『顔ニモマケズ』(水野敬也):顔にコンプレックスがあって一歩踏み出せない人におすすめ
2017/10/02
目次
水野敬也さんの最新作!見た目問題と向き合う
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は水野敬也さんの最新本『顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語』をご紹介します。
水野敬也さんは大ベストセラー『夢をかなえるゾウ』の作者で、表現力の天才だと思っています。
以前水野さんの本では「メンズ限定!休養中にモテ男に生まれ変わりませんか?~「美女と野獣」の野獣になる方法~」もオススメしているので、男性の方は合わせてお読みいただければ。
今回の『顔ニモマケズ』はこんな方にぴったりです。
・顔に自信のない方
・顔に自信がないので恋愛に踏み出せない方
・うまくいかないのは顔のせいだとお考えの方
・顔のアザやシミが気になる方
・障害があるから不幸だとお考えの方
では早速ご紹介していきますので、よろしくお願い致します。
顔ニモマケズ
今回登場する9名の方は、容姿に自信がないといった方々ではなく、具体的な病名が与えられた方々です。
リンパ管腫、動静脈奇形、網膜芽細胞腫、口唇口蓋裂、全身型円脱毛症、アルビノ、単純性血管腫、ロンバーグ病、トリーチャーコリンズ症候群。
容姿に際立った特徴をお持ちの方々ですが、みな折り合いをつけながら幸せに生きていらっしゃいます。
特に印象に残った部分を抜粋してご紹介します。
ベストではない環境と折り合う(中島勅人)
リンパ管腫:リンパ管が拡張したり増殖することによってできる良性腫瘍であり、その多くが生まれつきの症状による。
中島:ただ、私は色々な経験を通して、自分の症状と徐々に折り合えるようになってきました。
それはやはり、人との出会いが大きかったと思います。
ずっと相談に乗ってくれていた看護師さんがこう言ったんです。
「君は、いつも自分のことばかり気にしてるけど、君を大事に思ってくれている人のことを考えたことはあるの?」と。
かなり厳しい口調で言われました。
その言葉の意味はーー当時、私は自分の顔のことばかりを気にしていましたが、それ以外の部分の良さを認めてくれる人たちも周りにたくさんいて、その人たちの気持ちに応えることも考えなさいということだったと理解しています。
中島:まずは、外に出てみてほしいのです。
外に出たら、何かがある。
嫌なこともあるけど、たとえば旅行に行けば良い景色を見つけられる。
予想もしなかった人の親切に触れることもあります。
逆に、家の中にいると、どうしても意識が自分に向いてしまいます。
苦しいなぁとかつらいなぁとか、そういう部分ばかりに目がいきますよね。
するとどんどん気持ちが沈んでいってしまいます。
だから外に出て、「ああ、自分はこういうものが好きなんだ」と夢中になれる対象を「外に見つける」ということが大事だと思います。
だから私は、見た目に症状があったり、外見に自信のない人こそ、外に出てもらいたいし、経済的な余裕が許せば、ぜひ海外にも行ってもらいたいと思います。
今、中島さんはマラソンにハマっているようです。
顔の事で落ち込んでもマラソンをすると気分がリセットされるようです。
(うつ病の運動療法~うつの人に運動を強くオススメする4つの理由~)
そういった「心のよりどころ」を持っておくことが大切ですね。
顔に限らず、誰だって悩みはあるのですから。
「恋愛」に踏み出すために必要なもの(河除静香)
動静脈奇形:動脈と静脈が、通常とは異なる交わり方をして血管の集合を作ってしまう症状。
ーー当時、顔の症状でつらい思いをすることはありましたか?
河除:やはり、いじめがつらかったですね。
特に男子からのいじめがひどかったです。
触るとバイ菌がうつると言われたり、フォークダンスで手をつないでもらえなかったり……
中学3年のとき、社会の公民の授業で「基本的人権の尊重」を習ったとき、授業が終わってから男子の生徒から「お前には基本的人権はない」と言われたこともありました。
ーー河除さんはすでにご結婚されて2人のお子さんもいるわけですが、恋愛には積極的な方でしたか?
河除:いえいえ(笑)。
高校や短大のときは、顔の症状があることで、「異性の恋愛対象にならない」ことに悩んでいました。
友達に誘われて合コンに行っても、男性から声をかけられることもありませんし、「なんでいるの?」と言われているような気がしてしまって……。
もちろん好きな人ができても(こんな顔では絶対に無理だろうな)と思って告白なんてできませんでした。
ーーそういった考え方が変わるきっかけのようなものはありましたか?
河除:短大の卒業旅行で友達と温泉に行く機会があったのですが……
みんなでお風呂に入りながら恋愛の話をしているときに、私がふとつぶやいたんです。
「私みたいな顔をしてたら、好きな人がいてもどうにもならないよね」って。
するとそのとき、その場にいた友達の1人が、「なんでそんなこと言うの?」と突然怒って泣き出したんです。
彼女は、私にも恋愛をして幸せになってほしいからそうやって言ってくれたんですが……
それ以来、「好きな人ができたら、その人に向かっていってみよう」と思えるようになった気がします。
ーーそれからは、恋愛に対して具体的にどのような変化がありましたか?
河除:短大を卒業して葬儀会社に就職したのですが、母親に「お見合いがしたい」と言いました。
母親も「待ってました」という感じで(笑)
それで、5回ほどお見合いをして、中には私の症状を知った上で良いと言ってくれた人もいたのですが……
私はその人と一緒になる勇気がなくてお断りしました。
ただ、お見合いをしているときに職場を移ることになったのですが、そのときは男性がたくさんいる職場を選ぶことにしました。
ーーその職場に勤めることで何か変化はありましたか?
河除:まず、何よりも女性として扱ってもらえたのがうれしかったですね。
職場では野球部のマネージャーになったりしたのですが、みんなでお酒を飲むときも「女の子がいた方が楽しいから来て」と誘われたり、見た目で嫌な思いをすることは一度もありませんでした。
それで、あるときから社内で部署を移った男性と、私のいる部署の人たちのグループでよく遊びに行くようになったんですが……
部署を移った男性からデートに誘われるようになって、その人とお付き合いすることになりました。
ーー男性との交際に、顔の症状が影響することはありましたか?
河除:付き合い始めて1か月ほど経ったころ、彼が急に怒り始めたんです。
最初は、どうして彼が怒っているのか理由が分からなくて、昔、バレンタインデーに同じ職場の男性にチョコをあげたことがあったので、そのことで怒ってるのかな?と思ったんですけど……。
彼がそのとき言ったのは、「俺は君と真剣に付き合っていきたいのに、どうして顔の病気のことを話してくれないんだ」ということでした。
彼は、私がずっと顔の症状のことを話さないので自分が信頼されていないと感じていたみたいです。
それで、私は顔の症状のせいでよく鼻血が出ることや、街を歩いていると人からじろじろ見られることが嫌だということを正直に言いました。
すると彼は「人から見られるのが嫌なら、俺が着ぐるみを着て君の隣を歩いてやる」と言ってくれたんです。
そのときは涙が出るくらい感動しました。
そして、その男性と付き合い始めて1年後に結婚して、その1年後に子どもが生まれました。
ーーお子さんが生まれたときの心境はどうでしたか?
河除:もう、この世のものとは思えないくらい可愛くて、過去の自分に「将来、こんな幸せが待っているんだよ」と教えてあげたいと思いました。
やはり「行動」することがほんとに大切ですね。
失敗は誰でも怖いものです。
しかし、失敗せずに成功した人はいません。
河除さんは就職活動で3度もうまくいかず、4度目で内定できたそうです。
恋愛も一筋縄ではいかなかったでしょう。
失敗するごとに経験が蓄積され、次はもっとうまく実践できるようになるのです。
自分に不利な状況を、どう覆すか(泉川一樹)
網膜芽細胞腫:眼球内に発生する腫瘍で、2~3歳までに発病する場合が多い。
ーー目の症状があることでつらい思いをしたことはありますか?
泉川:うーん……(考えて)。
この症状があるからといっていじめられるということはなかったですし。
……ただ、じろじろ見られたり、小さい子から色々言われるのが嫌な時期がありましたね。
子どもは「何なのアレ」とか普通に言ったりしますから。
あとは、昔から目の症状を覆うパッチをつけていたのですが、当時付き合った女の子の前で初めてパッチを外したときに「気にならん。ていうか、いつもと変わらん」と言われまして。
「触りたい」って言うので触らせてあげたんですけど「プニプニやな」って言って笑ってましたね。
自分が気にしていることも、周囲の人は違う風に見ていたりしますよね。
自分の自分に対するフォーカスと、他者の自分に対するフォーカスはズレているものだと気づくことで目のことは気にならなくなっていったんだと思います。
ーーこれまでの話を聞いてて、なんというか、泉川さんの場合、顔の症状に対して「あってもなくても関係ない」くらいの印象を受けるのですが、もし泉川さんが今の顔と、何の症状もない顔、どちらも選べるとしたらどちらを選びますか?
泉川:……(考えて)。
もし、目のことが僕のコンプレックスになっていて、そのコンプレックスと根性が比例するとしたら、目の症状がないことは、すごく怖いです。
僕のエネルギーは失われた左目から生まれていると思うので。
症状があるから卑屈になるんじゃなくて、プラスに変えて強く生きる。
(『斎藤一人の不思議な魅力論』(柴村恵美子):魅力があるから、うまくいく)
その姿勢が大切で、人を魅力的にさせるんだと思いました。
「好きなもの」との出会いがすべてを変える(タガッシュ)
口唇口蓋裂:生まれたときから、唇や上あごがつながっていない症状。
ーー症状があることでつらい思いをしたことはありますか?
タガ:いじめがありましたね。
症状で少し鼻がつぶれている感じに見えるので、そのことをからかわれたり、あとは横から見ると症状が、よりはっきり見えるので、横顔のことをバカにされたりしました。
中学のころにいじめがピークになったときは、「死んじゃおうか」と思ったこともありました。
それくらいつらかったですね。
ーーその状態はいつまで続きましたか?
タガ:高校に入ってからまったくなくなりました。
というか、私の人生は高校で救われたと言えるくらい、本当に恵まれた環境だったんです。
ーー高校時代のことを教えてください。
タガ:私は昔から絵を描くのが好きで……
最初はつらい現実から逃げたくて描き始めたのですが、描いているうちにもっと本格的に勉強したくなって、デザイン科のある高校に進学したんです。
そうしたら、そこにいる人たちが今まで会ったことがないタイプというか、個性的な人たちばっかりだったんです。
たとえば特撮の悪役が好きで、すごい量の悪役のフィギュアを集めてて、学校ではいつも悪役の絵ばかり描いている人や……
そして、そういう人たちと話してみて分かるのは、中学時代は居場所がなかったり、友達が少なかった人たちだったりするんです。
ーーそれまでは自分自身に対してどのようなイメージを持っていましたか?
タガ:症状があることで、自分は普通じゃないと思っていました。
悲劇のヒロインというか、普通の人とは違う症状があって「可哀そうな人」というイメージでした。
ただ、高校に入ってからそんなことはどうでもよくなりました。
それはやっぱり、周りの人が、自分のやりたいことを持っていて、それが輝いて見えたからだと思います。
だから私の症状がどうこうというよりも、私は何がやりたいのかを知ることの方が大事でしたね。
そして自分のやりたいことを見つけて、そのことに集中しているうちに、自分の症状が全然気にならなくなったんです。
自分といった内向きに焦点を当てるのではなく、外の世界に目を向けることの大切さを教えてくれています。
僕らの知ってる世界は狭いもので、本当は世界は広いのです。
そして、自殺は絶対にいけませんね。
(『自殺って言えなかった。』(あしなが育英会):遺された遺族の想像を絶する苦しみ)
タガさんは苦しい中学時代を経験しましたが、踏ん張ることで楽しい高校生活を迎えられたのです。
苦しみのどん底を楽しむ(武田信子)
全身型円形脱毛症:頭部の円形脱毛から始まり、全身の体毛が抜け落ちていく症状。
ーー世の中には、自分の外見の症状やコンプレックスを受け入れられずに悩む人もたくさんいますが、そういう人はどうしたらいいのでしょうか?
武田:とことん悩み抜いたらいいと思うんです。
私も、バスガイドを辞めたとき、これからはもうどんな仕事にも就けないんじゃないかと思って色々な人に相談しました。
泥酔してホームレスの人に相談したこともあったんです。
ただ、あのときは、とにかく色々な人に話を聞いてもらいたかったんです。
私は本当につらくなる前に、周囲の人に「助けて」と言えるタイプなんですよね。
それが良かったんだと思います。
ーーこれまで武田さんのお話を聞いてきて、積極的に行動することは、見た目の症状や悩みを超える大きな力になると思ったのですが、頭では理解できてもなかなか実行に移すことは難しいと思います。
積極的になれない人はどうすれば行動を変えることができるのでしょうか?
武田:人生はダメでもやり直しがきくということです。
世の中でやり直しがきかないことなんてありません。
仕事を辞めたって新しい仕事を探せばいい。
結婚してダメなら離婚すればいい(笑)。
みんなが思っているよりも、世の中はやり直しがきく。
だからやっちゃえばいいと私は思います。
苦しい時に、自分1人で抱え込まないことがまず大切ですね。
(自殺願望、冬は最悪…元『ハリポタ』子役、うつ病を告白)
マジメで頭で考えがちな人ほど、自分の殻にふさぎ込みがちです。
自分1人で考えることはもちろん大切なのですが、「三人寄れば文殊の知恵」です。
人に相談すると、自分では考えつかなかったようなアイデアをもらえることがあります。
そして、一度ダメでもやり直しが効くのです。
もっと気楽に人生に臨んでみても良いのかもしれません。
自分を輝かせてくれる場所は必ず見つかる(笠本明里)
アルビノ:生まれつきメラニン色素をほとんど作ることができず、皮膚が白くなり、体毛は白や金色、目の色はうすい茶色や青色などになる。
ほとんどの場合、視覚障害を持つことになる。
ーー笠本さんは現在、企業に勤めながらパラリンピックを目指していますが、就職活動はどういった感じで行いましたか?
笠本:私の場合は、就職活動が大変だったという印象はないですね。
そもそも見た目が問題にされるような会社に入ろうとは思いませんでした。
たとえば面接で「髪を染められますか?」とか「接客は大丈夫ですか?」と聞かれてその場では「できます」と答えたとしても、結局会社に入ってから苦労すると思うんです。
だから私は、最初から嫌な思いをすると分かっている場所に無理やり行くよりも、自分に合った場所を探すことを頑張ることにしたんです。
そして、そういう場所は必ずどこかにあると思っていました。
ーーもし、アルビノの症状がある人生とない人生、どちらかを選べるとしたらどちらを選びますか?
笠本:難しいなぁ(笑)。
まず、この症状がなかったらパラリンピックには出合えてないですよね。
今の私にとってパラリンピックのない人生は考えられない。
そして、この症状があることで人にはできない経験をさせてもらっているという気持ちもあります。
この見た目で良かったことがあるとしたら、それはやっぱり人に覚えてもらえるということでしょうね。
そういう意味ではアルビノに悪い人はいないと思います。
ーーといいますと?
笠本:悪いことしても目立つからすぐにバレますよね?
ーーなるほど(笑)。
苦しみを力に変えるということ。
障害を価値に変えるということ。
(『バリアバリュー 障害を価値に変える』(垣内俊哉):”明けない夜はない”ということ。)
そしてユーモアを忘れないということ。
(「笑う門には福来る」~笑いがもたらす4つの効果~)
悩みを乗り越えるヒントを教えてもらえた気がします。
コミュニケーションの苦手な人が気づくべきこと(三橋雅史)
単純性血管腫:境界がはっきりしているアザで、赤やピンク、黒色のものなどがある。
三橋:思春期のころからアザのことがすごく気になりだして、どんどん卑屈になってしまいました。
きっと私のような人間から話しかけられても誰もうれしくないだろうと思って、自分から話しかけることをしませんでした。
ーーその後はどうされましたか?
三橋:ずっと部屋に引きこもっていました。
もう、本当に何もしていませんでした。
当時は、自分の人生なんてどうなっちゃってもいい、なんなら死んでもいい、くらいに思っていました。
三橋:私は、自転車旅をするまで、「自分はコミュニケーションが苦手」で「人と話をしたくない人間」だと思ってたんですね。
でもそれは違ってて、本当は、人と話したいという欲があったんです。
でも、今までは人と話す経験が少なかったし、顔のアザが気になって自分から話しかけていなかったから、コミュニケーション能力が育っていなかったんです。
ただ、これは私はいつも考えていることですが、「顔のアザが相手に不快感や違和感を与えるのは仕方がない」ということです。
そして顔のアザは私には変えることができない。
しかし、そのあとの会話や行動で印象を変えていくことはできます。
いつもそういう考えで面接に臨んでいました。
人は(本人が気づいてなくても)話を聞いてもらいたいものです。
そして、会話や行動で印象を変えることも出来ます。
自分はコミュ力がないからといって塞ぎ込むのではなく、外の世界に目を向けて、どんどん関わっていくことが大切ですね。
起きてしまった「失敗」を、その後の人生にどう生かすか(村下優美)
ロンバーグ病:顔の片側の筋肉や骨が徐々にへこんだり縮んでいく原因不明の病気。
村上:会社に入って色々な人と接して気づいたのは、顔に症状がない人でも、もちろん色々な悩みを抱えていて、そもそも自分の状態を他の人と比べることには意味がないと思うようになりました。
人はそれぞれつらい経験をしているし、その人にはその人の悩みがあるし、私には私の悩みがある。
また、10の症状に対して1の苦しみを感じる人も、1の症状に対して10の苦しみを感じる人もいるでしょう。
だから最終的には、自分がどういう行動を取るかは、「自分が何を得られるか」で判断すればいいと思いました。
悩みを抱えているのは自分だけではありません。
誰もがそれぞれ悩みを抱えています。
その大小を比較しても、何も意味がないし疲れるだけです。
不幸の数を数えても仕方ないということを教えてくれています。
「今」の状態で出来ることをこなすだけですね。
深い悩みの中で、どうやって前を向くか(石田祐貴)
トリーチャーコリンズ症候群:顔の頬骨、顎骨がうまく形成されず、聴覚障害や呼吸障害などを併発する場合もある。
ーー中学生になってからは、症状に対する考えは変わりましたか?
石田:中学生くらいになってくると、自分が、というより、近くにいる人に申し訳ないという気持ちが強くなってきましたね。
友達や、両親もそうですけど、自分と一緒にいると周囲からじろじろ見られたりすることが多くなるので、嫌な気分になるんじゃないかと不安に思うようになりました。
そういう気持ちは今もあります。
ーー思春期になると女性を意識し始めると思うのですが、症状があることは何か影響しましたか?
石田:ああ、それはありますね。
友達が女の子と付き合ったりしているのを見ながら、「自分は絶対女の子と付き合ったりできないだろうな」と思っていました。
ーーそういう気持ちは今もありますか?それとも変化しましたか?
石田:高校のときに彼女ができてから変わりましたね。
もし今、女性に積極的になれない場面があるとしても、症状が原因というよりは、自分の心の問題だと思えるようになりました。
ーー高校時代に付き合っていた女性は石田さんについてどう言っていましたか?
たとえば、どういうところが好きだとか……。
石田:どうなんでしょう(笑)。
ただ、内面が好きだということは言ってくれていましたね。
よく世の中では「人間は外見じゃなくて中身が大事だ」みたいなことが言われますが、「そんなことあるわけないだろ」と思っていました。
結局、人は見た目で決まるじゃないかと。
でも、彼女と出会ったことで「ああ、本当に内面を見てくれる人がいるんだな」と思えるようになりました。
彼女に出会えて本当に良かったと思います。
悩みをプラスに捉える考え方をして前進されています。
世の中では色んな人がいて、必ず自分を理解してくれる人がいるものです。
そんな人に出会えるように、自身の人間力を磨きたいですね。
おわりに
記事が長くなりましたが、本当にオススメしたい一冊なので、長くなってしまいました。
しかし、記事の内容はあくまで一部です。
本書では、症状との向き合い方や対策なども丁寧に書かれています。
随所に水野さんの鋭い取材後記もあって、さすがベストセラー作家さんだなと思いました。
誰でも悩みはあります。
僕にもあなたにも。
今ある不快な悩みや症状をプラスに変えられないか考えること、そして諦めないことが大切ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
青年A