うつ、顎関節症を治そう

~患者(私)の体験記と克服法について~

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援助が必要なことを知らせる「ヘルプマーク」│うつ患者は使いにくいと思う

   

うつとヘルプマーク

こんにちは、青年A(@seinen1234)です。

皆さん、ヘルプマークって知っていますか?

僕は昨日まで知りませんでした。

東京都が始めた取り組みで、援助が必要なことが外見では分からない人が支援を受けやすくなることを願って作製されたマークです。
(詳しくは後ほど)

精神障害者もヘルプマークを貰って提示する権利があります。

しかし僕は、うつを始めとする精神疾患患者はヘルプマークを使いにくいと思います。

精神疾患にかかった人の多くがそう思うんじゃないでしょうか?

なぜそう言えるのか、をうつ経験者の僕がお話していこうと思います。

本日もよろしくお願い致します。

ヘルプマークとは?

ヘルプマークは、外見から援助が必要だと分からない人が適切な援助が受けられるように作成されたマークです。

赤色ベースに十字とハートマークがデザインされたマークとなっています。

義足や人工関節をつけている方、心臓機能障害などの内部障害や精神障害者、妊娠初期の方などが対象者ですが、調べてみた限り、対象者の厳格な決まりはなさそうです。

障害者手帳の有無は問いませんし、申請書や印鑑も不要です。

2012年に東京都が始めた取り組みで、そのあと岐阜県・京都府・和歌山県・徳島県・青森県・奈良県へと広まっていきました。

ヘルプマークの配布場所は都道府県によって異なるので、「お住まいの都道府県名 ヘルプマーク」などで検索すると良いでしょう。

ちなみにヘルプマークは、本人が使用する場合は自作してもOKです。

以下のサイトに詳細が載っているので、興味のある方は一読されると良いでしょう。
ヘルプマークが入手できない、そんな方へ ~ヘルプマークの作り方~

ヘルプマークを持つメリット

ヘルプマークを持っているからといって、決められたメリットが受けられるというものではありません。

電車やバスで席を譲ってくれたり、満員電車で押されにくかったりといったところでしょうか。

災害時は効果を発揮するかもしれません。

ヘルプマークに緊急連絡先や必要な支援内容を書いておけるからです。

外見だけ見ても分かりませんが、支援者がヘルプマークを確認することで必要な処置ができるという事です。

そういう点では「おなかに赤ちゃんがいます」のマタニティマークに近いかもしれません。

僕は週5で電車に乗りますが、マタニティマークをつけた女性がいらっしゃったら席を譲りますし、できるだけぶつからないように注意しています。

しかし、現時点ではマタニティマークほどの知名度はありません。

今後、このヘルプマークがどう活用されているのか注目しています。

精神障がい者には使いにくいマークだと思う

ヘルプマークを知ったとき、僕は「精神障がい者はヘルプマークを使いにくいだろうな」と思いました。

理由はこうです。
(うつ病を例にします)

1.精神障がい者だと分かるとネガティブな見方をされてしまう可能性があるから

2008年時点でうつ患者は100万人を超えており、現在はもっと多い状況です。

うつなのに病院を受診していない人を含めると、日本だけで300万人を超える患者がいてるありふれた病気です。

しかし、周りに「うつ」を公言している知り合いがどれぐらいいるでしょうか?

本当に少ないと思います。

みんな「うつを隠して生活しているから」です。

もっとも、個人情報なので公言する必要は全くないのですが、インフルエンザや骨折などとはわけが違います。

インフルエンザにかかったり、骨折したりすると、周りに伝えるでしょう。
(というより周りが気づくでしょう)

そして周りは「お大事に」と言ってくれます。

しかし、うつをはじめとする精神疾患の場合はどうでしょうか?

・頭がおかしくなったのかな?

・急に意味不明なことを言われたりしないかな?

・急に襲ってきたりしないかな?

・雰囲気が暗いから近寄りがたいな

・気合が足りないんじゃないか?

…といった思いが自然に沸いてこないでしょうか?

確かに、上記はうつ病の”症状”なので、そういったことがあるかもしれません。

インフルエンザで高熱が出たり、骨折で患部が腫れたりするのと同じです。

同じですが、精神疾患の場合はどうしてもネガティブな見方をされてしまうことがあるんです。

そういった見方を患者が察知し、苦しめてしまいます。

患者はそういう見方をされないように、うつを隠して生活しています。

うつだと分かると面倒だからです。

2.職を失う可能性があるから

お薬でうつ症状を抑えながら仕事をしている人はたくさんいます。

そういった方々がヘルプマークをつけて職場に知られるとどうなるでしょうか?

職を失う可能性が出てきます。

うつだと分かった後に仕事でミスすれば、

・やっぱり精神障害だから頭がうまく働かなくてミスするんだ

・コミュニケーションがとりにくいのは精神障害だからか

などど、根拠もなく精神疾患と仕事を紐づけられる可能性があります。

人間は不合理な生き物だからです。
うつ、人間関係でお悩みの方へ~気にすることなく善を行いなさい~

そうなると、職場に居づらくなって仕事を辞めてしまうかもしれません。

また、精神疾患を公言していると、通常の就職活動で仕事に就くのが難しくなります。

もっとも、精神疾患の方に職がないというわけではありません。

そういった方を支援する団体や人材紹介会社、仕事があるからです。

しかし、それが自分の就きたい仕事ではない可能性はあります。

僕はここで、うつを公言しないほうがいいと断言するつもりはありません。

しかし仕事という面でも、うつ病を告白するのは大きな人生の決断だという事を知っておいて欲しいなとは思います。
うつをカミングアウトして働くべきか?│僕が告白しなかった4つの理由

3.してもらいたい支援がないから

これは人にも寄りますが、うつの時の僕の場合は、他の人にしてもらいたい支援はありませんでした。

ヘルプマークは外出時に着用します。

電車やバスで(座れるに越したことはありませんが)、何が何でも席に座る必要はありませんし、いきなり吐血するような病気でもありません。

症状をすべて取っ払ってほしいですが、それは無理でしょう。

投薬と十分な休養、環境調整といった治療をしていく他ありません。
うつ治療まとめ

人工関節の方がヘルプマークを持つことで人との接触を防げるといったことには効果的ですが、うつを始めとする精神疾患に対する外出時の援助はあまりイメージができませんでした。

おわりに~うつの人に、経済的な支援を~

何事もそうだと思いますが、メリットとデメリットを天秤にかけた時、デメリットのほうが大きければ可決しないでしょう。

今回のヘルプマークは、うつの人にはデメリットのほうが大きい気がします。

もっとも、人によってメリットとデメリットは違うので一概には言えません。

なので、精神疾患だけどヘルプマークを持っている方がいらっしゃったら、ぜひコメントをお願いしたいと思います。

僕はヘルプマーク自体を否定はしていません。

視覚障害や聴覚障害、目に見えない病気で支援を必要としている人には有効でしょう。

しかし、うつをはじめとする精神疾患の方は使いにくいと言うのが僕の意見です。

それより、「うつの人には経済的な援助」が何より必要です。

傷病手当金や失業保険、自立支援医療制度があるといっても心細い金額ですし、2,3年と貰えるものではありません。

中程度以上のうつ病になると治療が長期化することが多く、3か月やそこらで治ることは稀です。
ウィキペディアのうつ情報を信用してはいけない:うつが勝手に治るわけがない

うつを公言すると保険にも入りにくくなると聞きます。

15人に1人がうつ病を経験すると言われる現代なので、なんとかしてうつ病患者の経済援助の充実を国にお願いしたいと思います。

僕はうつを経験してそう思いました。

減りゆく貯金に青ざめたものです。

そうして多くの人が(治ってないのに)職場復帰して再発してしまうんでしょう。

再発というより治っていなかっただけです。
「うつ」の再発を恐れないで!:たった1つのその理由

皆さまの健康を願って本日も終了とさせていただきます。

ありがとうございました。

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