なぜ人は仕事をするのか?~一生分のお金があれば、人は働かないのか?~
目次
生きるために、はたらく
こんにちは、元人材紹介エージェントの青年Aです。
今日のテーマは「なぜ人は仕事をするのか?」です。
高校や専門学校、大学を卒業すれば多くの人が”就職”して働くことになります。
あまりに当たり前すぎて考えた事がなかったかもしれませんが、そもそもどうして人は働くのでしょうか?
そのあたりを掘り下げて考えていければと思います。
よろしくお願い致します。
働くってなんだ?それは人間の本能
そもそも「働く」ってどういう意味でしょうか?
ある辞書にはこう記されていました。
【働く】
目的にかなう結果を生ずる行為を行うこと。
つまり、働くとは就職して仕事をすることだけではないという事です。
200万年前の旧石器時代から男性は狩りに出て食糧を手に入れ、女性は木の実の採取や育児をして生活していました。
これも立派な「働く」です。
人間はナマケモノではないので、通常は全く何もせず呼吸だけで一生を終えることはできません。
食べ物を食べたり人と話したりゲームをしたりと、必ず何か行動しています。
つまり働くとは人間の本能なのだということをまずはお伝えしたいと思います。
じゃあ仕事の働くってなんだ?なぜ働かなくちゃいけないの?
ここから本題です。
ではなぜ人は仕事をして働く必要があるのでしょうか?
他の国は分かりませんが、日本に限定すると僕は4つの理由があると考えています。
1.お金が必要だから(資本主義社会だから)
生きていくには「衣食住」が必要ですね。
特に、食べないと人は死んでしまいます。
では食べ物をどうやって手に入れますか?
それはお金を払って手にするわけです。
自分で畑で耕して食べ物を作っている人も、水道代や種代などが必要なので、お金が全くいらないわけではありません。
つまり、資本主義社会で生きていく(生活する)ためにはお金が必要なわけです。
はるか昔は物々交換をしていた時代もあったようです。
例えばお肉が欲しい人と魚が欲しい人がいたら、それぞれの物を交換するというものです。
ただその方法だとそれぞれ欲しいタイミングがマッチしないとお肉もお魚も腐ってしまいます。
そうならないためにお金(money)という仲介役が開発されたようです。
お金をもっていれば、欲しいタイミングでお肉を買ったり、お魚を買ったりできますもんね。
それにお金は腐らないので貯めておくことだってできます。
小学校の社会で習ったお金の便利機能というものです。
<お金の便利機能>
1.価値の尺度:金額で物の価値が分かる機能
2.交換手段:物やサービスと交換できる機能
3.貯蔵機能:貯めることができる機能
人が地球上で生きていくために(食べていくために)はお金が必要というわけです。
つまり仕事して働くというのは、お金を得るためという一面があるのです。
2.やりがい・楽しさを得るため
「やりがい・楽しさ」が非常に重要で厄介な部分です。
これがない(少ない)から仕事を辞めてしまうケースが少なくありません。
人はロボットではなく感情の生き物なので、お金だけでは動きずらい側面があります。
動けても続けることができなかったりします。
仕事を通してお客様からありがとうと言われてやりがいを感じたり、出来なかったことができるようになる楽しさを経験することは仕事の喜びと言えるでしょう。
例えば老人ホームで働いているヘルパーさんが、老女に「いつもありがとうね」と言われてやりがいを感じるという話を聞いたことがあります。
またテレアポの仕事でどうしてもアポが取れなかった新人社員が、声のトーンを穏やかにしたり、まずお客さんのメリットを説明するようになってアポが取れるようになって仕事の楽しさを感じたりすることもあるようです。
このように仕事を通じてお金だけでなく仕事の「やりがい・楽しさ」を感じるために仕事をしているという側面もあります。
1日の大半を仕事に費やすわけですから「やりがい・楽しさ」がないとつまらないですもんね。
3.スキル(技術)を得るため
僕はここを重視して転職しました。
どの仕事をするかによって、得られるスキル(技術)は変わってきます。
パン職人であれば、おいしいパンを作るスキル(技術)を、生命保険の営業マンであれば、保険契約のスキル(技術)を学び、習得していきます。
パン職人が生命保険の売り方を得ることは出来ませんし、生命保険の営業マンがパンを作るスキル(技術)は手に入りませんよね。
つまり、どの仕事を選ぶかで手に入るスキル(技術)が変わってくるのです。
あなたはどんなスキル(技術)を手に入れたいですか?
1日8時間仕事をするわけですから、続けることでスキル(技術)が上がってきます。
そして、いつの間にか仕事で得られたスキル(技術)に気づく瞬間が訪れます。
そういった瞬間に出合った時に「仕事をしていてよかったな~」と思えたりするのです。
仕事によって、
・新しい自分に出会いたい
・○○が出来るようになりたい
という想いから仕事をするという側面もあるということです。
4.人とのつながりを得るため(社会と関わっていたいため)
小学生は小学校という世界、中学生は中学校という世界、高校生は高校という世界がありました。
それぞれのコミュニティに所属する人たちがいて、良い時も悪い時もありますが、仲間がいるから楽しめたものです。
学校を卒業して大人になると、そのコミュニティが「社会」となります。
多くの人は会社員なので、社会の中でも「会社」がコミュニティとなります。
その社会や会社といったコミュニティに所属する人たちがいて、良い時も悪い時もありますが、同期や先輩、後輩がいるから楽しめるのです。
『人は社会的な動物である』とアリストテレスが言ったように、人は社会(コミュニティ)を作り、人々と関わりあって生きていく動物なのです。
要するに、人は1人では生きていけないということです。
仕事一筋で生きてきたビジネスマンが、定年で退職して人との関わりがなくなった途端、老け込んで元気がなくなってしまうという話を聞いた事があるかもしれません。
仕事という社会の接点がなくなってしまうことで、人と関わる接点もなくなって孤独化してしまうのです。
大変つらく、生きる気力を失ってしまうかもしれません。
仕事はお金だけではなく、人とのつながりを得るためにしているという側面もあるということです。
5.寂しさをまぎらわすため
愛する人を失った人が、その苦しさで仕事を辞めてはいけないと言われています。
空白の時間がかえって苦しさや辛さを倍増させ、抜け殻のように気力を失ってしまうからです。
仕事をすれば、是が非でも作業が発生します。
例えばパソコンで在庫を管理したり、メールをしたり、梱包やお客様の要望に応えたりといった作業です。
こういった作業が寂しさ、つらさを和らげてくれるのです。
愛する人の死でなくても、好きな子にフラれたとか妹とケンカしたとかで気分が沈んでいても、職場にいけば仕事の事を考えます。
完全に切り替えられなくても作業をしているうちにネガティブな事を考える時間が減っている事に気づきます。
そういった効果が仕事にはあります。
仕事に没頭していると、こういった人とのつながりやスキルを得るためといった効果を忘れがちになります。
しかしふとこれまでのビジネスライフを振り返ってみてください。
きっとこのような仕事の効能に気づくはずです。
人はお金「だけ」では動きずらい生き物なのです。
おわりに~一生分のお金があれば、人は働かないのか?~
人は一生分のお金があれば働かなくなるのでしょうか?
どうなんでしょう?
僕はそれくらいのお金がないから分かりません(笑)
しかし、超大富豪のビルゲイツ(マイクロソフト創業者)や柳井 正(ユニクロ創業者)、マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)などは今でも精力的に仕事をされてらっしゃいます。
彼らは一生分以上のお金を持っていますが、バリバリ仕事をされてますね。
これは自分のお金が目的ではなさそうです。
90秒のミニトークで人気だった『ICHIRO MONDOW 〜Two Chairs〜』でイチローがお金についてこう語っていました。
<お金>
初めは、モチベーションになるもの。
お金は最初のモチベーションにすぎないということです。
これまでお伝えしたお金以外の喜びを得るために仕事をするのかもしれません。
仕事に前向きに取り組んで、まだ見ぬ自分に出会えたらと思います。
本日もありがとうございました。
青年A