ウィキペディアのうつ情報を信用してはいけない:うつが勝手に治るわけがない
目次
「治療の有無に関わらず時間が解決することが多い」なんて、真っ赤なウソ
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回は、「ウィキペディアのうつ情報を鵜呑みにしてはいけない」というお話です。
ネット上の百科事典として有名なウィキペディア。
皆さんも利用したことがあるでしょう。
正しい情報も多いですが、間違った情報が載っていることも少なくありません。
本日は「うつ病」というウィキペディアの説明が正しくない部分を中心にお話していきたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。
そもそもウィキペディアとは?
ウィキペディアはご存じの通り、インターネット上の百科事典です。
調べもので使われることが多く、誰もが無料で編集できるウェブサイトとして有名ですね。
「ウィキペディアとは?」とウィキペディアで検索すると次のように書かれていました。
専門家によるオンライン百科事典プロジェクトNupediaを前身として、2001年1月、ラリー・サンガー(英: Larry Sanger)とジミー・ウェールズ(英: Jimmy Donal “Jimbo” Wales)により英語でプロジェクトが開始された。
ウェブサイトには広告は一切掲載せず、資金的には個人や団体などからの寄付により運営している。
記事の自由な複製・改変を認める「GFDL」というコピーレフトなライセンスとインターネットを通じ自由に文章の編集が行えるウィキシステムを採用し、誰もが新規記事の執筆や既存の記事の編集を行えるようになっている。
参加者の共同作業で記事は日々追加・更新され、記事のジャンルは幅広く、一般の百科事典には見られないような項目も収載されている。
資金は寄付で運営しているんですね。
だからでしょうか、最近寄付の依頼が多いですよね(笑)
既存の事実かと思いますが、ウィキペディアは情報の信頼性を保証していません。
これがウィキのうつ情報を安易に信用してはいけないゆえんなのです。
基本的に専門家による査読がなく、不特定多数の利用者が投稿するというシステムゆえに、情報の信頼性・信憑性や公正性などは一切保証されておらず(Wikipedia:免責事項)、ウィキペディアの方針に沿わない利用者の編集により問題が起こることもあり、いくつかの問題や課題も指摘されている(詳細は問題点の節を参照)。
ではウィキペディアで信用してはいけない情報をご紹介していきます。
※なお、2017年10月2日現在のうつ情報のため、今後編集される可能性はあります。
信用してはいけないウィキペディアのうつ情報
1.抗うつ薬が必要ないと思われがちな情報
2009年、プラセボ効果を研究するハル大学のアービング・カーシュ博士は「心理療法のみの場合と、心理療法と抗うつ薬を併用する場合の効果の大きさは同じなのだから、なぜ、わざわざ抗うつ薬を持ち込む必要があるのだろうか」と述べている。
両方を併用すれば、抗うつ薬だけを服用するより効果があるが、心理療法を単独で行う以上の効果はない。
これはアービング・カーシュさんが言ってるだけです。
中程度以上のうつ病には抗うつ薬は必須です。
うつは脳内の何らかの異常で起きていて、気の持ちようなんかで治らないのです。
(うつはこころの病気というよりカラダの病気だと思う)
2.治療しなくても治ることが多いという情報
大うつ病は、治療の有無に関わらず時間が解決することが多い。
うつの外来患者リストの10 – 15パーセントは数ヶ月以内に減少し、約20パーセントはもはやうつ病基準を完全には満たさない。
エピソードの中央値は23週と推定されており、最初の3ヶ月間で回復する率が最も高い。
3か月で治るなら、こんなにうつ病で苦しむ人がいるはずがないでしょう。
3か月で治る人もいるにはいます。
それは「心身の不調→精神科受診」がスムーズにいった人達です。
そんな人たちは非常にまれです。
たいていは内科や整形外科、婦人科といったドクターショッピングをしたあと、最後に心療内科・精神科を受診します。
(ドクターショッピングの日々~歯医者を中心に~)
まさか自分がうつ病だなんて思わないからです。
・体が重い
・首、肩が凝る
・やる気が出ない
といった症状から始まり、体のどこかが悪いんじゃないかと考えてしまうからです。
実際、WHOはうつ病の未治療率を56.3%と推定しているようで、うつなのにうつの自覚がない人が大勢おられるという事です。
「うつに治療は不要、うつは勝手に回復する」と思われそうな記述を早く消してほしいものです。
うつがそんなに早く治らなくても落ち込む必要はありませんよ。
(うつ病の症状に対応する5つの心構え:時間を味方につけるということ)
3.光トポグラフィー検査がうつと双極性障害を見分けられるという情報
光トポグラフィー検査 (NIRS) によって、抑うつ症状の鑑別診断の補助に用いる。
近赤外光によって、大脳皮質の血液量変化を推定することによって、約7 – 8割の精度で、その抑うつ症状が、うつ病のものか、双極性障害あるいは統合失調症のものかを判別するため、鑑別診断の補助検査として用いることができる。
補助と書かれていますが、一般の方は誤解する記述でしょう。
光トポグラフィーでうつ病と双極性障害を正確に鑑別することなんてできません。
(光トポグラフィー検査(NIRS)とは?:オススメできない7つの理由と精神疾患の検査法)
光トポにだまされる患者さんが続出しています。
もっともらしい光トポの検査結果を見せられて高額な治療費を請求されたりするんです。
うつ病学会も異例のコメントを発表して注意を促しています。
(日本うつ病学会が光トポグラフィー検査について異例のコメント│検査結果に惑わされないで!)
僕も光トポグラフィーを受けたことがありますが、騙されてはいけませんよ。
鑑別「補助」器具でしかなく、その精度も低いのです。
保険適用になったのは、政治が関与したらしいですし。
(【うつの問診】うつは脳の形態異常ではなく機能異常│光トポグラフィーの裏話)
おわりに
「うつ病」と検索すると、上のほうにウィキペディアのうつ病が掲載されています。
一般の方はそれを見て、うつ情報を鵜呑みにしてしまうかもしれません。
そうならないために記事を書きました。
うつ治療については「うつ治療まとめ」に書いていますので、またご覧ください。
うつ情報は公的な機関の情報を参考にするのが良いでしょう。
うつ患者さんが間違った情報に惑わされることなく、ゆっくりと安心して治療が進むことを願って本日も終了とさせていただきます。
ありがとうございました。
青年A