15%がうつ、がん遺族の心の治療は遺族外来へ:どんな悲しみであっても、人間には適応力がある
目次
計り知れないストレス…それは家族との死別
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
早速ですが、皆さん遺族外来はご存知ですか?
家族を亡くして苦しむ方の心のケアをする診察科です。
死別の原因で多いのが「ガン」で、それだけ遺族も多く、死別の苦しみで心のバランスを崩す人も少なくありません。
今回は「15%がうつ、がん遺族の心の治療が必要だ」の記事から大事な部分を抜粋してご紹介したいと思います。
よろしくお願い致します。
がん遺族には心のケアが必要
小林麻央さんが乳がんで亡くなってから、夫の市川海老蔵さんや2人の子どもたち、姉の小林麻耶さんら遺された家族を心配する声も絶えない。
苦しむがん遺族には心のケアが必要だと、10年前に「遺族外来」を始めたのが、埼玉医大国際医療センターの精神腫瘍科教授、大西秀樹医師だ。
いったい、どのような診療が行われているのだろうか。大西医師に聞いた。
愛する人を失って、うまく喪に服せる人ばかりではありません。
失った悲しさを引きずってしまったり、周りの対応に傷つけられる例は少なくないのです。
相続をめぐって争いが起きたり鬱病になったりしてしまう人もいます。
診察は心療内科・精神科と似た流れで、心の病の診断基準に照らし合わせて臨床心理士がカウンセリングをします。
その後悩みを聞きながら治療に進んだり別の専門家を紹介したりしていくようです。
訴えの7割は、治療に対する後悔
訴えの7割は、「治療はあれでよかったか」とか、「こう接すればよかった」とか、がんの治療に関する後悔です。
私たちは、がんの患者さんに接している専門家ですから、治療の内容も理解しています。
最期に苦痛が取れないとき、モルヒネや鎮静の薬を使うのですが、そのせいで死期が早まったと後悔している遺族に、「医学的にベストな選択でしたよ」と説明すると、楽になるそうです。
治療内容の後悔が7割とは多いですね。
抗がん剤や放射線治療など、ガン治療にはいくつか選択肢があります。
ガン治療は選択の連続なので、遺族としては「こうすれば、治ったんじゃないか」「ああすれば、もっと楽にしてやれたんじゃないか」といった後悔、自責の念に囚われるのでしょう。
僕の祖父、祖母ともにガンで失ったので、その気持ちがよく分かります。
どんな悲しみでも、人間には適応力がある
10年間、遺族外来を担当して感じるのは、「つらい別れがあっても、人間には適応して成長していく力がある」ということ。
私も、たくさんの遺族や患者さんとの出会いで、成長させてもらっています。
本当に大変な状況の遺族が来たとき、「今はつらいけどこのままじゃないから」と、明確に言えるようになったのはここ数年です。
やまない雨はないのです。
(やまない雨はない(倉嶋 厚)~うつ病は必ず治る、降りやまない雨はない~)
お先真っ暗で、いくら考えても悩みしかないどん底の時期が人生にはあります。
しかし耐えながら進んでいくと、時間と人間の適応力で回復していきます。
うつ病治療でも同じですね。
(【闘病記】うつ病と顎関節症)
打開策は必ずあるのですから。
(「問題解決療法」~認知行動療法の1つ!本当に感動した問題解決の方法!~)
言葉1つで幸不幸が決まる!言葉に気をつけよう
遺族の訴えのうち、後悔に次いで多いのが、「周りの人の言動に傷つく」というもの。
よかれと思っても、役に立たない支援というのも少なくありません。
死因をあれこれ聞いたり、相手の気にしている事を言ってしまったり…
なにもガンに限った事ではありませんね。
日常でも起こりうる事で、相手への配慮や思いやりが足りないのかもしれません。
また、病気に対する知識不足も関係するでしょう。
もっとも、悪気があるわけではなく、知識の欠如だと思います。
身近な人には、そばにいて話を聞いてほしいのです。
どうしても辛いときは、閉じこもらずに相談しよう
遺族サポートの形は層をなしています。
まず身近な人が耳を傾ける。
さらに、「つらいならこういうところもあるよ」と遺族会や医療機関の情報を伝える。
遺族会に行って、吐き出すのも効果的です。
症状があれば、近くの医療機関に行く。
さらに必要なら、遺族外来や、がん拠点病院にいる精神腫瘍科医(心の専門家)にかかるというステップがあります。
電話で相談するのも良いでしょう。
(「みんなのメンタルヘルス総合サイト」~シンプルで分かりやすい厚生労働省のウェブサイト~)
どうしても苦しい時には手を差し伸べてくれる人が必ずいます。
おなじ苦しみをすでに経験した人が必ずいるのです。
あなたの苦しみは人類初の悩みではないのですから。
おわりに
僕自身、遺族外来という診察科があることを初めて知りました。
ガンに限らず、体だけでなく心の健康にも気を付けて生きていければと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
青年A