図を見てください。
先ほどの例をもう一度使うと、
Ⓐ出来事:「ちきしょう!好きなあの子にLINEを送ったのに1日経っても”既読”がつかない!!」
↓
Ⓑ信念、思い込み:「LINEはすぐに返すべきだ」
↓
Ⓒ感情「あ~イライラする~あの子は僕のことを何とも思っていないのだろうか(泣)…」
となってしまっていたので、Ⓓ反論によって、
「いや、返事が遅いのは、バイト中かもしれない」、
「返事が1日で返ってこないだけで、僕に気がないとは言い切れない」
と考えることができます。
そしてⒷ信念が、
「LINEの返事は相手のペースであり、こちらが強要するものではない」に変われば、
Ⓔよりよい感情、結果として、
「気持ちが軽くなった、気長に待てるようになった」となっていくのです。
Ⓐ出来事:「ちきしょう!好きなあの子にLINEを送ったのに1日経っても”既読”がつかない!!」
↓
Ⓑ信念、思い込み:「LINEはすぐに返すべきだ」
↓
Ⓓ反論:「返事が遅いのはバイト中かもしれないし、返事が1日で返ってこないだけで、僕に気がないとは言い切れない」)
↓
Ⓑ新たな信念:「LINEの返事は相手のペースであり、こちらが強要するものではない」
↓
Ⓔよりよい感情・結果:「気持ちが軽くなった、気長に待てるようになった」
すなわち、「”Ⓑ信念、思い込み”をいかに変えることができるか」がABCDE理論ではとっても大事ということなんです!
非現実的な信念・思い込みをなくそう
ここで、よくある”非現実的な信念・思い込み”を紹介します。
こういった考え方は現実的ではなく、自分自身を苦しめることになるので注意しましょう。
思い込み①:「人は誰からも愛され、常に受け入れられなければならない」
これは無理な話です。
偉大といわれた”イエスキリスト”、”マーティン・ルーサー・キング・ジュニア”、”マザーテレサ”でさえ、多くの人に愛されましたが、すべての人から愛されたわけではありません。
「全ての人から愛される」ことは無理ですし、望む必要もないことです。
そういった信念を抱いていると、八方美人となって自分らしさが発揮できません。
(相手次第で自分の行動が変わってしまう人)
しかし、言わずもがなですが、嫌われてもいいんだ!と、相手の嫌がることをしてもよいと言う意味ではありません。
相手には誠意を尽くしましょう、笑顔でいましょう。
それでも、すべての人から好かれるということはできないということです。
しかし、多くの人からは好かれるでしょう。
(うつ、人間関係でお悩みの方へ~気にすることなく善を行いなさい~)
「人に好かれるに越したことはないけれど、すべての人に好かれる必要はない」と考え方を変えることをオススメします。
思い込み②:「人は間違えたり失敗したりしてはいけない」
この思い込みは、小さな失敗を責め、異常な完璧主義を生み出してしまいます。
自分にとっても相手にとっても、です。
常に最大限の努力をし、ミスをしないように注意することは大切です。
しかしそれでも失敗するのが人間です。
失敗すれば修正すればよいのです。
それだけです。
失敗を責めるのではなく、どうすれば次に失敗しなくて済むかを考えましょう。
思い込み③:「思い通りに事が運ばないと絶対にダメだ」
思い通りに事が運ばないことのほうが多いのです。
例えば、
良い成績を取ってほしいのに子どもの成績が悪い
自分の言う事を聞かない妻にイライラする
といったことがあげられます。
価値観の違う人間の集まりで世界は出来ています。
ですので、思い通りにならないからといって相手を一方的に責めるのではなく、今回の記事の「ABCDE理論」を使ったり、次のような手法を使って解決していきましょう。
軌道修正すればよいだけなのです。
・アサーションを知ろう~I’m OK, You’re OK!な表現技法~
・アサーション①~DESC法!あなたの想いを確実に届ける技法~
・「問題解決療法」~認知行動療法の1つ!本当に感動した問題解決の方法!~
思い込み④:「いかなるときにも人を傷つけてはいけない」
確かにその通りです。
しかしどんなに注意しても、気づかぬうちに人は人を傷つけてしまっているものです。
この思い込みを持つ人は、相手を傷つけてはいけないと過度に考えてしまい、言いたいこともいえず、相手の顔色をうかがいすぎて行動してしまいます。
知らずに傷つけてしまうこともあるのです。
誰でもお互いさまです。
気を遣いすぎて心が苦しくならないようにしましょう。
おわりに
今回はABC理論(ABCDE理論)をお伝えしました。
自分の信念や思い込みが感情を生み出すので、苦しくなる信念や思い込みを修正すれば、感情も良いものとなる、ということです。
そして、良い感情が芽生えれば、相手のことを思いやったアサーティブな対応をすることにもつながります。
自分自身の考え方・信念がいつも正しいとは限りません。
(もちろん正しいこともあります)
心を開いて、視野を大きく保ち、たくさんの選択肢をもって、物事に取り組んでいきたいですね!
本日もありがとうございました。
番外編「ABC理論」の創始者は「アルバート・エリス」先生
ABC(ABCDE理論)の創始者はアルバート・エリス先生です。
これは1955年に提唱された心理療法で、分かりやすい論理体系から、非常に人気の治療法です。
1982年のアメリカで行われた臨床心理学者への世論調査で、その分野に大きな影響のある人物としてフロイトを抜いて2位に選ばれました。
また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていたすごい人物なのです!
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