うつ病を声で診断できるかもしれない│うつの客観的検査を目指す
2017/12/12
目次
音声感情認識技術が「うつ」を声で診断できるようにする?
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は健康百科さんで紹介されていた記事『「声」でうつ病が診断できる』の僕なりの解釈を書いていきます。
以前、「うつ診断に光トポ検査は役立つか?(下):検査結果の絶対視は避けていただきたいと思います」や「これからの「うつ」の話をしよう:未来のうつ治療と支援のあり方」で書いたように、現在うつ病を客観的に検査する手段はありません。
うつ病の原因がはっきりと分かっていないためです。
(「躁うつ病に挑む」(加藤 忠史)~うつの原因は脳由来神経栄養因子(BDNF)?~)
そのため、うつの原因究明や客観的検査手法の開発が各国でされています。
そんな中、「声」でうつ病を判断できるかもしれないという研究が発表されました。
今回、人の感情と深く結びついていると考えられる「声」のデータを使って、高精度にうつ病を診断できることが、経済産業研究所(東京都千代田区)などの共同研究グループにより明らかにされた。
どんな仕組みか詳しく見ていきましょう。
「声」は感情を表す
声は人の感情を表すため、人の声を分析して感情を識別する仕組みのようです。
今回、共同研究グループでは、「音声感情認識技術」がうつ病の診断に活用できるかについて検証した。
20~69歳の男女約2,000 人を対象に、2カ月おきに計3回、声を吹き込んでもらい、音声データを取得。
同時に、うつ病のスクリーニングに使われる自己記入方式の質問票に答えてもらい、うつ病の状態に関するデータを取得した。
音声データとうつ診断の質問票をデータとして入手します。
その結果、音声データを含まない「属性」だけによるうつ病の診断精度が中程度だったのに対して、音声データを取り入れた場合では、高精度の診断が可能となることが確認された。
要するに、質問票だけよりも音声データも活用したほうが、うつ診断の精度が上がる可能性があるということです。
同研究グループは、「一定時間を経過した対象者に対するうつ病状態の診断には、声感情認識のさらなる技術向上が必要だ」と前置きしながらも、「音声データを使うことで、高い精度でうつ病診断が可能であることを確認した。
まだまだ不十分で精度は高くないけど、今後の音声技術の進化によって、
声による「うつ」診断が可能になる日が来るかもしれません。
「声」で診断できるようになった時のメリット
声だけで診断できるようになれば、次のようなメリットが考えられます。
1.時間がかからない
うつ病と確定させるのは、熟練した医師でも所見で決めることは難しく、何度か診察し、経過を見て判断します。
その間、うつ患者は心も体も苦しまなければなりません。
しかし、声だけで判断できるようになれば、その心配はなく、瞬時に検査をすることができるでしょう。
2.客観的な検査で患者が安心する
客観的な診断結果を見れば、人はある意味安心することがあります。
例えば、骨折であれば、レントゲンを見れば、骨が折れていることが確認できます。
原因が分からないのに苦しむことが一番辛いのです。
うつ病には客観的な検査がまだないため、どうしても医師の判断が(ほぼ)絶対であるため、本当に自分がうつ病なのかそうでないのか患者は不安なのです。
(早く良くなりたいため)
うつ病の客観的検査が確立すれば、そういった心配もなくなるでしょう。
3.「うつ」の偏見が少なくなる
客観的な検査が確立すれば、「うつ病」の偏見が少なくなるでしょう。
誰がみても病気と分かるからです。
いまだにうつ病を甘えとか言われたりするのは、客観的な検査がないのが1つの原因です。
実は骨が折れてるのに、痛い痛いと言ってるだけなら「甘えだ」と言われるかもしれません。
しかしレントゲンを撮って折れていることが分かれば、誰も「甘え」とは言わないでしょう。
「声」に限らず、うつ病の客観的な検査手法を確立してほしいものです。
(うつが甘えじゃない理由:思い込みにとらわれてはいけない)
おわりに
いかがだったでしょうか?
日本だけでうつ患者は116万人を超えています。
しかし周りにそれほど多く「うつを患ってます」という人はいないのではないでしょうか?
みんな、隠しているんです。
・甘えと思われないか?
・変な目で見られないか?
・仕事や家族を失ったらどうしよう?
といった不安から、人に言えないのです。
(自殺願望、冬は最悪…元『ハリポタ』子役、うつ病を告白)
うつの人が安心して暮らせる世の中になることを願って本日も終了とします。
ありがとうございました。