【顎関節症の問診】噛み合わせ治療やマウスピースで身体の不調が良くなるという科学的根拠はゼロ!
2017/10/21
目次
噛み合わせ治療で体の不調がなくなると信じてしまう歯科医
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は顎関節症の権威「木野孔司」先生の問診記事です。
僕が受診した頃の内容を忠実に書き下ろしました。
木野先生については、TCH是正治療~顎関節症の治療方法!これで僕は治りました~に書いていますが、顎関節症最大の原因であるTCHを発見した顎関節症の世界的権威の先生です。
皆さまの参考になれば幸いです。
よろしくお願い致します。
顎関節症の問診
木野先生
今はどのお薬をどれくらい飲んでいますか?
青年A
レクサプロというお薬10mgを食後に1錠服用しています。
SSRI系のお薬です。
少し精神症状は落ち着いてきているかなとは思っています。
(うつ治療のメインは薬物療法~抗うつ薬が効く理由~)
ただ、下半身の異常な緊張がきついです。
立ってるだけでも座ってるだけでも重い感覚があって。
(「鉛様麻痺(鉛様疲労)=体が重い」は非定型うつだけじゃない!│定型うつの症状でもある)
それと股の違和感ですね。
(足のケガから股の違和感へ~異常事態発生~)
木野先生
それに関してはどう言われていますか?
青年A
精神的な病気によって体が緊張するといった事は珍しくないと言われました。
ただ僕としては以前ずっと大学の時にマウスピースをつけた時は股の違和感を感じる機会はほとんどなかったので。
木野先生
ただで、ずっとじゃないでしょ股の違和感が消えたのは。
マウスピースを使っている時はずっと消えていましたか?
青年A
そうですね~
その頃はSNRIのサインバルタを服用していました。
木野先生
マウスピースの効果で股の違和感が消えたわけではないと思うんです。
基本的にはこういった抗うつ薬は症状に合う合わないがあるんですね。
合わないとなると変えていく必要があるんです。
だいたい1つの薬の効果を知るためには最低2か月くらいは飲む必要があるんで。
薬を変えることで、場合によっては今の症状が緩和される可能性もあります。
(レクサプロを)飲み始めてまだ1か月かそこらでしょ?
青年A
そうです。
木野先生
もうちょっと飲んでみないと薬の効果は分からないと思いますね。
青年A
最近はTCHよりも他の疾患の可能性はないのかなっと考えたりすることがありまして。
例えば慢性疲労症候群とか筋ジストロフィーとか。
言葉だけは聞いたことがありまして。
ないとは思うんですけど、会社を休職することになって大阪に帰るので、その時診察だけしてもらおうかなとか思っています。
(やはり原因は「うつ?」神経内科で神経系を検査)
木野先生
職場に関しては退職するという言葉がメールにあったんですけど、一旦休職という形になりそうですか?
青年A
はい、4月いっぱいまでは休職することにしました。
(うつ病・躁うつ病で「休職」「復職」した人の気持ちがわかる本~「本当に治る」ということを後輩に伝えたい~)
いまだに不思議なのが、噛み合わせとか顎の歪みで全身の不快症状が出るといった事がネット上で飛び交っているじゃないですか。
木野先生
そうですね。
青年A
それって実際真実なのかな?って。
木野先生
それに引っかかってしまう人がいっぱいいらっしゃるんですけど。
でもね、噛み合わせの違和感とかはちょっとしたきっかけで誰にでも起きるわけです。
軽いうつの事を心の風邪っていうでしょ。
一生の間に誰だって何回かはそういう状況になるわけですよ。
そういう時って勝手に筋肉が緊張してくるので、顎周りの筋肉も不安定になるんです。
そういう時に歯科治療を受けたりすると当然噛み合わせは変わるわけです。
変わったことに敏感になって噛む位置探そうとするんです。
その結果ますます不安定になっていくことがあるんです。
そういったきっかけで噛み合わせの違和感が始まってしまう方っていっぱいおられるんです。
(噛み合わせの違和感をなくしたい!原因は「歯」ではないかもしれません)
そういった軽いうつによって脳から間違って指令が出てしまうことで起こったりするんです。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
ですので抑うつが収まってくれば、間違った指令が出なくなるので違和感がなくなってくるわけです。
で、知らず知らず抑うつが収まってきたタイミングで噛み合わせ治療やマウスピース治療を受けたことで良くなったと思い込んでしまう患者さんがいて、そういう方々は「噛み合わせを良くしたから体調が良くなった」とか「マウスピースを入れたから体調が良くなった」と考えてしまうんです。
(顎ずれを気にしすぎないで!病気になんて、ならないから。)
でそれは、患者よりも歯科医が信じちゃうんですよ。
それがやたら多いんです。
青年A
実際にそういった噛み合わせやマウスピースで体調が良くなるという科学的な根拠はないですか?
木野先生
まったくないです。
今までに、噛み合わせの不安定さによって体の不調が出てくるんじゃないかって何十人何百人の歯科医が研究してますけど、こういった噛み合わせの悪さがあると精神的に不安的になるだとかは全く証明されていません。
青年A
そうなんですね。
それを聞けてすっごく安心しました。
ありがとうございました。
おわりに
噛み合わせ治療やマウスピース治療で自律神経失調症や不定愁訴は治らないということが伝えたくて記事にしました。
科学的根拠が全くないのです。
上記の治療は自費治療になることが多く、患者さんの財産を失わないためにもこの記事が書きたかったのです。
原因不明の体の不調(自律神経失調症や不定愁訴)は歯科医ではなく、心療内科・精神科で診てもらうことをオススメします。
(うつ病の病院選びにお困りの方へ:うつ経験者が選び方を教えます!)
お読みいただき、ありがとうございました。
青年A