顎ずれを気にしすぎないで!病気になんて、ならないから。
2017/09/24
目次
顎ずれは「結果」。病気の「原因」ではない
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
Yahoo!知恵袋や各サイトを見ていると、”顎ずれ”を気にする人がすごく多いようです。
かくいう僕も、うつ・顎関節症の時に顎ずれをこれでもかというぐらい気にしていました。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
なぜなら「顎ずれは不定愁訴や自律神経失調症を引き起こす」といったことがネット上に溢れかえっているからです。
これだけ溢れていると「カラダの不調は顎ずれが原因だ」と思い込んでしまいます。
その結果、歯を削ったり、矯正したり、高額な整体を受けたりしてしまうのです。
(治りません)
今回は患者さんがとんでもない被害を受けないために、「顎ずれ」について解説していきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
顎ずれとは?
顎ずれとは何でしょうか?
実は、明確な定義はなさそうです。
一般的には体の中心ラインから顎が左右どちらかに歪んでいたら、”顎ずれがある”と判断されます。
そんなことを言うと、誰だって歪んでいます。
歪みのない人なんていません。
顎は左右だけでなく上下にも動くため、左にずれているとか右にズレているといった単純なものではありません。
(画像引用元:田澤接骨院様)
顎ずれの定義を「歯の正中からずれていること」という人もいますが、それを顎ずれということはできません。
正中がずれていても、体全体として調和がとれていることも少なくないからです。
(※正中とは上の歯と下の歯の中心ラインのこと)
(画像引用元:浦和矯正歯科クリニック様)
顎ずれを恐れてしまう真の理由
真の理由はたった一つ…
それは、「顎ずれが体調不良を引き起こすと思っているから」です。
指の長さが左右で違ってもなんとも思わないし、足のサイズが微妙に違っても気にしないでしょう。
しかし、顎だとどうしてそんなに気にするのでしょうか?
それはネットやメディアで顎ずれが体調不良を引き起こすと煽っているからです。
しかし、顎ずれが体調不良を引き起こすという証明は一切ありません。
(【顎関節症の問診】噛み合わせ治療やマウスピースで身体の不調が良くなるという科学的根拠はゼロ!)
それなのに誰が言いだしたか分かりませんが、顎ずれが病気を引き起こすと脅してくるんです。
顎をいじると歯医者や整体が儲かるから、という側面もあります。
しかし結論から言うと、”顎ずれによって体調不良が引き起こされることはありません”。
顎ずれは「結果」であって、病気の「原因」ではない
交通事故といった大きな外傷でない限り、顎ずれは大きな問題ではありません。
問題なのは、原因不明(と思われる)の体調不良です。
僕の経験から、その体調不良の原因は大きく2つあります。
1、うつ病が原因
顎ずれが気になるのはうつ病が原因かもしれません。
顎ずれが気になるという事は、顎周りの筋肉の緊張が起きている可能性が高いです。
顎周りの筋緊張が強いため、顎に意識がいって、顎ずれを気にしてしまうということです。
ではなぜ筋肉の緊張が起きているんでしょうか?
その原因がうつ病ということです。
(うつ病については「うつを知る」で詳しく取り上げています)
うつになると、ココロだけでなくカラダにもいろんな症状を引き起こします。
(うつの治療法まとめ)
いわゆる不定愁訴や自律神経失調症といわれる症状です。
(自律神経失調症は「症状」であって「病名」ではない。~真の原因は何か~)
その症状の1つとして顎周りの筋緊張が出ていると考えられます。
(僕が実際にそうでした)
うつ病の怖いところは「自分がうつ病と気づきにくい(思いたくない)」というところでしょう。
2、 顎関節症が原因
顎関節症については「「うつ」「顎関節症」の知識を深める3つの方法~知りたいことは、そこにある~」でも書いていますが、顎関節と筋肉の症候群です。
顎関節症によって、筋肉が緊張して顎に意識が向いている可能性があります。
これも間違いやすいのですが、顎関節症が原因なら、しばらくすると(なにもせずとも)自然に気にならなくなるはずです。
手術が必要なものでない限り、顎関節症はこわい病気ではありません。
(『顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本』(木野孔司):目からウロコ!これで顎関節症&かみ合わせの悩みとおさらばできます!)
ちなみに顎関節症治療にマウスピース(スプリント)は使ってはいけません。
マウスピースを使うと、治るどころか悪化する可能性が高いからです。
(顎関節症にマウスピースを使ってはいけない!:4つの理由と正しい治療法)
顎関節症治療はTCH是正訓練治療で治していきます。
(TCH是正治療~顎関節症の治療方法!これで僕は治りました~)
言いたい事は、顎ずれは結果であって、病気の原因ではない、ということです。
顎ずれをいくら正しい(と思われる)位置にしても症状は取れません。
病気の「原因」ではないからです。
足を骨折をして、足に湿布を貼っても治りません。
足の炎症は骨折の結果であって、原因ではないからです。
原因である骨折を治すために、ギプスをつけて固定する必要があるのです。
それと同じで、顎ずれが気になって顎を治療しても治らないということです。
うつ病、顎関節症といった「原因」に対して治療していくことが大切なんです。
おわりに:僕は顎ずれを気にしすぎてノイローゼになりました
顎ずれが気になり始めたのは18歳の浪人の頃でした。
高校3年から悪化した体調不良の原因を探っていた頃です。
顎・顔周りの筋肉の緊張がひどく、口をちょっと動かすだけで疲労感が半端じゃありませんでした。
前歯が噛み合わないオープンバイトだし、顎がカクカクなるようにも鳴っていました。
そんな時、ネット上で「顎ずれ・噛み合わせの悪さが全身の不定愁訴を招く」といった記事を見つけました。
(不定愁訴は「症状」であって「病名」ではない。~「症状」の治療になってませんか?~)
「これだ!」と思いました。
これが体調不良の原因だと。
噛み合わせ・顎関節症で有名といわれる大阪の歯科医院でマウスピースを作製してもらいました。
これで治ると希望をもっていました。
しかし、治るどころか悪化していきました。
2週間に1回くらいマウスピースの調整で歯科医を訪れました。
歯医者代だけでいくらかかったか‥計算するのが怖くてできません。
(傷病手当金はうつ病でも申請できます~退職後でも受給できました~)
整体にも通いました。
(顎関節症の治療で整体に行っても治りません:治らない理由を説明します)
手技で顎ずれを整える治療です。
しかしその場限りでした。
治らず、回復もしませんでした。
そんな時、顎関節症治療の世界的権威である木野孔司先生と出会ったんです。
(木野顎関節研究所~顎関節症、噛み合わせの治療はここで決まり!~)
そして教えてもらいました。
「筋緊張は、交感神経の亢進によるものである」と。
要するに、自律神経のバランスの乱れ(僕の場合はうつ病)が原因なので、顎ずれを治してもカラダの症状は治らないということです。
ほんとにその通りでした。
僕はずっと、顎ずれという「結果」だけを見ていたのです。
本当の原因にアプローチ出来ていませんでした。
だから治らなかったんです。
僕みたいなとんでもない事にならないように、声を大にして言いたのです。
「顎ずれを気にしてはいけない」ということを。
顎がずれていたって、病気になんて、ならないんです。
あなたの体調不良は顎ずれが原因ではありません。
筋肉や神経の緊張で顎の違和感があるかもしれませんが、顎ずれを治しても症状は取れないのです。
「原因」にアプローチしていただければと思います。
本日もありがとうございました。
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