アサーショントレーニング④~「私メッセージ」を使って自分の気持ちを分かってもらおう~
2017/09/29
目次
「私メッセージ」…それは相手を非難することなく自分の想いを伝える手法
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
今回はアサーショントレーニング第4弾「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)についてご紹介したいと思います。
第1弾~第3弾は以下をご参照してください。
- アサーショントレーニング①~DESC法!あなたの想いを確実に届ける技法~
- アサーショントレーニング②~ABC理論(アルバート・エリス)を知って感情をコントロールしよう!~
- アサーショントレーニング③~「20答法」で隠れた欲求と悩みに気づこう!~)
「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)はどんなものかと言いますと、相手を非難することなく自分の想いを伝える手法のことを言います。
こんな経験をしたことはないでしょうか?
・言いたいことが言えずにモヤモヤした
・伝えたいことと違った意味で受け取られた(誤解された)
・旦那に直してほしいと言うと、すぐ無理だと言われる
・すぐ言い合いになってケンカしてしまう
こういったことは、誰でも日常的に起こるものかと思います。
笑って許せるなら問題ないでしょうが、そうはいかないこともあります。
そういった時、どのように伝えれば自分も相手もハッピーになれるのでしょうか?
お互いがハッピーになれる伝え方…それが「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)なのです。
気づかぬうちに「相手を責める伝え方」になっていませんか?
「相手は自分の鏡」といいますが、あなたが攻撃的になると、相手も攻撃的になることが多いです。
攻撃的になるというのは、手を出してきたり反論してきたりするだけではありません。
相手があなたの言う事を黙って聞いているように(表面的には)見えても、心の中ではあなたを攻撃していたりします。
「こいつ(あなた)何言ってるんだ、言うこと聞く必要はないな」
「いや、お前(あなた)が間違っている」
と思っていることもあります(沈黙の攻撃)。
その結果、あなたと相手の心の溝が広がって、ますますコミュニケーションが取りづらくなる、という悪循環に陥ってしまいます。
そしてあなたは、「原因は相手にある!」と考えて自分を守ろうとするかもしれません。
しかし待ってください。
もしかすると、あなたの伝え方に問題があったのかもしれませんよ。
ユーメッセージ(you message)になっていませんか?
相手を非難しているときは、ユーメッセージ(you message)になっていることが多いと言われています。
ユーメッセージ(you message)とは、「あなた(you)」を主語にしたメッセージです。
「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)の反対の表現です。
具体例をあげてみましょう。
<ユーメッセージ(you message)の具体例>
「きみは間違ってるよ!」
「早くしなさい!」
「こんな遅くまで何してたんだ!」
「言う事を聞きなさい!」
これらの主語は「あなた(you)」です。
「あなた」を主語にするということは、「あなたに~させる」とか「あなたに~してほしい」といった、「相手をこちらで動かす」表現になることが多いのです。
ユーメッセージ(you message)は相手の批難のメッセージとなることが多いです。
批難された相手は、
「いや、お前が間違ってる!」
「うるさい!」
「何時に帰ろうとおれの勝手だろ!」
「なんで言う事を聞かなきゃいけないんだ!」
と、あなたを拒絶したり、反発したりする結果となるのです。
そうならないために「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)を使うのです。
主語を「あなた(you)」から「わたし(I)」に変えるだけで伝わりやすくなる
「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)では主語を「私(I)」にして表現するようにします。
・ユーメッセージ(you messege)
「こんな遅くまで(おまえは)何してたんだ!」
・「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)
「帰りが遅くて(私は)心配したのよ」
ユーメッセージ(you messege)
「言う事を聞きなさい!」
・「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)
「すっごく大事なことだから聞いてほしい(と、私は思っている)」
このように、主語を「あなた」から「私」に変えるだけで、批判ではなく柔軟なニュアンスで相手に伝えることができるのです。
日本語では主語を省略することが多いので、必ずしも「私」を入れなくてもかまいません。
ただし、「すっごく大事なことだから聞いてほしい(と、私は思っている)」のように、「あなた」を主語にするのではなく、「わたし」を主語にして伝えるようにしましょう。
よくアイメッセージの本では、主語として「わたし」を入れる、と書いてあります。
しかし、そうすると不自然な日本語となることが多いのです。
「私の考えはあなたの考えと違います」
「私はあなたにもう少し急いでほしいのです」
「私はあなたにくわしく説明してほしいです」
「私はあなたが怖くて自分の意見が言えません」…
不自然だと思いませんか?
ですので、「私は」を省略してもかまいません。
しかし、ニュアンスとして「わたし」を主語にして伝えるようにしましょう。
アイメッセージは愛メッセージ
「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)は愛メッセージとも言われています。
相手を大切にした自己表現なのです。
どうしても注意しなければならない時や教えなければならない時はあるでしょう。
そういった時に、感情的で攻撃的に伝えてしまうと相手と良い関係性を築くことができません。
そうではなく、自分も相手もハッピーになれる表現(アサーション)で伝えることが大切なのです。
ユーメッセージ(you messege)と「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)の関係は、ちょうど北風と太陽の関係と似ているかもしれません。
あるとき、北風と太陽は力比べをしようとしました。
どちらが先に旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負です。
北風は力いっぱい風を吹かせて、力づくで上着を脱がせようとしました。
しかし旅人は風をしのぐために、かえって上着を強く押さえて脱ごうとはしませんでした。
一方、太陽はじんわりと旅人の体を温めました。
すると旅人はぽかぽかとして気持ちよくなり、自分から上着を脱いだのです。
これで、勝負は太陽の勝ちとなりました。
北風がユーメッセージ(you messege)で太陽が「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)ですね!
相手に気持ちよく動いてもらいたいものです。
相手に「愛」をもって伝えることが大切なのです。
おわりに
アサーショントレーニング第4弾「私メッセージ」(アイメッセージ、iメッセージ)はいかがでしたでしょうか?
「私」を主語にすることで、相手を非難することなく自分の想いを伝えることができる、というのが今回の内容でしたね。
また「私」を主語にすることで、「自分で自分の想いに気づくことができる」という効果もあります。
頭の中でグルグル考えるのではなく、言葉にすることで自分の気持ちが分かるということです。
ぜひ、実践してみてください。
そして効果を確かめてください。
本日もありがとうございました。
P.S
このアイメッセージは、アメリカの心理学者「トマス・ゴードン」が『親業』という本の中で初めて紹介したものとされています。
数千人に指導した実績もあり、全米では教員免許のプログラムとしても採用されている理論です。
根拠に裏打ちされたものですので、ぜひ一度トライしてみてくださいね^^
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