【うつ病の問診】うつは単一疾患ではない│セロトニンだけ増やしても治らない
様々な要因が重なって発症する
こんにちは、青年A (@seinen1234) です。
今回は、精神科の先生との問診ストーリーです。
(【問診】うつ、顎関節症の問診記録)
よろしくお願いします。
うつ病の問診
青年A
うつ病とか心の病気って世界中の優秀な人がたくさん研究してると思うんですけど、これを飲んだら解決!みたいな特効薬が生まれないのはなぜですか?
先生
単一疾患ではないからです。
例えば、コロナの肺炎ていうのはコロナウイルスが原因でしょう。
原因があって肺に多発性の炎症を起こして発熱があって…と決まった流れがあるんです。
原因と経過と予後が分かってるわけです。
これが単一疾患の病気です。
それに対してうつ病は、例えば元々気の弱い性格の人に少しストレスがかかって発症したり、勝ち気な性格の人に過度なストレスがかかって発症したりと、出てきた症状は似てるので同じうつ病として捉えてますが、その発症の背景や性格、ストレスは全然違うんです。
また、うつ病が1回目の人と2回目、3回目の人とではまた全然違うんです。
繰り返すということは、元々そういう素因があるんです。
それぞれ違う病気を症状だけで分類している状況です。
精神医学の分類なんてめちゃくちゃですわ。
なので精神医学はまだ科学とは呼べないんです。
間違った分類を元に生物学的な研究をするわけなんで、一定の結果が出るわけないんです。
インフルエンザウイルスもコロナウイルスもアデノウイルスもごっちゃまぜになってる感じです。
ウイルスが悪さしてるのは分かってるけど、何のウイルスか分からないようなイメージです。
原因が様々なのに症状で分類してるから生物学的な成果は出ないし、今後も出ないでしょう。
青年A
なにか脳の中では異常が起きてるんですよね?
先生
神経伝達物質の機能異常が起きてるのは間違いないです。
ただ、抗うつ剤に対する反応や経過はみんな違います。
青年A
何かが脳内で起きているのであれば、それをきれいにしたら症状は消えるって思ってしまうんですけど、そうではないんですか?
先生
そうですね~
例えば糖尿病の人は血糖値を下げれば治るのかというと末梢神経障害とかが進行することがあります。
糖尿病の人の血糖値が高いというのは、1つの重要な兆候ではあるけど、それだけじゃないんですね。
1つの物質だけの問題ではなくて、そこから派生する色んなバランスの異常が出てくるんです。
青年A
元々の性格要因や環境要因など、色んな要因が重なって発症するわけですね。
先生
そうです。
一度発症して、セロトニンが減少してるからそれ増やしたら解決しますかというと全然そういうわけではないんです。
セロトニンが増えたら元気になるという単純な話ではないという事です。
セロトニンが減ったことによって他のバランスも崩れてるわけです。
また逆に、躁転して他の問題が起きる事もあります。
うつ病治療はそんな単純にはいかないんです。
精神疾患と糖尿病はモデルが似てます。
衝動性の高い人だと、抗うつ剤はむしろ辞めとこかとかの判断をしたりもします。
セロトニンだけの問題ではないし、ウイルス感染症やそれ以外の炎症性の疾患や変性疾患…どんどん神経が死んでいくような進行性の疾患とかも含まれてるんで。
その人それぞれの経過を見ながら治療者は何を優先すべきかを決めてるんです。
ひとりひとり治療のアプローチは皆違います。
一例一例で見ると、その人の原因とか予後がある程度見えたりしますけど、統計かけるとぼやけてしまって分からなくなるんです。
もっと脳の研究が進まないと、人間の思考や感情、行動といった高次の事と脳内の神経伝達物質といった生物学的な事とか結びついてこないですね。
青年A
なるほど。
ありがとうございました。
おわりに
お読みいただき、ありがとうございました。