うつの不眠を改善させる4つの方法:安心してください、ねむれます!
2016/02/14
目次
眠れぬ夜のうつ対策~お父さん、眠れてますか?~
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
現在、日本では成人の5人に1人が睡眠障害で悩んでいます。
(睡眠障害とは不眠or過眠のこと)
そして、うつ病にかかっている方の9割に不眠が見られると言われています。
(不眠が出ないor過眠の方もおられます)
僕自身もうつ急性期は、夜眠れないことが多く、
「なぜ眠れないんだ、疲れているのに」
「寝かせてくれ」
と考え込んでしまい、さらに眠れないという悪循環に陥っていた時期もがありました。
今回は、睡眠障害…特に「不眠」に焦点を当ててご紹介致します。
(過眠についてはこちら「うつ病の過眠と治療法:うつの睡眠障害は不眠だけではない」)
※睡眠障害でお悩みの方は、まず病院(心療内科、精神科)に行くことを強くオススメします。
お薬を治療の中心とし、以下の方法をサポーターとして活用することで、治療効果が倍増されるからです。
ご自身に自覚がなくても、「うつ状態」または「うつ病」が原因で「不眠」は結果というパターンが多いのです。
「不眠」とは何でしょうか?
日本睡眠学会によると、次のどれかを満たすものを不眠と定義しています。
1.入眠障害
夜なかなか寝付けない症状のこと。
寝付くのに2時間以上かかってしまう状態。
2.中間覚醒
一旦寝てもすぐに起きてしまう症状。
寝ても2.3回起きてしまう状態。
3.早朝覚醒
朝いつもより2時間以上早く起きてしまう症状。
4.熟眠障害
朝起きたときにぐっすり眠った感覚がない症状。
この1~4のどれか(または複数)を満たし、
週2回以上、かつ少なくとも1ヵ月間持続する状態を不眠といいます。
また、一時的な精神ストレスや身体ストレスによって眠れないことは不眠と言いません。
このように不眠について定義はあるのですが、不眠の程度は人によってかなりばらつきがあります。
ですので「2時間以上」とか「週に2回以上」といった数字が大切なのではなく、
不眠によって、あなたが苦痛を感じているかどうかで不眠か不眠でないかが決まってくると思います。
不眠には大きく4つの種類があるんだな~ということを知識として持っておいていただければと思います。
1.入眠障害、2.中間覚醒、3.早朝覚醒、4.熟眠障害
「不眠」の原因と病院
お医者さんが不眠の原因と判断している「5つのP」をご紹介致します。
1.身体疾患の不眠(Physical)
中枢神経疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など様々な体調不良が原因の不眠。
簡単にいうとカラダの病気が原因ということ。
内科や睡眠外来で治療を行うのが一般的。
2.生理学的不眠(Physiologic)
時差ボケ、夜間勤務、短期間の入院などの環境が原因の不眠。
体の体内リズムが乱れて不眠となっている。
時差ぼけがわかりやすいですが、一時的なものなので特別な治療は不要。
あまりに続く場合は内科で相談されると良い。
3.心理学的不眠(Psychologic)
精神的ストレス、喪失体験、恐怖体験などストレスからくる心理的不眠。
簡単に言うとココロの安定が崩れて引き起こす不眠のこと。
心療内科・精神科医で治療を行うのが一般的。
4.精神疾患に伴うもの(Psychiatric)
うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症といった精神疾患による不眠。
ココロの病気が不眠を伴っているケース。
心療内科・精神科医で治療を行うのが一般的。
5.薬理学的不眠(Pharmacologic)
アルコール、向精神薬、降圧薬、インターフェロンなどアルコールや薬が原因の不眠。
治療薬の副作用が原因で不眠となること。
処方せんをもらっている病院で相談されるのが良い。
今回は「うつと不眠について」の記事なので、
心理学的不眠、精神疾患に伴う不眠についての改善方法をお伝えしてきます。
不眠症を改善させる4つの方法
1.自律訓練法(自己催眠療法)
自律訓練法は一言でいうと、自律神経を自分で整える自己暗示方法です。
自己暗示といっても全く怪しいものではなく、治療法として広く認められている治療法です。
心療内科・精神科でも自律訓練法のやり方を教えている医院もあります。
(僕もそこで教わりました)
自律訓練法のやり方については「自律訓練法とそのやり方:自律神経を整える心理療法」で詳しく記載していますのでご参照ください。
(誰でも簡単に取り組むことができます^^)
不眠の多くは自律神経のバランスが崩れて引き起こされています。
自律神経とは交感神経と副交感神経のことで、
興奮・覚醒を司る交感神経が優位となっている場合が圧倒的に多いです。
ですのでこのバランスを整えて不眠を改善させましょうというのが自律訓練法となります。
2.運動
運動も不眠にとっても効果的です。
経験があるかと思いますが、適度な疲労やリラックス状態となると眠たくなります。
その状態を運動によって作りだすことができます。
運動は有酸素運動を行っていきます。
有酸素運動とは、ウォーキングやランニング、水泳などです。
運動のやり方と必要性は、「うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~」で紹介しておりますのでご覧ください。
夜に軽いジョギング、ランニングをした後、お風呂に漬かって、ベッドでゆっくり横たわってみてください。
心臓の鼓動が落ち着いてリラックス状態になってきているのが実感できるかと思います。
30分~1時間程度の運動を週に3回程度確保できれば理想でしょう。
もっとも、週に3回できなくても構いません。
「続ける」ことが大切です。
ご多忙なのは重々承知しています。
しかし、「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたTSUTAYA社長「増田宗昭」氏やローソン会長「新浪剛史」氏のほか、多くの超多忙な方々でも運動(特にジョギング、ランニング)の習慣を持たれています。
忙しい間にも「運動する」時間を確保しているのです。
それほど効果があるため、継続しておられます。
「運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~」を参考に、ぜひこの機会に始めてみてはいかがでしょうか?
3.ゆっくり入浴~お湯につかろう~
夏なら38度、冬なら40度くらいがのややぬるめの温度がベストです。
ややぬるめの温度につかることで(20~30分程度)、リラックス状態に導くことができます。
入浴剤を利用するとさらに効果的かもしれません。
僕は柚子やラベンダーの香りが大好きです(笑)。
※シャワーは入浴の代わりにならないようです。
(体の表面を温めているにすぎないため。実感としてシャワーだけだと湯冷めしやすいですよね!)
4.眠れないことを気にしすぎない
非常に大切な考え方です。
「うつ」が原因なら、うつ治療が進めば眠れるようになっていきます。
人は眠らないと生きていけない動物なので、今が異常状態だということです。
ダメなのは、「将来の不安」、「眠れないこと」を考えすぎることです。
ベッドでは考え事をしないと決めてしまいませんか?
小池 龍之介先生の「考えない練習」がベストセラーになるように、現代人は「考えすぎ」なのです。
オンとオフを上手く切り替える必要があります。
カラダと一緒でココロ(脳)も休めましょう。
うつ病の治療が必要かもしれない~不眠とうつの関係~
不眠の原因がうつ病であることが少なくありません。
うつ病の診断基準「ICD-10、DSM-5」によるうつの診断基準でも不眠を診断基準に入れています。
・睡眠障害(ICD-10の診断基準)
・ほとんど毎日の不眠または過眠(DSM-5の診断基準)
冒頭でもお伝えしましたが、うつ病が原因で不眠が結果というパターンが少なくないのです。
うつ病になると、あらゆるエネルギーが低下します。
その結果、生理的欲求(眠りたくなる欲求)も低下するのです。
そして不眠を発症します。
うつ病というと特別な病気に思われるかもしれませんが、
15人に1人は発症するといわれるありふれた病気です。
心療内科・精神科に抵抗がある方も多いと思います。
僕も最初はそうでした。
「【闘病記】うつ病と顎関節症」で書いていますが、こわ~い場所だという先入観があったのです。
しかし全くそうではありませんでした。
普通の内科と何ら変わりません。
それよりも清潔な印象でした。
そして一見、病気かわからないような普通にみえる人が受診しているのです。
ですので気軽に受診できる場所なのです。
うつ病が不眠の原因であれば、うつの治療をしていけば治っていきます。
うつ病が原因かどうかは、専門機関(心療内科・精神科)を受診してみないと分かりません。
うつ病の治療法
うつの治療法は「【治療法】うつ、顎関節症の治療法」をご参照ください。
一部をここで記載してお伝えします。
薬物療法~抗うつ薬、抗不安薬~
うつ治療の中心的存在です。
神経伝達物質のバランスを整えることによってうつ病を改善させていきます。
うつの休養の仕方~休養は治療の1つです~
うつ病治療に休養は必須です。
その具体的なやり方をご紹介しています。
自律訓練法とそのやり方:自律神経を整える心理療法
これは先ほどお伝えしたものです。
うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~
これも先ほどお伝えしたものです。
・うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~
認知行動療法とは?~認知行動療法を世界一分かりやすく解説しました~
考え方を変えることによってうつ病を改善させていきます。
ココロとカラダは密接につながっています。
例えば黒板を爪でひっかいて「キィッー」っと高い音が鳴るイメージを浮かべると寒気がします。
イメージしたもの反応としてカラダに現れるのです。
うつ病患者に特有の考え方を改めていく治療法です。
・認知行動療法とは?~認知行動療法を世界一分かりやすく解説しました~
終わりに
僕がこの改善法を通してお伝えしたかったのは、
月並みで恐縮ですが、「リラックスしましょう」ということです。
専門用語でいうと「交感神経」と「副交感神経」を交互に働かせましょうということです。
活発に活動している昼間は「交感神経」が優位に働いています。
一種の緊張状態です。
人は一種の興奮状態にあるときにパフォーマンスが向上するからです。
しかし、一日中興奮状態でいることは出来ませんね。
リラックスする時間が必要なのです。
あなたはオフでも「心配事」「将来の不安」「眠れないこと」など悩み事ばかり考えていませんか?
考える事が悪いとは言っていません。
バランスが大切です。
例えば、入浴時と就寝時は考え事をしない!などと決めてリラックスする時間を作ってみると良いと思います。
すこやかな毎日を願っております。
本日もご清聴誠にありがとうございました。
P.S.音楽療法アプリ『眠れるクラシック』なるものがあるようです(アンドロイドアプリでは見つけられませんでしたが)(http://www.techjo.jp/2015/08/446536/)