親に仕事をサボってるだけと思われてつらいうつ患者さんへ:本当に伝えたい事は言葉で伝えよう
2017/11/23
本当に伝えたい事は言葉で伝えよう。
「うつ病を経験したことで得られた7つのこと」よりの記事でご紹介しました「せせらぎメンタルクリニック」さんの記事を今回もお伝えします。
以下、記事内容の一部抜粋&要約です。
(元記事はこちら)
・相手に何か伝えたい事がある時、もっとも確実に伝えることができる方法は「言葉」で伝える事です。
・いくら仲の良かったり親密な間柄であっても、自分の気持ちは思っているだけでは伝わらないのです。
・私たちはこの事実を理解しなければいけません。
長年一緒にいる夫婦であったり、とても話の合う親友だったりすると、つい「話さなくても伝わる」と私たちは誤解してしまいますが、100%自分の気持ちが伝わることはありません。
・診察で患者さんの話を聞いていると、言葉で伝えていないがために、余計に状況が悪化してしまうケースを見ることがあります。
・「親なんだから、自分の事を分かってくれるはず」という誤解も時々聞きます。
・うつ病で休職となり、療養のために実家に帰省中の方が「親が自分の気持ちを分かってくれない。それがつらいんです」と訴えてきた事があります。
・その患者さんに対して、「では親には自分のどういう気持ちを分かってもらいたいのですか?」と聞くと、「今は気分も落ち込むし、身体も重いし、仕事に行きたくてもいけない状況なんです。
なのに親はまるで私がサボッているかのような目で見てくるし、何の言葉もかけてくれない。
ひどい親だと思いませんか?」と答えられました。
・しかし、では親に自分の気持ちや不満な事をしっかり話したのかというと、話していないというのです。
「親なんだから分かってくれるはず」という考えで、休職に至った経緯すらもしっかりと親に話していない事が明らかになりました。
・それでは親もどう接していいのか分かりませんよね。
親しい間柄であるからこそ、「当然分かってくれるはず」と思ってしまいがちですが、現実はどんなに親しくても話さないと分からない事もあります。
・後日親に診察に同席して頂き、休職に至った経緯を説明したところ、親は「そういう経緯だったんですね。分かってホッとしました」
・「今まで、本人に聞いていいものか分からなくて聞くに聞けなかったんですよ」
「うかつな事を言って症状を悪化させるのが怖くて、様子を見ることしかできなかったんです」と教えてくれました。
・親は冷たい目で見ているわけではなく、どう接していいのか分からなかっただけなのです。
・このケースは最初にしっかりと「こういう経緯でこういった病気になって休職になってしまったから、しばらくは実家でゆっくりさせてほしい」と説明すればよかったのです。
おわりに~伝えないと、伝わらない~
最後の、「両親と患者さんのケース」は僕にも当てはまる事例でした。
症状がしだいに回復してきた頃、外出して友人と遊んだり、図書館で本を読んだりしていました。
ある日、父に焼き鳥屋さんで「仕事を探す気はあるのか?」「ずっとお前を養うことはできないんやぞ」といった事を言われ、傷つき、落ち込んだことがあります。
「なんで親は分かってくれていないんだ」
「僕は働けるのに働かないニートじゃない。それは親が1番良く分かっていることじゃないか」
「少しずつ良くなっているから動き始めているだけで、働くなんて無理だよ」
親は僕の体になることは出来ないので、僕が言葉で状況を伝えないと分からないのです。
(アサーショントレーニング④~「私メッセージ」を使って自分の気持ちを分かってもらおう~)
例えば、「少しずつ回復に向かっている気がするわ。働くのはまだ出来ないけど、ジムで体を動かしたり、図書館でPCの勉強して、将来につながりそうなことをしています」
みたいな、今の状況と今後の方向性が知りたかったようです。
伝え方も大切かと思いますが、家族もサポーターです。
上手く付き合っていきたいものですね。