“ツレうつ”から10年 「元気づけようと踊ったことも…」と作者「細川貂々」が振り返る
2016/11/19
目次
1年ぐらい経ったころから体調が良くなってきました。
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回はdotに掲載されていた「“ツレうつ”から10年 「元気づけようと踊ったことも…」と作者振り返る」の記事の意見を書いていきます。
「ツレがうつになりまして。」という本が爆発的な反響を呼び、映画化までされました。
ツレうつについては、過去にくわしく記事にしていますので、ご参照ください。
うつ病患者と支える家族にとって役立つ情報が満載です。
「『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記」
「『ツレと貂々、うつの先生に会いに行く』(細川貂々):「ツレうつ」シリーズ”細川貂々”さんと人気精神科医”大野裕”先生のコラボ本」
「『こんなツレでゴメンナサイ。』 (望月 昭,細川 貂々)~「うつ病」は必ず治ります~」
「『7年目のツレがうつになりまして。』(細川貂々):「ツレうつ」第3弾!うつが完治したあとの話」
記事の詳細を見ていきましょう。
「うつ」の病状は上がったり下がったりする
『ツレがうつになりまして。』を出版してから、かれこれ10年ほど経ちます。
家族としてどう接すればいいか。
母親からは「“がんばれ”って言わないこと」と言われましたが、
うーん、難しいですね。
うつを経験したことのない人は、うつの人とどう接すればいいか悩みます。
(うつ病からの回復は「家族」にかかってる│「うつ」と家族の接し方)
うつを7年間経験したから分かりますが、うつ病になると神経過敏になります。
ココロもカラダもです。
「がんばれるんじゃない?」
「今日は体調どう?」
といった何気ない言葉に敏感に反応し、(ほぼすべてを)ネガティブに捉えてしまいます。
「(がんばってない)自分を否定されている」
「体調悪いに決まってるじゃないか、どうしてそんな事聞くんだろう」…
など、自然に、自動的にネガティブに考えてしまうのです。
これがよくあるうつ病の症状です。
(【まとめ】ぼくの鬱病の症状~こんな症状に苦しんでいました~)
また、カラダも過敏になります。
「ちょっと動いただけで息が切れる、体が重い」
「喉の奥に球があるような(いやな)感覚がある」…
など、心も体も緊張しっぱなしで休まることがなくなるのです。
気合でどうこうなる話ではありません。
インフルエンザになれば、高熱が出ます。
高熱がインフルエンザの症状だからです。
それと同じで、うつ病はココロもカラダも痛めつける本当に苦しい病気なのです。
そのため、家族の関わり方・支え方が重要になります。
そのことをツレうつの作者も仰っています。
(うつ患者に対する家族の関わり方は、「家族はうつ病患者にどのように接すればいいか?:4つの対応とうつ患者の気持ち」を参考にしてください)
人によっても違うでしょうし、病状が波のように下がったり上がったりするので、状況によっても変わります。
うつ病の病状には波があります。
先月○○の症状が収まっていたかと思うと、今月○○の症状がまた出てきたり…
その繰り返しを経て、徐々に良くなっていく病気なのです。
右肩上がりの一直線に良くなるわけではないのです。
うつ患者とその家族は、まずそのことを理解していただければと思います。
いくら家族が気を使っても、外出先ではそうはいかない。
落ち込んで帰ってきて、布団に入って泣きだしたツレの前で、
元気づけようと踊ったこともありますが、ツレに言わせるとうっとうしいだけだったみたい(笑)。
悲劇を悲劇っぽく書くのではなく、ユーモアをもって前向きに取り組むところが作者の魅力でもあります。
桜の季節のころ、気晴らしに桜を見に連れ出したときも、
「満開の桜を見ると、自分がなんてつまらない存在なんだろうって、憂うつになる」と言われてしまいました。
逆効果でした。
うつ病になると、ほぼすべての事をネガティブに捉えてしまいます。
そして(極端なほど)自分の責任に感じてしまうのです。
「LINEの返信が来ないのは嫌われているからだ」
「すれ違いざまに笑われた気がした。自分をバカにしたに違いない」
「自分の病気は一生治らない」…など。
思考が歪んでしまうのです。
(認知再構成法(コラム法)のやり方~あなたのその考えはほんとうに正しいのか?~)
「今」できることに取り組む
ツレもそうでしたが、うつの人って「このままじゃいけない」という気持ちが強い。
だから何かのきっかけでこの状態から抜け出したいって思っています。
だから「桜を見に行こう」と声をかければ、「いいよ」って。
本人も大丈夫だろうって思っているんです。
僕もそうでしたが、
「うつの現状を早く抜け出したい」
「うつの症状から早く解放されたい」
といつも思っていました。
毎朝起きると、症状の有無をチェックしていました。
そして、落ち込みました。
「昨日も今日も症状が残っているじゃないか、自分は治らない」…といったように。
しかし、その思考は良くないことに2,3か月後気づきました。
うつ病の症状は短期間でどうこうなるものではないと医者から聞いたからです。
そして、うつの症状を取ろう取ろうと思っても消えず、いつのまにか消えているものだとも教わりました。
(うつ症状はいつのまにか改善されている:その理由と改善方法)
それだったら、うつ病である状態で「今」できることに集中したほうが良いと考えるようになりました。
「少し動ける時は公園でランニング」
「派手に動けないからパソコン、WEB関連の勉強」
「家事の手伝い」…などを自分のできるペースでやりました。
結果、あとから振り返って、そのおかげでWEB関連で再就職できましたし、週2回ほどランニングも続けています。
後からどうつながるか分かりません。
「今」できることをすれば良いと思います。
周りに助けを求める
1、2カ月間はほとんど起きられず、横になっていました。
そのときのツレは、顔は茶色、グッタリしていて、白髪も目立つようになって……、
見ているのがつらかったです。
そういうときは、近所の人や友人に愚痴を聞いてもらっていました。
一人だけだったら対処できなかった。
周りの助けがあったからこそ、今があるんだと思います。
家族も共倒れしてしまうのが一番危険です。
そうならないように、家族は周りに助けを求めましょう。
医者に相談するのも良いでしょうし、うつ経験者やその家族に話を聞いてもらうのも良いでしょう。
親戚や兄弟も助けになります。
僕の母は、知り合いにうつ病経験者がいたので、その人に話を聞いてもらったり、うつの本を借りたりしていたようです。
(ため込まない、吐き出すことの大切さ)
うつ病を経験したから得られるものもある
うつと診断されて1年ぐらい経ったころから体調が良くなってきました。と同時に、彼は変わりました。
以前は頭がガチガチで、「こうあるべき」という思いが強かったのが、
無理をしなくなり、体にも気を配るようになりました。
僕も休職、退職して1年くらい経った頃から体調が良くなってきた気がします。
休職、退職した最悪の頃は、
「誰とも会いたくない」(しんどいから)
「楽しいという感情が分からない」(心が枯れ果てた状態)
「人生終わりだ」(もう一生治らない)
という状態で、もぬけの殻でした。
しかし1年が過ぎた頃から
「仕事を探そう」(バイトから)
「久々に恋愛をしたいな~」(異性を気にする心の余裕)
「何か趣味でも見つけよう」(休日の過ごし方)
を考えられるようになっていきました。
諦めずに治療を続けることが大事です。
うつを経験したからこそ得られるものもあるんです。
(「うつ」は辛いだけじゃない!│うつ病を経験したことで得られた7つのこと)
家族も息抜きが大切
ご家族に一つ言えるのは、患者さんも大事だけれど、自分も大事ということ。
自分を持っていないと患者さんに振り回されてしまうだけです。
ストレスを適度に発散しつつ、楽しいことをやりつつ、その上で患者さんを見守っていく。
そんなスタンスでいいのではないでしょうか。
適度な距離感が大切ということです。
(うつ、人間関係でお悩みの方へ~気にすることなく善を行いなさい~)
うつ患者も、そのように接してくれた方が気が楽です。
おわりに
「ツレがうつになりまして。」関連の本はとっても勉強になり、心が救われます。
一度お読みいただくことをオススメします!
本日もありがとうございました。