『精神科ナースになったわけ』(水谷緑):精神科病院のリアルを分かりやすく知りたい方に超おすすめ!
目次
精神科病院ってこんなところ
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は、精神科病院について知りたい方に超オススメの本『精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)』をご紹介します。
多くの人にとって、精神科病院は未知の世界だと思います。
・真っ暗で鉄格子いっぱいの部屋なのかな?
・奇声を上げる人が多いのかな?
・そもそもどこに病院があるのかな?
など、知らない事ばかりです。
僕もそうですし、入院した事もありません。
しかし、うつ病をはじめとした精神疾患に苦しんでいる方や精神科病院に友人・知人が入院されている方は、精神科病院に興味をお持ちの方が少なくないでしょう。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
そんな精神科病院を全く知らない方にぴったりの本が『精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)』なのです。
精神科病院について著者はこう語っています。
守られた村…ひとつの小さな国って感じ
なぜ本書がオススメなのか順を追ってご説明していきますので、本日もよろしくお願い致します。
『精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)』をおすすめする理由
1.マンガで読みやすいから
はじめて精神科病院について学ぶ人が、文字だらけの難しい本だと挫折してしまうでしょう。
しかし本書は違います。
かわいいイラスト付きのマンガ形式になっていますので、精神科病院の日常をはっきりイメージしながら読み進めることが出来ます。
精神疾患というと、どうしても暗いタッチになりがちですが、著者の巧みな表現力で描かれています。
「死なないでください」
「リストカット」
「自殺」
など、文字だけだと恐ろしいですが、その時の表情や対応を挿絵を入れてお書きいただいているおかげで、精神病院のリアルを理解していけるんです。
2.精神科病院で起こる出来事が忠実に書れているから
マンガなので、完全フィクションなのかと思いきや、そこに書かれる世界は精神科病院の「現実」です。
本書を書き上げるために、あらゆる病院や医師、看護師、作業療法士さんから話を伺ったり、現場を見たりしたそうです。
—-お話を聞かせてくださった方々—-
看護師:青田理恵さん、久保文子さん、三ツ井直子さん…
医師:三宅永先生、森川すいめい先生
—-取材協力医療施設&団体—-
就労継続支援B型事業所ハーモニー、みどりの風南知多病院、みどりの社クリニック…
本書の一部だけ抜粋したので、これ以外もたくさんあります。
読み進めると分かりますが、実社会では目にしないような光景が精神科病院で起こることがあるようです。
統合失調症の片岡さんは便器の中からあ○しのに○みやくんの声がするという。
人間って不思議。
妄想や幻覚ってなんなのだろう。
ユーレイが見えてそれを信じるのと何が違うんだろう。
形式はマンガですが、濃い内容はしっかり描かれています。
3.いろんな症例が書かれているから
うつ病、統合失調症、境界性人格障害など、精神疾患の色んな症例が書かれているのも本書をおすすめする理由の1つです。
それぞれの症例でよく起こる感情や行動が書かれています。
また、それらの人たちが精神科病院でどんな日々を暮らし、どのような治療を受けて社会復帰をしていくのかも書かれています。
入院するほどなので重症の人が多いですが、過去に親から虐待されてたり、一流企業で働きすぎて過労死寸前だったりと、心の闇は人それぞれです。
また、
・精神疾患の人がなぜ自殺を考えてしまうのか
・自殺の前にどんな行動をするのか
といった「自殺」について多く書かれている点も本書の特徴です。
(『自殺って言えなかった。』(あしなが育英会):遺された遺族の想像を絶する苦しみ)
それは精神科病院にとって最も大切なのが「自殺を防ぐこと」だからと本書で語られています。
自殺を防ぐこと。
それが精神科の一番の目標です。
おわりに
「心を看る」
口にするのは簡単ですが、いざ現場となると、なかなか大変なようです。
しかし、患者さん1人1人の個性に触れ、やさしさに触れ、回復していく姿を見届けることにやりがいを感じるのでしょう。
病気になりたくてなった人はいません。
見た目は普通に見えるし、症状も健康な人の延長線上にあるものも多いんです。
しかし病気と闘っている患者さんがそこにはいました。
心の仕組みを知りたくて、飛び込んだ精神科看護の世界。
そこで出会った患者さんたちは、みんな苦しみ、自分と闘っていた。
けれど不可解な行動の背後にはそれぞれの理由があって
精神科病院や精神疾患の方への理解が深まる良書でした。
本日もありがとうございました。
青年A