うつ、顎関節症を治そう

~患者(私)の体験記と克服法について~

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「うつ病医療の危機」~うつ病診療がおかしな方向に向かっている~

   

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本日ご紹介する本「うつ病医療の危機」(宮岡等)は、今までご紹介した本とは全く見方の異なる本です。

一言で言いますと、「うつ病医療の問題点裏話を鋭く解説した本」です。

 

大きく3つの主張があります。
・診断基準(DSM,ICD)の限界
・製薬メーカーの抗うつ薬販売戦略
・抗うつ薬の安易な使用問題

製薬会社は「うつ病の範囲が広がることは客が増えることである」という
利潤追求の視点しかもっていないと感じることが少なくない。

と本文では述べられています。

この本は、「うつ病はこのように治療しましょう」とか
「このように考え方を変えましょう」といったハウツー本ではありません。

精神医学全般の問題点を指摘している本なのです。

しかし、難しい用語が使われているわけではなく、
医者でない僕でも読むことができます。

「今、精神医学ではこのような問題が起きている」といったことを
患者さんも理解しておくと、うつ病を俯瞰してみることができると思います。

もっとも、この主張が全てではありません。

詳細は「情報のウソ、ホント。見極める力~意見と事実の違い~」に記述しましたが、
そもそも世の中で絶対に「正しい」ことはない(少ない)のです。

こういった考え方・視点もあるのだなと勉強になります。

以下、「うつ病医療の危機」から一部文章を抜粋してご紹介いたします。

 

【他の病気の可能性はないのか】
・うつ病を疑わせる症状を有する患者をみて、「診断基準のうつ病エピソードの項目のみを聞き、
   あてはまるからうつ病と診断する」で終わっている医師が多いのではないか。

・うつ病エピソードの診断基準だけ掲載して、
  「3つ以上認めるならうつ病の可能性があります」などと記載しているのを見かける。

【精神疾患の診断について】
・昨今の診断基準では、面接時点での症状の特徴と重症度が重視され、
   生活史や発症前の環境と症状の関係が診断の根拠となることは少ない。

・かつて抑うつ神経症や反応性うつ病などという病名を用い、
 生活史や発症前の環境が診断のための必須情報であった時代とは隔世の感がある。

・性格や環境がどのように関係しているかの判断には、
   発症前後の状況を問診によって詳細に把握することが不可欠である。

【うつ病の混乱にどう対応するか】
・私自身が提案するのは、より詳細な生活史の聴取である。

・生活史の把握によって抗うつ薬療法以外の対応の必要性がみえてくることも少なくない。

【うつ病診断と生物学的マーカー】
・最近話題の生物学的マーカーはNIRS(近赤外線スペクトロスコピー)である。

・精神疾患領域において初めて、「うつ症状の鑑別診断補助」として先進医療の承認を得、
   2014年に保険診療として認められた。

・ところが最近、ある施設でNIRSを受け、印刷した画像を持参して
  「うつ病の可能性が高いと言われた」とか、「ずっと統合失調症として治療を受けていたが、
   双極性障害と言われた」と訴え、その治療をしてほしいと受診した患者に何人か出会った。

・詳細に面接してもNIRSが示唆する診断が正しいとは思えない経過や症状であった。

・検査の限界や的中率などについて、患者を混乱させない説明が必要であろう。

・その説明がまだ十分できないのであれば先進医療としての承認が時期尚早であったのかもしれない。

・よくわかっている研究者は臨床現場で用いることに慎重であるように思う。

<NIRS製品として「光トポグラフィー」が有名。光トポグラフィーについては
光トポグラフィー検査(オススメしません)」の記事を参照ください>

【まず必要なのは適切な診断である】
・「ゆううつだ」と抑うつ気分を訴える患者では、
   まず抑うつ気分以外の症状がないかを評価しなければならない。

・軽度の意識混濁、知能低下、幻覚、妄想などの存在は、
   他の精神疾患の鑑別や合併の可能性を考えるうえできわめて重要である。

・プライマリケア医がうつ病と診断してSSRIを処方したが改善しないとの理由で
   専門医に紹介された患者で、軽度の認知症患者が抗うつ薬の作用によってかえって
   ぼーっとした状態になっていたなどという症例は少なくない。

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(画像引用元:日本精神神経学会学術総会サイトより)

おわりに

うつ病は現在、客観的検査で判定できるものではありません。

そのため精神科医の問診力が非常に大切です。

心療内科・精神科の病院は非常に多く、
なかにはとんでもない多剤処方や誤診をしている医師も少なくないといいます。

敵を知り己を知れば百戦殆うからず」ということわざがあります。

うつ病を取り巻く問題全般を患者が知識として持っておくことをおすすめします。

本日もご清聴ありがとうございました。

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青年A

 


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