『7年目のツレがうつになりまして。』(細川貂々):「ツレうつ」第3弾!うつが完治したあとの話
2016/03/07
目次
(僕の愛読書)
『ツレうつ』は多くの人の支えがあって完成した
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回は、『7年目のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)』をご紹介します。
これは『ツレうつ』シリーズ第3弾で、第1弾、第2弾とは違った視点で描かれています。
(第1弾)
『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記
(第2弾)
『その後のツレがうつになりまして。』(細川貂々):「ツレうつ」第2弾!ウツ夫と妻のうつ闘病エッセイ
<違っている点>
1、映画化、ドラマ化の経緯について書かれている点
2、ふたりに子どもが生まれ、育児について書かれている点
この2点が大きな違いです。
また、ツレがうつを完治した後の話なので、うつについてはあまり書かれていません。
ツレとうつの日常を綴った物語と捉えていただくと良いでしょう。
『7年目のツレがうつになりまして。』(細川貂々)の一部抜粋
いつものように、本書の一部を抜粋してご紹介します。
「転んでもただでは起きない」
失敗は成功の母、というのが僕の座右の銘だった。
人生の意味は人間的な形成にあると思っていた。
だから失敗しても恥をかいても、そのことで成長するんだからいいや、と思っていたのだ。
その楽天家の僕が、うつ病という病気によって無残に打ち砕かれた。
失敗で成長するなんて大嘘だ。
そういう成長を得たとして、見かけだけのもので無意味なんだ、と実感していた。
さすがに、転んでもただでは起きない、と喩えられるような状況ではなかった。
転びっぱなしになっていた。
だけど、その時期のことを相棒が漫画に描いて、
それが全ての始まりで、僕は自分に合わない勤め人を続けることを諦め、
諦めても生活していけるようになり、目の前に自分がすべきことが続々と出現してきた。
うつ病というのは困った病気で、気持ちが暗くなって引っ込み思案になるというだけではない。
全体的なエネルギー欠乏症で、他人に対する思いやりとか配慮とか想像力といったものが希薄になる。
つまり、自分勝手で迷惑な人になる。
でも、それは元々の性質ではない。
『7年目のツレがうつになりまして。』でツレと妻が伝えたかったこと
ツレがうつ病を経験し、貂々さんがそれを支えた経験から、うつで困っている方にこんなことを伝えたかったんじゃないかと思います。
それは”諦めない”ということです。
うつという病気は治せる病気です。
しかし、”すぐ”には治りません。
また、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
そこがやっかいです。
しかし、その日の症状に一喜一憂するのではなく、
長期的な視野でもってうつ病と向き合っていくことが大切だと教えてくれています。
そして、”うつの経験は決して無駄はない”ということも同時に教えてくれています。
うつを経験したことで、ツレは柔軟な考え方が身に付き、憧れだった作曲家とお仕事をすることができました。
また貂々さんは、夫のツレの闘病生活を本にまとめることで売れる作家になれました。
ある意味、うつがもたらした奇跡といっても過言ではありません。
本書で書かれているように、”タダでは起きないぞ”という気合を持って日々を過ごしていくことが大切なのかもしれません。
おわりに
僕もうつ病&顎関節症に死ぬほど苦しめられました。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
治るなんて考えられず、このまま何もできずに朽ち果てていくんだ、としか考えられませんでした。
(やまない雨はない(倉嶋 厚)~うつ病は必ず治る、降りやまない雨はない~)
しかし、今振り返ると、そう思ってしまうのはうつ症状であって現実的ではありませんでした。
この病気は治せる病気なんです。
うつはココロとカラダにつらい症状を与えてきますが、その症状には終わりがあります。
(うつ症状はいつのまにか改善されている:その理由と改善方法)
諦めないでください。
そして、この病気を克服した時、新たな自分と出会えることでしょう。
人間的に成長した自分と。
まさに人生に無駄は一つもない、ということです。
皆さんの健康を願って、本日も終了とさせていただきます。
ありがとうございました。