『吃音は治せる~有効率74%のメンタルトレーニング~』(都筑澄夫)│吃音で1番オススメの本
2017/10/06
吃音が出ても、焦らない
こんにちは、青年A(@seinen1234)です。
本日は「吃音」についての記事を書きます。
早速ですが、吃音とは何かご存じでしょうか?
「『吃音(どもり)、幼児期に5%発症…症状が出たらどうするか』│焦る必要はありません」に書きましたが、吃音は「どもり」のことです。
「あ、あ、あ、あさが来た」といったように、言葉が詰まったり伸ばしたりしないと話せない症状です。
僕も吃音です(今ではほとんど意識しませんが)。
たまに詰まったりします。
今回は、この吃音治療の権威「都築澄夫」さんの書籍をご紹介致します。
「吃音でお悩みの方」
「吃音を学びたい方」
「吃音のお子さんを助けたい方」
にはぴったりの本だと思います。
本日もよろしくお願い致します。
吃音とは何か?
<意志とは関係なく言葉が出にくくなる症状>
吃音の主な症状には、以下の3つがあげられます。
1.「ミ、ミ、ミカン」というように、音をくり返す=「くり返し」
2.「ミーーカン」というように、音を引き伸ばす=「引き伸ばし」
3.「ミカン」といおうとして、最初の「ミ」の音がつかえて出なくなる=「ブロック」
吃音の方は、この3つの症状がよく分かることかと思います。
僕もこの3つに小学校~中学校くらいまで悩まされました。
ところで、吃音のなかには、大人になってから脳卒中(脳の血管が破れたりつまったりして体のマヒや言語障害などが起こる病気)などの病気が原因となって起こるケースもあります。
このように、なんらかの病気が原因になって起こる吃音を「獲得性神経原生吃音」といいます。
獲得性神経原生吃音を別にすると、基本的に吃音は幼児期に起こります。
その原因は、前述のとおり、まだよくわかっていません。
このように幼児期に起こって原因がよくわかっていない吃音を「発達性吃音」といいます。
僕の例で恐縮ですが、僕も幼児期に吃音を発症しました。
「いつ起こったか」は分かりません。
気づくと、どもるようになっていました。
さて、吃音には不思議なところがあって、いつも同じように言葉が出にくいわけではありません。
たとえば、「学校で本読みをする」「人前で発表する」といった状況では、決まって症状の出る人が、まったく同じ文章や言葉を、家でならスムーズにいえるというケースは少なくありません。
同じ言葉や文章でも詰まる時と詰まらない時があります。
緊張具合も影響しているのかもしれません。
緊張している時は、どもっていた気が僕はします。
家で本読みの練習をすれば、普通はまじめに練習した分だけ、学校でも上手に読めるでしょう。
けれども、吃音があると、家でどんなに練習しても、そして、家では誰より上手に読めるようになっていたとしても、学校で読むと、たちまち音をくり返したり、つかえたりしてしまうのです。
そのことだけでもつらいのに、もし先生が「ちゃんと練習してこないとダメじゃないか」などといったらどうでしょう。
友達が「なんだよ、その読み方。読めないなら練習してこいよ」などといったら……。
悲しいし、悔しいし、「すごく練習しているのに、これ以上、どうすればいいのだろう」と途方に暮れてしまうでしょう。
吃音の人は、そんなつらい経験を数えきれないくらいしています。
自分の意志ではどうしようもない吃音という症候群によって、人とのコミュニケーション(意思の疎通)に問題が生じたり、苦痛を感じたり、本来、やりたいと思っていることができなかったりするのが、吃音の大きな問題です。
この文章を読んだ時は涙が流れそうでした。
小学生の時の気持ちを代弁してくれた内容だからです。
子どもは思ったことを言ってしまいます。
真似てしまいます。
「あ、あ、あ、あて言ってる~」
とか
「なんで言葉がつまるの?」
などと言われ、そのたび悲しく恥ずかしい気持ちになっていました。
言ってる本人は軽い気持ちなのかもしれません。
しかし、吃音当事者はそれを深刻にとらえてしまいます。
なぜなら自分でも自覚しているからです。
「普通は詰まらないのに自分だけ詰まってしまって恥ずかしい」
「あんまり人と話したくない」
など、心の奥底にコンプレックスが出来、それを突かれると、その場から逃げ出したい衝動にかられるのです。
ちなみに、各界で活躍している人のなかにも、吃音の人は少なくありません。
田中角栄元首相が吃音だったことはよく知られています。
また、元アナウンサーでタレントの小倉智昭さんは、吃音を克服するために、あえて話す職業に就いたといいます。
吃音特有の発声を逆手にとって成功したアメリカのミュージシャン、スキャットマン・ジョンさんや、高校時代の演劇で吃音が出なかったのがきっかけで俳優になったというブルース・ウィルスさんの例もあります。
吃音だから成功できないというわけでは絶対にありません。
(スキャットマン・ジョンに学ぶ!吃音症(どもり)をプラスに変えた「全てのことには意味がある」という考え方)
吃音だから話してはいけないということもありません。
現に僕はしゃべるの大好きです(笑)
吃音だからといって暗くなるのではなく、強い気持ちをもって生きていくことが大事なんだと思います。
おわりに
~人としての大切な「問い」~
最初の約三年は発話訓練を行い、やがて「これでは真の治癒はしない」と気づき、その後は「本当に効果がある治療法」を求めて模索を続けました。
吃音を構音器官(口、のど、呼吸器など声を出すための器官)の問題とする、それまでの表面的なとらえ方をしていては、とうてい見えないものです。
吃音治療の世界で長く行われてきた、声を出しての発話訓練に反旗を翻した私が、この三〇年歩んできた道は、決して平坦ではありませんでした。
しかし、症状がなくなった患者さんや、
軽い症状は残っても「本当にらくになりました」という患者さんの喜びの声に、支えられてきました。
著者の人としての暖かさ、吃音に対する真摯な姿勢が文面からとっても感じられます。
都築先生がおっしゃる吃音を治すためのメンタルトレーニングの詳細は、このブログに記載が難しいため、本書をお読みいただければと思います。
吃音は、のどや口といった構造的な問題で起こるものではないようです。
もっと根本的な治療が必要です。
(うつの原因はストレス?~ストレスは「原因」ではなく「誘因」です~)
また、自然治癒することもある症状でもあります。
僕も高校生になる頃から、症状はあるものの、以前ほどには気にならなくなりました。
しかし、症状が進行する場合もあります。
吃音に関して、この本以上に分かりやすく丁寧な本を知りません。
自信をもってオススメします。
本日もありがとうございました。
青年A