『「食いしばり」をやめれば不調はよくなる!』(西村育郎):マウスピースを使う治療は古いです
2017/10/08
目次
不調のすべては「食いしばり」が原因?→そんなことはない
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は信頼&オススメできない本『「食いしばり」をやめれば不調はよくなる!』をご紹介します。
僕のサイトでは良い本以外におすすめできない本も紹介しています。
読んではいけないという意味ではなく、内容を鵜呑みにしてはいけないという事と間違った情報を流す個人や医者もいる事を知ってほしくてご紹介しています。
(『うつヌケ』絶賛の「自分の「うつ」を治した精神科医の方法」(宮島賢也)が良い本だと思えない件)
顎関節症や自律神経失調症、不定愁訴にお悩みの方の参考になれば幸いです。
よろしくお願い致します。
「食いしばり」をやめれば不調はよくなる!←断定しすぎ
最近の本は断定口調のタイトルが増えました。
・脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
断定口調のほうが売れるからでしょうか。
けども、世の中言い切れることは多くありません。
脳を鍛えるには運動しかない→勉強も脳を鍛えるでしょう。
置かれた場所で咲きなさい→ブラックな会社は去ったほうが良いでしょう。
会社でやる気を出してはいけない→出したほうが楽しかったりします。
AかBかの2択で決めれるほど人生は単純ではありません。
AかBかの2択しか考えないのは認知行動療法でいう「全か無か思考」というもので、あまり良くない思考法ですね。
(認知行動療法とは?~認知行動療法を世界一分かりやすく解説しました~)
今回の本もそうです。
「食いしばり」をやめれば不調はよくなる!→そうとは限りません。
本書を読むと、言い切った表現が多くて気になります。
なぜ再び肩凝りや腰痛が出てくると思いますか?それは眠っている間に食いしばっているからです。
肩こりや腰痛の原因は食いしばりだけではありません。
整形外科的な問題や心理的なストレスだって原因になりえます。
患者さんはもとより医療関係者に、不定愁訴の原因が「食いしばり」であることを知ってもらい、その解決に向けての第一歩を踏み出してもらいたいと願っています。
これは極論でしょう。
不定愁訴の原因にはうつ病といった心の病気だってあるのです。
すべての原因を「食いしばり」に求めてはいけません。
(自律神経失調症は「症状」であって「病名」ではない。~真の原因は何か~)
②正中がずれている
このずれが大きいほど重症になりやすい傾向にあります。
正中がまっすぐだと噛み合わせと下あごもまっすぐだとは限りません。
西村歯科さん…話を聞かないという噂が多い
本書ではこう書かれています。
初診で重要なのは、まず患者さんの話を伺うことです。
どんな症状で悩んでいるのか、その症状はいつから始まったのか。
これまでどのような病院で、どのような治療を受けてきたのか。
患者さんの話をよく聞く旨が書かれていますが、西村歯科さんの評判はあまり良くありません。
(顎関節症治療のパイオニアを謳う大阪の歯科医院は怪しい:その理由と商売っ気ムンムンのHP)
大阪堺市中区の顎関節症治療に通い始めたのですが・・・
数年前から口を開けると顎がパキパキなり顎もかなり歪んでいて体調もすぐれません。
顎関節症という病気を最近知りネットで調べ顎関節症治療で有名という歯医者に行きました。
2日前にマウスピースが出来たのでそちらに行きました。
先生がマウスピースをつけると「どうや楽になったやろ?」と言われたのですが特になにも変わらないので「わかりません」と答えると「まあそのうちわかるわ」と言われ帰りましたがずっとつけていると余計に肩が凝るのでおかしと思い寝る前にははずしました。
すると右の舌の横がマウスピースで傷つき切れていました。
次の日さっそく電話をし今日また調節してもらいに行ったのですがまた「楽になったやろ」と言われ「わかりません」と答えると「まあいいわ」と言われ帰されました。
するとまたずっとつけていると肩が凝るのではずすとマウスピースは血だらけで今度は舌の裏側が切れていました。
歯科で気づいて指摘できればいいのですがマウスピースなんて付けたことがないのでその場ではどこがおかしいとかわかりませんでした。
もう少しじっくり治療してくれればいいのに適当でした。
あまり評判は良くありません。
結局、食いしばり・顎関節症治療にマウスピースを使っている
「顎関節症にマウスピースを使ってはいけない!:4つの理由と正しい治療法」で書いていますが、マウスピースは使ってはいけません。
マウスピースをつけて寝ると、そのマウスピースを噛んで食いしばってしまうという悲劇が訪れるのです。
ここの医院は夜用マウスピースというものを開発していますが、結局同じことです。
夜用マウスピースが実用新案を取得といって宣伝していますが、実用新案と装置の効果は関係ありません。
【実用新案の要件】
実用新案とは「物品の形状、構造又は組み合わせに係る考案」のことであり、考案とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作」をいいます。(実用新案法1条及び2条第1項)
【実用新案には実体審査がない】
実用新案においては実体審査が行われません。
それは実用新案法が、特許法よりも「早く権利を付与する」ことの方が立法趣旨にあうからだと言えます。
ただし、方式審査を通過すれば実用新案の設定登録へと手続きを進めることが出来る訳ではなく、新規性・進歩性といった具体的な登録内容に立ち入らない程度の基礎的要件の審査が行われます。
また、マウスピースを長く使うと噛み合わせ自体が変わってしまいます。
上の歯と下の歯がマウスピースの高さ分開いてオープンバイト(開咬)になってしまう恐れがあるのです。
僕は実際マウスピースを4年以上使ったオープンバイトになってしまいました。
(【顎関節症の問診】マウスピース(スプリント)で正しい顎位や噛み合わせを作るのは絶対不可能)
食いしばり・顎関節症はマウスピースでは治りません。
TCH是正訓練療法をオススメします。
(TCH是正治療~顎関節症の治療方法!これで僕は治りました~)
おわりに
この本を反面教師にするという意味では一度お読みいただくのは良いでしょう。
しかし鵜呑みにしてはいけません。
世界では食いしばり・顎関節症治療にマウスピースを使いません。
(『顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本』(木野孔司):目からウロコ!これで顎関節症&かみ合わせの悩みとおさらばできます!)
顎関節症の日本最高峰”東京医科歯科大学顎関節治療部”だってマウスピースは何年も前から使っていません。
マウスピースは遅れた治療法なのです。
マウスピースを使うことで逆に症状が悪化し、ノイローゼになった僕みたいになってほしくありません。
食いしばり・顎関節症でお悩みの方はTCH是正訓練療法を一度お試しいただければと思います。
(TCH(歯列接触癖)とは?:顎関節症の最大の原因が発見された!)
お読みいただき、ありがとうございました。
青年A