『その後のツレがうつになりまして。』(細川貂々):「ツレうつ」第2弾!ウツ夫と妻のうつ闘病エッセイ
2017/10/05
目次
『ツレうつ』続編!ツレのその後と3年間の闘病生活
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回ご紹介する本は、『その後のツレがうつになりまして。』です。
この本は、前回記事にした『『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記』の続編です。
第2弾ですね!
ちなみに、この「ツレうつ」シリーズは三部で構成されています。
1、『ツレがうつになりまして。』(細川貂々):必読の書!断トツで有名なうつ病闘病記
2、『その後のツレがうつになりまして。』(細川貂々):「ツレうつ」第2弾!ウツ夫と妻のうつ体験記←今日はここ!
3、『7年目のツレがうつになりまして。』
僕は全部読みました(笑)。
『ツレがうつになりまして。』(細川貂々)との違い
『ツレがうつになりまして。』(細川貂々)との大きな違いを(僕なりに)まとめてみました。
<違い>
1、うつ克服後の生活が綴られていること。
2、『ツレうつ』出版のいきさつが書かれていること。
3、薬代が安くなる方法が書かれていること。
4、うつ対処法がまとめられていること。
このあたりが、前作の『ツレがうつになりまして。』(細川貂々)との大きな違いです。
なので、次のような人にオススメです。
<こんな人にオススメ!>
・『ツレうつ』は読んだけど、その後の経緯を知らない方
・「こんな時は、こうしていた」という、うつ対処法が知りたい方
・薬代が安くなるなんて知らなかった、という方
(自立支援医療制度~医療費負担が1割に~)
・励まされたい方
・”早く治さないと”と焦ってしまっている方
こういう方にはぴったりの内容になっています。
前作同様、すっごく読みやすい文章とかわいい挿絵が特徴的で、疲れることなく読み進めることはできます。
いつものように心に残った箇所を抜粋します。
『その後のツレがうつになりまして。』の一部抜粋
【「あ」「と」「で」の話】
うつ病はつらいものだが、乗り切る秘訣として「あ」「と」「で」というモットーを考案した。
「あ」は「焦らない・焦らせない」という目標の頭の文字。
「と」は「特別扱いしない」ということだ。
「で」は「できること・できないことを見分けよう」ということだ。
そして「あ」「と」「で」というモットーは「あとで」という言葉にも結びつく。
病気のときは、未来のほうが必ず何か良くなっているので、後回しにして大丈夫なのだ。
【おわりに(ツレ)】
うつ病なんかになっちゃいました。
それでも、相棒は「病気になったことは恥ずかしいことでもなんでもない」と言い続けてくれた。
そうだ、人間は誰でも病気になるんだ。
たいていの人は重い病気を人生の後半にする。
そして死に至る道のりも病気のつらさと共にゆく。
病気を闘っているみなさんも、その病気を誇りに思ってください。
【おわりに(貂々)】
『ツレがうつになりまして』を出版した後に続編を出してほしいとたくさんの方に言ってもらえました。
でも私はなんとなく書きたくないなあと思っていました。
第2弾を出すともしかして第3弾も出てツレの病気は永遠に治らない気がしたのです。
でも、ツレの薬の服用が終わり、ツレなりの社会復帰をしていく様子を見て、「あ、うつ病はちゃんと治るんだ。だったらそのことを書かなくちゃいけないな」と思うようになりました。
つらかった時のことは時間がたてば薄れていきます。
今はのんびりと自分のペースで前向きに生きているツレを見て、私はこの人と結婚できて本当に良かったなと思えるのでした。
(『その後のツレがうつになりまして。』より)
『その後のツレがうつになりまして。』の評価(読んだ人の声)
『ツレがうつになりまして。』には240件以上のレビューがありましたが、『その後のツレがうつになりまして。』も80件以上ものレビューがあります(Amazon)。
それだけ多くの人に読まれ、支持されてる証拠ですね。
3つ抜粋してご紹介します。
[たとえ長引いても、うつは必ず治るという気になる本です]
人生は長いから……そういうことをこの本は教えてくれます。
また、うつに対する温かい視線が、前作同様に感じられて、うつで悩む人にとっては一服の処方箋にもなると思います。
「マンガ」ですが、下手な単行本よりずっと説得力もあります。
ツレさんとテンさんと、お話ししてみたくなりました。
[やっぱり、辛い]
やっぱり、ウツはつらいと思いました。
周りに、ウツの人がいたら優しく静かに見守てあげたいと思いました。
[ 「その後」を描いた、さらなる努力に敬意を]
快復の兆しで終わった前作ですが、その後にも長い闘病期間が続く。
それは、そんなに劇的な展開がある話じゃない。
日常生活の中で、行ったり来たりの繰り返し。
その期間こそが、今回描かれた話でしょう。
貂々さんのあとがきにもあるように、迷って出した、第2弾のようですが、うつの人や周りの人が、その遅々とした快復の歩みにくじけそうになった時に、再度、力づけられるように思います。
おわりに
僕も7年以上うつ病に苦しめられました。
(【闘病記】うつ病と顎関節症 )
いや、うつ病と分かる前からうつ症状に苦しめられたので、正確な年数はもはや分かりません。
この『ツレうつ』の物語を読むと、ツレは体調不良になって早い段階で”心療内科”を受診できたみたいで幸いだったと思います。
僕のように不定愁訴や自律神経失調症の症状に苦しんでいるにも関わらず、その原因がうつ病という”病気”だと気づかない人も多いのですから。
細川貂々さん(ツレの妻)は立派な人です。
焦らず、焦らさせずにツレを見守りました。
「早く仕事しろ」とか「生活がやばい」なんて言わずに、マイペースに治療に専念させてくれる人の存在がどれだけ大きいことか。
しかし、内心は「不安」だったはずです。
そういったツレと貂々さんの心境に思いを巡らせると、自然に涙が出てきます。
良書です。
うつでお困りの方は一読をオススメします。
本日もありがとうございました。
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