『私の財産告白』(本多静六):投資と節約の本質が書かれた50年前の名著(本当におすすめ)
目次
金持ちになるには、まず節約から
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
投資や節約に興味のある方…『私の財産告白』という本をご存知でしょうか?
貧しい家に生まれながらも「月給4分の1天引き貯金」を続けて巨万の富を築いた本多静六さんの著書です。
(サラリーマンです)
ただ、貯金だけで億万長者になったわけではありません。
(内容は口述します)
多くの投資家に支持されていて、投資&貯蓄の普遍的な内容が書かれています。
本当にオススメなので、次のような方に読んでほしいと思います。
・お金について学ぶのが初めての方
・知らず知らずお金を使ってしまう方
・貯金が苦手な方
・富を築く原理原則が知りたい方
難しい話は全くなく、中学生でも理解できる内容です。
それでは本書の一部を抜粋してご紹介していきますので、本日もよろしくお願い致します。
『私の財産告白』
貧しかった本多静六
私は少年時代から学生時代にかけて、ひどい貧乏生活をつづけてきた。
そうして、貧乏なるがゆえに深刻な苦痛と堪えがたい屈辱をなめさせられてきた。
そこでまず、なんとしてもこの貧乏生活から脱却しなければ、精神の独立も生活の独立もおぼつかないと考えた。
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた。
人間、追い詰められないと必死になりにくいのかもしれません。
僕もうつ病で仕事を失ってはじめて、お金と貯金の大切さを思い知らされました。
(入社1年で退社が決定)
それまでは学生だったのでお金は親が出してくれるし、遊ぶお金はバイト代でまかなっていました。
給与が入ればすぐに服や飲み会代に使ってしまい、妹に貯金額を追い越されるほどお金が貯まりませんでした。
そして就職して上京した後、事態は急変。
過労と心労でうつを再発したのです。
働けないからお金が入らない。
毎月減っていく貯金が怖くて眠れなかったことを未だに思い出します。
その経験からお金の大事さを知って今に至ります。
本多静六さんは幼い頃は相当に貧乏だったようです。
そこで、貧乏から脱出するため、積極的に節約していくことを決意されたのです。
まずは貯金。「4分の1天引き貯金法」
そこで断然決意して実行に移ったのが、本多式「4分の1天引き貯金法」である。
苦しい苦しいで普通の生活をつづけて、それでもいくらか残ったら…と望みをかけていては、金輪際余裕の出てこようはずはない。
収入があったとき、容赦なくまずその4分の1を天引きにして貯金してしまう。
そうして、その4分の3で、いっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。
すなわち、1か月58円の月給袋から、いきなり4分の1の14円50銭也を引き抜いて貯金してしまう。
そうして残りの43円50銭で一家9人の生活をつづけることにしたのである。
苦学して大学教官となった本多さんだが当時結婚していて、かつ周りに寄食者がふえて、いつの間にか9人になっていたといいます。
そこでまずは、月給を強制的に貯金する方法を実行されました。
また、臨時収入はすべて貯金に回したそうです。
貯金=通常収入×1/4+臨時収入です。
この方法は現代でも有効ですよね。
「余っていたら、使ってしまう」のが人間です。
お給料が入ったら、はじめから無かったものとして一定のお金を貯金してしまう。
これがお金を貯める最大のコツです。
「お母さん、今夜も胡麻塩?」などと泣き顔をみせる子どもの姿を見るのは断腸の思いだったそうですが、歯を食いしばって頑張ったのです。
このやり方は目新しいものではなく、僕も小さい頃に母から教わりました。
しかし、やっていませんでした(笑)。
やらないと、貯まりません。
今の僕は、給料強制貯金をしています。
本多さんは家族がいたため月給の4分の1を貯金されていましたが、独身の会社員だともう少し貯金できそうです。
僕は独身で実家暮らしなので、月給の3分の1を貯金しています。
まずは貯金しないと、誰もお金持ちにはなれないということでしょう。
何人も「貯金の門」をくぐらずに巨富には至り得ないのである。
貯金ができたら、投資する
ブレンタノ博士は、さらにこういうことをいわれた。
「財産を作ることの根幹は、やはり勤倹貯蓄だ。
これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものはこしらえられない。
さて、その貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。
貯金を貯金のままにしておいては知れたものである。」
ブレンタノ博士はドイツ留学中にお世話になった財政経済学の先生で、とても尊敬していたようです。
その先生から言われたのが「お金が貯まったら、投資せよ」という言葉です。
確かに、貯金は大切ですが、貯金で貯まるお金では大金持ちどころか小金持ちにもなれませんね。
(毎月の収入が多い方は別ですが)
貯まったお金を元に投資するのが第二ステップです。
貯金→投資→貯金→投資…のサイクルを生み出すことで、お金は増え続けると教えてくれています。
そこで本多さんは、ご自身の研究分野である「山林」に投資し始めて成功の階段を昇っていくことになります。
そのお金で、今度は秩父の山奥の山林買収に着手した。
鉄道からは遠く、道路もほどんど皆無で、その開発に手がなく、税金ばかりかかって只でももらい手がないというほどの有様だった。
ところへ、日露戦争後の好景気時代がやってきた。
木材の思わぬ大値上がりで、しかも漸次搬出の便宜もととのえられてきた。
そこで、その立木だけを一町歩二百八十円宛で一部を売ることにした。
正に買値の七十倍である。
これだけを見ると、本多さんは投資ですぐに成功して億万長者になったように見えますが、そうじゃありません。
本書では失敗談もたくさん書かれていますので、そのあたりはお読みいただければと思います。
どちらにせよ、節約と貯蓄は本当に大切ですね。
お金を殖やす基本です。
しかし、貯蓄だけでは限界があるということを同時に教えてくれています。
貯金と投資のサイクルを回し続けることがお金を殖やす秘訣ということです。
小さいお金をちょっとずつ大きくして回していくんです。
本多さんは次のように語っています。
とにかく、金というものは雪だるまのようなもので、初めはホンの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる。
少なくとも、4分の1の天引き貯金を始めた私の場合はそうであった。
これはおそらくだれがやっても同じことであろう。
本職以外のアルバイトをする
勤労生活者が金を作るには、単なる消費面の節約といった、消極策ばかりでは十分ではない。
本職に差し支えない限り、否本職のたしになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトにつとめることである。
私のアルバイトは、「1日に1頁」の文章執筆の「行」によって始められた。
勤労生活者…現代でいうサラリーマンは副業をせよという意味合いです。
利益=売上ー経費なので、経費を減らす節約ばかりでなく、売上を高めようという事ですね。
それも「本職の足しになる」事柄を選ぼうと仰っています。
そうすることで本職の能力も上がり、昇給や昇格が見込まれるからでしょう。
本多さんは学者なので、執筆を選ばれました。
僕はWEBマーケターなので、このブログを書いています。
収入といえるほどではないですが、ちょっとは生活の足しになっています(笑)
堅実な「投資」をせよ
それは断じて「投機」ではない。
「思惑」ではいかん。
あくまでも堅実な「投資」でなければならぬのだ。
お金を早く増やしたいからとって、ハイリスクやリスクの分からないものに手を出してはいけないということでしょう。
本多さんの具体的な投資法は本書に細かく書かれているが、投資の理念や考え方は上記で徹底されておられた。
財産の処分が一番むずかしい
いったい、財産をつくる目的の最初は、だれしも生活の安定とか、経済の独立とかにおかれるものであるが、それがいつしか、「子孫の幸福」につながる親心に発するものとなってくる場合が、大部分である。
僕の場合はまだまだ全然お金がないので、子孫の幸福とか考えられる余裕はありません。
おいしいご飯が食べたいという自分のエゴのレベルです(笑)
しかしお金を持ち始めると、財産をどうするかという問題に直面するようです。
親としては子どもにお金を残して幸せになってもらいたいと思いますが、これは間違った考えだと本多さんは気づきます。
私もわが子孫の幸福について考えるに、まず子孫を健康に育て、完全な教育を施し、かつ相当な財産を分与してやりさえすれば、それで十分幸福にさせられるものと早合点したのである。
これははなはだ間違った考えで、最後の相当な財産の分与などは全く顧慮する必要がなく、それはかえって子孫を幸福に陥れるものだと漸次気付くに至ったのである。
親の遺産相続問題で家族が解散したり、財産問題で殺人事件が起きたりする話をしばしばニュースで見かけます。
財産を子孫に残すといった考えは不要だと本多さんは語っておられ、ご本人は財産の大半を寄附する形を選ばれました。
財産の処分は本当に難しい問題であることが本書から読み取れます。
本多さんの最後の財産処分法は潔く、なかなか他の人は真似できない立派なものでした。
おわりに
『私の財産告白』は雑誌「実業之日本」に連載したものをまとめたもので、1951年に書かれたと言われています。
50年も前の本ですが、いまだに投資&貯蓄を心がける方々に読まれる名著です。
(↑の画像は僕の本と異なりますが、リンクをクリックして文庫を選ぶと同じものとなります)
それほど投資と貯蓄の本質が書かれているから読み続けられるということです。
浪費を避けて貯蓄に励み、そのお金を投資していけたらと思います。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。
青年A