「やさしくわかるうつ病からの職場復帰」(山本晴義)~職場復帰までの手順をくわしく知りたい方へ~
2017/10/21
うつの職場復帰になくてはならない本
・職場復帰までの手順がほんとに丁寧に解説!
この「図解 やさしくわかるうつ病からの職場復帰―復職を成功させるポイント」は5つの章に分かれています。
1章:「うつ病の種類について学ぶ」
~うつ病、双極性障害、非定型うつ病、発達障害、不安障害、パーソナリティ障害~
2章:「要治療期の過ごし方」
~医療機関の受診方法、セカンドオピニオン、職場への伝え方、休養、入院、家族の対応、労災認定~
3章:「復職準備期」
~生活リズム、生活のポイント、復職プログラム、アサーショントレーニング、認知行動療法、薬物療法の期間~
4章:「復職期」
~職場復帰の方法、ハローワーク、職場復帰のタイミング、職場との面談、試し勤務、復職期の考え方~
5章:「職場側の対応」
~休職届を出されたら、職場復帰のタイミングを決める、職場復帰支援プランを作成、復帰を支える人の健康~
以下、いつものように一部本書から抜粋してお伝えします。
【双極性障害は「躁」が現れないと診断のしようがない】・双極性障害の誤診が多い理由の1つは、患者さん自身に病識がないことです。
(病識とは、その人が病的な状態にあることを認めること)・もう一つは、そもそも躁症状が現れない限り、診断のしようがないことです。・躁症状が現れるまで、何年もかかる例も少なくありません。・躁症状が現れて、ようやく双極性障害と診断されるまで、平均8年くらいかかるともいわれています。【本人に病識がないのが最も困る】・躁状態の際、患者さんは自分のことを病気とは思っていません。【職場復帰を焦ると再発のリスクにつながる】
・今「復帰したい」と思う裏に、「焦りがないか」と、自分自身をよく振り返ってみましょう。・もし焦りがあるなら、まだ職場復帰には無理があります。
・職場復帰には、エネルギーが溜まり、心身に余裕が出てきたために、「何かをしたい」「仕事を再開したい」という意欲が生まれることが必要です。
・焦りが少なくなり、心にゆとりが出たときに初めて、職場復帰を考えることになります。
ほんとうに分かりやすい解説で、小学生でもわかるくらいかみ砕いて説明されています。
うつでつらいときでも気軽に読み進めることができる本となっています。
著者の「山本晴義」先生は、横浜労災病院で勤労者メンタルヘルスセンター長をされている有名な方です。
山本晴義先生の名言集なるものをネット上で見つけたので、ご紹介します。
「山本晴義の名言 厳選集 – 名言DB」より
<山本晴義のプロフィール・経歴・略歴>
山本晴義、やまもと・はるよし。日本の心理カウンセラー、医学博士。東京出身。東北大学医学部卒業。
東北大学付属病院、呉羽総合病院、梅田病院勤務勤務を経て横浜労災病院心療内科部長、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長などを務めた。
著書に『ストレス教室』『ストレス一日決算主義』
『ドクター山本のメール相談事例集 メンタルヘルスのヒントが見える!』
『人づきあいがもっとうまくなる法 相手の心をつかむ 会話上手になる』ほか。
大切なのは、その日のストレスはその日に解決することです。
趣味の時間を作る、運動する、美味しいものを食べる、早めに寝るなどして、積極的にストレスを解消する時間を持ちましょう。
この「ストレス一日決算主義」を心掛けることが、心の健康を保つ秘訣です。
[山本晴義の名言|心の健康を保つ秘訣は「ストレス一日決算主義」]
現代のビジネスマンの多くが感じる疲れとは、人間関係の悩みや仕事上の問題など、頭や心に関係する疲れが大半です。
そんな場合に家でゆっくり休んでしまうと、いろいろと考え込んでしまい、かえって悩みが深刻化してしまうこともあり得ます。
「頭の疲れ」やストレスを癒すには、実は身体を動かすことが有効です。
体操でもジョギングでもスポーツでもいいですから、運動する習慣を持ちましょう。
[山本晴義の名言|頭の疲れは、ゆっくり休むよりも身体を動かすことで解消される]
「忙しくて、運動をしている暇がない」と言う人もいるかもしれませんが、アメリカのジョージ・ブッシュ元大統領は、大統領の任期中、一日たりともジョギングを欠かさなかったそうです。
空いた時間に運動するのではなく、意識して時間を作るといいでしょう。
[山本晴義の名言|運動は空いた時間でやるのではなく、意識して時間をつくることが大切]
私は、心身ともに健康的な生活は、運動、労働、睡眠、休養、食事、会話をバランスよくとることによって成り立つと考えています。
しかし多くの人は、平日は労働と睡眠だけの生活になっているのが現実です。
仕事しかない毎日だと、人の心は枯れていきます。
[山本晴義の名言|仕事しかない毎日だと、人の心は枯れていく]
おわりに
うつ病が回復し始めると復職を考えはじめます。
僕もそうでした。
しかし、復職をしてよいタイミングかどうかを判断するのは非常に難しいことです。
本人、医師、職場の三者の立場をきちんと理解してはじめて成功するものだと思います。
医師、職場に直接伺うことは大切ですが、知識として職場復帰の方法を知っておくのも良いでしょう。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」です。
本日もありがとうございました。
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