うつ、顎関節症を治そう

~患者(私)の体験記と克服法について~

*

「うつ病の誤解と偏見を斬る」(坂元 薫)~まちがった情報にまどわされないで!~

      2016/02/04

 

うつ病の誤解と偏見を斬る

精神医学の問題点を知っておいてほしい

以前、「「うつ病医療の危機」~うつ病診療がおかしな方向に向かっている~」という本を
ご紹介しました。

今回の「うつ病の誤解と偏見を斬る」も同じく
うつ病医療の問題点と裏話を鋭く解説した本となります。

 

うつ病医療の危機」との違いは4点です。

1、「現代型うつ病」の誤解と偏見を斬っている

2、双極性障害の見逃しと過剰診断を斬っている

3、名医とヤブ医者の違いを教えている

4、マスメディアの策略と光トポグラフィー検査の限界を指摘している

 

著者の「坂元 薫」先生は精神医学分野で非常に有名な先生です。

以前「坂元 薫」先生の「「そのからだの不調、ホントはうつですよ」~原因不明の身体症状でお悩みの方へ~」もご紹介していますので、合わせてご覧くださいませ。

(そういえば、坂元先生はテレビ「世界一受けたい授業」にも出演されていましたね)

以下いつものように本の一部をご紹介いたします^^

 

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・ある日、目が覚めたら重症のうつ病になっていた、などということはなく、
   多くのうつ病はまず軽症から始まる。
 
・「服薬と休養で比較的短期間で治る」と安易な期待感を抱かせることは
   得策ではないが、いずれは治るという「希望を処方」することも必要であろう。
 
〈躁うつ病新時代〉

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・現代は「躁の時代」なのであろうか、と思わせるほど、
この数年、双極性障害(躁うつ病)は精神医学領域で熱い関心を集めるようになってきた。
 
・「双極性障害は見逃され、うつ病と同じ治療を受けることが少なくなく、
   それではいつまで経っても改善することがない」とされていることが、
   双極性障害が注目されるようになった一つの所以であろう。
 
・「大うつ病性障害(単極性うつ病)」は、気分障害の50~60%と多く、
「双極性障害」は20~30%と比較的少なく、躁病エピソードのみを繰り返す
「単極性躁病」はかなり稀とされる。
 
・DSM-Ⅳ-TRでは、
   双極性障害は「双極Ⅰ型障害」と「双極Ⅱ型障害」に大別されている。
 
・躁病エピソードと軽躁病エピソードは、
   持続期間、社会機能の障害の程度、入院の必要性、精神病症状の有無で区別されるが、
   入院を必要としない程度の躁状態が軽躁病エピソードとされることが多い。
 
・双極Ⅰ型障害の生涯有病率は0.08~3.4%とされ、
   双極Ⅱ型障害の生涯有病率は0.6~5.5%と報告されている。
 
〈双極性障害は見逃されている〉

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・双極性障害は、その確定診断が困難であり、見逃されているケースも多い。
 
・双極性障害の37%は単極性うつ病と誤診されていると指摘され、
   双極性障害患者の3分の1は正しい診断、治療がなされるまでに発病から
   10年以上が経過しているという報告もある。
 
・抗うつ薬の双極性うつ病に対する有効性は実証されていない。
 
・あるときNHKが双極性障害の見逃しを1つのテーマとして取り上げ、
  スペシャル番組を制作放映した。
 
・「10年以上症状が改善しない男性。診断が違うと疑っていました。
   そこで光トポグラフィー検査をしてみると、明らかにうつ病ではなく、
   双極性障害の波形が出たのです」
 
・光トポグラフィー検査はあくまでも補助診断ツールであることを忘れてはならない。

・そもそも光トポグラフィー検査による双極性障害の診断が適切であるか否かの判断は、
   臨床経過から下すしかないのである。
 
〈双極性障害の治療薬〉

・双極性障害の治療に用いられる気分安定薬とは、
   いわゆる精神安定剤と混同されることがあるが、
   気分安定薬は、躁病エピソードや双極性うつ病エピソードに有効なだけでなく、
   両者の再発予防にも有効であると定義されている。
 
・現時点では、炭酸リチウム(リーマス)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)、
   カルバマゼピン(テグレトール)、ラモトリギン(ラミクタール)などがある。
 

<抗うつ薬は凶器なのか?>

・うつ病治療の一つの柱は、抗うつ薬による治療である。

・現在使用されている抗うつ薬の多くは、いずれも長年にわたる厳しい臨床試験によって、

 その効果がプラセボに勝るというエビデンスのもと、厚生労働省がうつ病、うつ状態に対する適応を認可したものである。

 

・肺炎と診断され、抗生物質を処方されて服用に抵抗を感じる人はまずいないだろう。

・しかし、うつ病と診断され、
   抗うつ薬を処方されて服用に抵抗を感じない人は少ないのではないか?

・多くの人は、自分がうつ病という精神疾患であることを認めたくない。

・心身の不調は身体疾患で説明できるのではないかと考える。

・日本うつ病学会の「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」は、
   抗うつ薬による賦活症候群や自傷、他害行為の出現に
   十分に注意をすることに改めて警告を発するとともに、
   抗うつ薬を中心とした薬物療法が心理療法などのほかの治療法に比べ、
   最も早く確実に効果を発揮することも強調している。

・昨今の報道は、抗うつ薬のリスクを過度に強調し、
   適切に服薬してうつ病が改善している人々に対してまで、
   抗うつ薬への不安感をいたずらに煽ったという点では、
   大きな問題を孕んでいると言わざるをえない。

〈良医とヤブ医者〉
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うつ病のまちがった情報にまどわされないで!

この本は、治療法を分かりやすく解説した系の本ではありません。

うつ病をはじめとした精神医学の問題点を指摘した本です。

今、巷ではうつ病ブームともとれる現象があちこちでみられます。

それをよいことに、
商売目的のヤブ医者やエビデンスのない情報の氾濫、治療がまかり通っています。

そういった問題に赤信号を発しているのがこの本なのです。

患者として、うつを取り巻く世界を知っておけば、
視野が広がり、おかしな情報に惑わされなくてすむと思います。

そのための知識をこの本で身につけていただきたいと思い、ご紹介しました。

 

心の平安を願っております。

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